漫然と眺めていてはダメだ!切り口はいくらでも有る!(週刊ファイトの井上義啓初代編集長の口癖)

 ニコファーレは、ニコニコ動画の世界進出への発信基地…でありながらイベント会場としては稼働率が非常に低く、ドワンゴ経営上の障害だったハズ。その起爆剤となり得る有力コンテンツとして、コスプレが浮上したのか…?
 面白いのは、レイヤー層が(出演者近辺以外では)割と無反応である事。
 これに反応しているのは主にニコ動ユーザー。レイヤーからは関心の低いイベントが、外の世界に対してはアピール力を持っている?
 「コスプレイヤーの祭典」「次世代型コスプレイベント」って謳い文句はおかしいでしょう。
 あくまで「cureの祭典」であって。一般入場だと更衣室すら無い。出演者もcureからお声がかかった人達であって、公募は全くされていない。
 よく考えたら、特定作品名を挙げたコスプレのショーを、有料イベントとして集客する事自体、非常に危うい橋を渡ってやしないかね…?

・ 12/4 コスコレ! ニコニコ動画 TOKYO NICONICO COSPLLECTION in ニコファーレ (別窓で公式サイト開きます)


 以下、公表・公開されている情報を元に書きます。知っていても公表されていない事は書きません。
 趣旨としては「いま何が起こっているか」「何がどうやってこういう形になったのか」を、ある程度の文責を示した形で、一つの資料として書き残しておきたいと思うものであります。
 正直、書くべきかどうか迷う部分も若干有ったのですが、また、イベントの趣旨やムーブメントに対しての危惧は書きますが、なるべく個人攻撃にはならない様に心がけます。
 もし事実と違っている部分があれば、ご指摘ください。

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[参考記事]
・ コミケの中の「コスプレ」小史.コミケとコスプレの分化編 (別窓)

 以前書いた様に、昔はコスプレイヤーにとっての先導的立場にあったのは、コミケでした。
 コミケ以外には大きなコスプレイベントが無かったので、皆が「コミケでコスプレする」事に憧れや意義を感じ、そのルール変更や注意喚起のアナウンスを注視していた訳です。コミケでの基準が、コスプレイヤーの共通ルールの様に認識されて行きました。

 しかし時代は移り、コミケは飽和状態へ。他にも大型のコスプレイベントが沢山立ち上がった事で、コミケへの特別な感情が次第に薄まっていきます。
 2000年代以降、コスプレイヤーへの先導的立場(?)となったのが、コスプレSNSの存在…。
 本稿ではまず、ここに至るまでのコスプレSNSの大まかな流れから振り返ります。

 ニコファーレのCureコスプレコレクションを前に、そもそもcureとか、コスプレSNSって何なのでしょう?

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◆ 2000年代前半、cure独走 ◆

 ざっくり言うと、cureとはコスプレイヤー向けのSNSの草分けであり、最大手です。
 2001年オープン、04年からはライブドアが運営。各国語に対応している事、画像検索機能が簡単便利である事、運営チームも主にコスプレイヤーである事などが特長です。

 2000年代前半の時期、自分のサイトやブログを持っている人は、まだ珍しかったのです。
(サイト開くと音楽流れたりカーソルが変化したり、っていうの流行ったね…)
 しかし、SNSならPCとデジカメ、いやカメラ付ケータイされあれば登録できますし、個人のメールアドレスを晒さなくても連絡手段として使えます。イベントで知り合った同士 のレイヤーやカメラマンで、後で写真を送ったり、別のイベントへ“合わせ”(テーマや作品ごとに数人で集まって撮影し合う事)を誘う事も出来ます。
 まず抜きん出たのが、先駆者である“cure”でした。04年には時代の寵児・ライブドアに移譲され、その一大コンテンツとして成長を遂げます。
 だってライブドアのポータルサイトを見れば、コンテンツ一覧に「コスプレ」って出てるんですもの。クリックするとcureに繋がりますから。

 この時期以降、コスプレイヤーの多くはcure(もしくは後述するアーカイブのどちらかor両方)に登録しており、連絡や交流のため、名刺にはこれらのナンバーが記載されている事がスタンダードになりました。
 これによりコスプレイヤーに、地理的な縛りを受けない交流のネットワークが確立していきます。
 それまで雑誌などに載るのは首都圏在住のイベントに参加できるレイヤー限られていましたが、地方在住でもクオリティの高い写真を投稿する人は目に留まり、人気になったりしますから。

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 一般的にコスプレSNSもユーザー登録はもちろん無料ですが、もちろんどこかでビジネスとして成立している訳です。それは主には広告主からの広告収益。営利活動を行っている業者にも、コスプレSNSは魅力があるのです。
 コスプレに限らずですが、こういった専門的なSNSは、特定嗜好のユーザーの囲い込みと、ピンポイントでの広告効果が期待できますから。

 さて、皆さんの町に、ドレスとヨロイとセーラー服と伝説の武具を同時に扱っているブティックはありますでしょうか?
 …無いですよね。
 でも、コスプレ衣装の製作業者はこれらを同時に扱っている訳です。それらを見本として並べられる様な大きな店舗などなかなか構えられませんし、遠方から来てもらうのも大変です。
 そこで有効なのが、コスプレSNSを通じたピンポイントでの広告。
 漠然とチラシを撒いたりスパムメールを送るよりも、コスプレSNSに広告を出せばピンポイントでコスプレイヤー向けに宣伝が出来ますし、仮に店舗を持っ ていなくても技術と工房さえあれば、全国から注文を受け付ける事が出来ます。いや、カラーコンタクトレンズの輸入業者などに至っては、それすらも必要ありません。
 2000年代以降のデジカメ普及による写真文化とも相まって、衣装・ウィッグ・カラコン・レンタルスタジオ・書籍・造型素材…大小さまざまな業者が入り乱れて、コスプレSNSの広告バナーを飾っていきました。
 また、これらの広告のモデルを務めたりする事が、人気レイヤーのステータスの様にもなりました。

 今年はついにcureの広告にプレミアムバンダイが登場し、ゴーカイジャーや仮面ライダーフォーゼの公式ジャケットやアクセサリーを宣伝する様になりました。分かってるなぁ…。
(と、これを打っている時、cureのお知らせ部分に、コスプレとは何ら関係無い筈の、バンダイ「仮面ライダーフォーゼ」クリスマスケーキのお知らせが…)

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 2000年代前半~中期にも勿論、cure以外にもSNSは存在しましたが、しかしこのコスプレSNSというジャンルは、ビジネスとして運営に新規参入しようとして失敗するケースが、非常に多いのです。
 コスモードネット(終了)、秋桜人(終了)、コスこみゅ(終了)、コスタイプ(現存)、レイヤーズネット(現存)…沢山ありましたし、またポツポツと出ては消えていきます。
 コスプレイヤーだって、一人でそんなに多種類のSNSを使いません。大きいのに一つ二つ入っておけば足りますから。
 後発のSNSは波に乗れず。cureの優位性は長らく鉄板でした。

秋桜人(コスモスト)本格オープン「日本コスチューム協会準備委員会」発足記者発表 ITmedia
コスプレイヤー向けSNS「秋桜人」オープン。名誉会長には小倉優子が就任 

 ↑ 2007年に大失敗した例。
 大掛かりな発表会までやったけれど、SNS・秋桜人は1年程度で終了していたと思う。アパレル系企業が連合を組もうと有名タレントを広告塔に使おうと、ンなもん意味ないんだよ!と。
 ハッキリ言ってしまうと、コスプレイヤーに対して、タレントパワーは全く通用しません。むしろ逆効果です。
 小倉優子が自分を飾るためにファンタジックな衣装を着るのと、あくまで原作に同化したいコスプレイヤーにとっての“コスプレ”は、当人達にとっては全く違うものだからです。
 この世界の住人は、自分達が特殊で理解されにくい趣味を持っている自覚があります。だから相手が「分かってる」か「分かってない」人なのか、すぐに嗅ぎ分けられてしまいますから

 で、ここまでのSNSの多くは、画像投稿に主軸を置いていました。
 そうすると結局はcureと同じ土俵で勝負する訳ですから、その老舗の壁は破れません。
 しかし2006年、コスプレSNSの世界に、第二の波が来ます。
 
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◆ アーカイブ誕生により、二強時代へ突入 ◆

 そこに、無名のweb制作会社が興したオポジションが出現したのは、2006年夏…。

 言わばcureキラー・“コスプレイヤーズアーカイブ”
 見た目はmixiに近く、日記・コミュニティ・イベント情報・会場施設への口コミなどの機能が充実していました。
 つまりこれまでのコスプレSNSが主軸としていた画像投稿よりも、“コスプレイヤー同士によるコミュニケーションツール”として構成されたSNSでした。
 さらに新興のSNSでありながら、検索上位にヒットする率が非常に高い。
 
 これは短期間で登録者数を拡大させていきます。

 皮肉な事に、いわばここまではcureによって拡大したコスプレイヤー層が、さらに横の繋がりや多角的な交流を求めてアーカイブを使い出す、という現象も見られました。

 また、アーカイブ稼働翌年の2007年には、初音ミクニコニコ動画のスタートの波と重なります。
 初音ミクはTVアニメや漫画など特定の媒体に依存していません。
 歌を歌わせたりイラストを描いたりフィギュア作ったりコスプレしたりして、ファン参加型で、そのイメージを作り上げる巨大なムーブメントとなりました。その作品発表の場として、ニコ動はまさにうってつけでした。
 そしてこの時期、コスプレイヤーの数も一気に増えたそうです。
 多かれ少なかれ、それまでも右肩上がりでしたが、またグッと。
(それでも倍とかじゃなくて、せいぜい何割増かくらいだけど)
 しかし新参のコスプレイヤーには、投稿する様な写真は多く持っていません。この層には写真投稿型のcureよりも、mixiに似ていて交流重視型のアーカイブの方が使いやすかったのだろうと思います。
 画像を殆ど上げていなくても、コミュニティに書き込んだり、日記に動画を貼って見せ合ったりして楽しめましたから。

 面白い事に、最近のcureが力を入れている、コスプレによるショー“cureコスプレコレクション”があるのですが、この出演者の方々も、互いの連絡にはアーカイブを使っているケースが多いのです。

 最近、cureはコラボ企画やネット記事での紹介文で「日本最大」を売り文句として強調する事が多くなりました。…が、これの裏を読めば、実はすぐ近くに強力な競合相手が存在しているという事でもあります。

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 2011年12月現在、一般ユーザーを除いたコスプレイヤー登録数は、cure-約29万5千人アーカイブ-約7万7千人
 一般ユーザーを含めた全体数では、cure-約79万人、アーカイブ-約20万人。(登録されているIDの数から推測)

 登録者数で見れば確かに、歴史が長く、各国語に対応して海外からの登録も多い(そして副アカ対策のユルい)cureの方がまだ人数は遥かに上なのですが、しかし、ユーザーの平均利用時間で見ればアーカイブの方が上だと思います。
(具体的なデータが公表された訳では無く、あくまで客観的なデータからの推測。後述)
 なぜならアーカイブは日記やコミュニティやQ&A掲示板など、画像投稿以外の機能が充実しているので、“読む”“使う”部分が多いからです。
 こういった日記更新やフレンドを増やす事で、アーカイブ内のレベルが上がり、イベント参加表明ページでもレベルの高い人から順に表示されます。つまりSNSを“使う”事そのものによる楽しみを付加したのです。
(と同時に人気のヒエラルキーをまざまざと見せつけられる訳ですが)

 客観的事実として、同じイベント情報のページでも、cureよりアーカイブの方で参加表明する人の方が多いのです。

 参考までに、10/15のTDCコスプレフェスタのイベント参加表明なら、cure-307人アーカイブ-1121人
 また、12/1(木)丸24時間内の日記投稿数を調べると、cure-89件に対し、アーカイブ-1997件
 つまり日記やイベント参加告知などの用途で見れば、登録者数がcureの1/3しか居ない筈のアーカイブの方が、アクティブに使われている事が分かります。
 ここに、“コミュニケーションツール”としてのアーカイブの特性と認知度が有ります。

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 少し話は前後しますが。
 アーカイブ誕生2年後の2008年、cureは過去最大のリニューアルを行い、白と青のシンプルなデザインから、ピンクを多用した現在のキュートなデザインに変更。思い切った女子向けアピールと同時に、男性レイヤーの疎外感を掻き立てます。
 この時にドメインが「cure」→「coscure」へ、正式名称も「コスプレcure」になり、検索でも引っかかりやすくなりました。また、これ以降 はアーカイブの売りであったイベント情報ページやアルバム分けやコス友といった機能を、cureの方も積極的に取込んでいきます…が、遅れをとった感は否めません。

 ではここで、運営母体と方針がどう違うのかの話をします。
 「アーカイブは業者です。cureはサークルです。」
 …これじゃ分からないですよね。じゃ、細かく。

【コスプレイヤーズアーカイブ】
 有限会社ふわりという、web制作会社が母体です。所在地は名古屋。どういった人が作っているかは、あまり明らかにはしていません。
 何となくビジネスライクな感覚があり、cureの方では意図的に排除している、エロ系業者への宣伝リンクなどもSNS内に存在します。
 また、日記・アルバムなどの閲覧数を元にした毎日のランキングが発表されておりますが、これは殆ど、エロ系アルバムでROM通販を宣伝している人や、トラブルを起こして晒されている人が上位に来ています。
 レイヤー登録者に対してはなるべく顔写真の公開を求め、副アカなどの荒らしが発生しない様に運営が心がけている半面、SNSなのに画像や掲示板などが全体公開扱いになってたりして、「公開型SNS」と皮肉られています。

【コスプレcure】
 2001年オープン時は個人サイトでしたが、04年よりライブドアに移譲されています。
 cure運営チームはライブドア内のコスプレイヤーだそうです。ライブドアの社風そのものなのかな?と思いますが、よって、運営側の顔も見え、またその周辺にネットワークが形成される、壮大なサークルのノリが有ります。(良くも、悪くも…後述)
 流血や露出などのきわどい表現や、商標であるロゴ使用に対して、アーカイブより細かいルールが設定されている割に、あんまり厳密には運用されていません。

 個人的な感想ですが、私がアーカイブよりcureの方を重用しているのもこの理由で、運営側がコスプレを「愛してる」「楽しんでいる」。つまり“同志”の匂いがしていたからです。
 あとアーカイブはアルバムや日記の人気ランキングが発表されてるのですが、その多くが露出系レイヤーである事も「エロサイトかよ」って気がして、個人的には、どうも…。

 このcureのアバウトな運営は、振り返れば2006年にはメンテナンスの失敗により、一定期間内に投稿された画像やコメントが丸ごと消えるという珍事を起こしたりしました。また、新機能を実装する度に、別の何処かにエラーが出る事も多いです。
(ライブドアは、したらば掲示板でも似た様な理由でログが消滅したトラブルがありましたが)
 正直、もし同じ様な運営上の不始末を、仮にpixivが起こしたなら、炎上から祭りになってるだろうな…という出来事もありました。
 しかしpixiv ユーザーは運営への不満を漫画として投稿できますが、cureはコスプレ画像しか投稿できないので、それを直接表現する機会は無いのですが。

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 ともあれ、二大SNSがしのぎを削る…と書くと大袈裟ですが、コスプレSNSはcureとアーカイブの2強時代に突入したのでした。

 そして2011年、コスプレSNSの世界に、第三の波が来ます。
 “レイヤークラウド”
 言わばpixivのコスプレ版です。
 作品名やキャラ名を選択して登録するのではなく、タグ付けで投稿します。閲覧数や得点が公開され、交流の要素は非常に低く、見たい奴だけ見ろ的な潔さがあります。いや、だから機能は殆どpixivなんだってば。
 皮肉と言えば皮肉かもしれません。
 画像投稿型の草分けであったcureが、交流型のアーカイブを模した機能を次々と取り入れて変貌していった一方、よりシンプルな画像投稿型SNSが、新興勢力として勢力を拡大して来た訳ですから…。
 もっともクラウドは始まったばかりですから、今後どこまで伸びるかはまだ未知数です。

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◆ 外部メディアと組んだ戦略へ ◆

 近年、いや昔からポコポコ生まれては消えるコスプレ雑誌やイベント団体ですが、新規で興したり新会場を使う場合、cureかアーカイブからの公認やコラボ企画を謳うケースが多いです。
 二大SNSのどちらかと組んで告知すればそれだけで広告効果絶大ですし、何より、コスプレイヤーから見て、安心感があるのです。
 昔からハンパな知識と興味本位でコスプレを扱って、的外れな記事を書く雑誌、失礼な編集をするTV等も多いのです。cureやアーカイブが認めてる雑誌・イベント・TV番組なら、そんなリスクは少ないでしょう。多分。

・ 
Cure × TRYCOS スペシャル対談
・ 
芸文社×コスプレイヤーズアーカイブ100%コラボの新コスプレ雑誌「COS・A」 
 最近ではコスプレを題材にしたスマートフォン対応アプリもありますが、とりあえずcureやアーカイブで取り上げてもらおうという意図が見え隠れしますね。

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 で、cureの方はここ最近、より広く、他メディアと組んだ展開を押し出しています。
 管理人・乾たつみ氏自らが広告塔となり、TVやイベントやネット記事に積極的に登場、その流れで近辺の人気レイヤーもTVやイベントに“出演”し、タレント的に活動していく傾向があります。
 あ、レイヤー全員がROM売ったりモデル活動してる訳じゃ無いから、何をもって「人気レイヤー」を定義するかは分かりにくいのですが、少なくともcureにはファンクラブ機能というのが有りまして、この人数によって人気の目安にはなります。
(ちなみに私個人はファンクラブ機能を使っていません。後述します)

 折しもここ数年、世界コスプレサミットやCS「コスコスプレプレ」ニコニコ動画の出現で、写真だけでなく、動画による総合的な表現の機会、あるいはコスプレイヤーが生の声を発する機会が増えました。
 各地でコスプレによるパフォーマンスを行い、それをニコ動で発表するというチームも多く出現しています。
 ニコ動に投稿している歌い手やパフォーマーが、ビジュアル的なインパクトを求めてコスプレを始めるケースも多いです。
 色んなメディアを通じて発信されるコスプレ・コスプレイヤーに対して、憧れを抱いたり、素敵レイヤーさんのプチ追っかけ的な、非レイヤー層のファンも出現しました。
(また、ネットアイドルや着エロモデルが、目立つためにコスプレを取込んだりするケースも…)

 この流れの中で、cureとその周辺メディアは“動くコスプレ”をテーマに、コスプレのステージパフォーマンスを行ったりしています。
 …。
 結果としてそれは、特定の人気レイヤーをモデル的・タレント的に押し出す風潮に繋がりつつあります。

 それが悪い事とは思いません。
 コスプレを外の世界へ向けて発信するための、新たな可能性の一つですし、その為のソフトとしてパフォーマンス指向のあるレイヤーは限られていますから。私もそれを見ながら楽しんでますし。
 ただし…おっと、それは後述します。

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 同人誌方面の皆さんには、これをpixivの展開に例えると分かり易いと思います。
 pixivにも、パロディやオリジナルイラストで人気を獲得していった絵師が沢山いますよね?
 そして人気絵師になると、pixivとコラボしたイベントや書籍などで、プッシュされるケースも有りますよね?
 有名なマサオ氏を始めとして、pixiv内で人気者になって、外の世界へ飛び出した人達も多いですよね。カオ◯ラウンジとか!

 これと同じ様な流れだと思って下さい。
 コスプレイヤーのモデル化・タレント化などと書くと、どうしても芸能界的なエゲツないイメージですが、運営するコンテンツ内に存在する人気者を、拡大のためのカードとして、より広く対外的にアピールする事自体は、他ジャンルでも行われていたケースです。
 戦術としては、別に不思議ではありません。

 違いがあるとしたら、コスプレは漫画やイラストと違って、本人と作品とが非常に近い存在である事。
 そしてコスプレパフォーマンスは著作権上“上演権”に触れる、別の危うさを持つ存在である事、でしょうか…。

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 「お前はどうなんだ」って聞かれるだろうから、答えます。
 その辺の恥部も正直に話さないと、きっと説得力無いでしょう。
 華々しい皆さんを、僕も、まぶしく見つめる事は多々あります。正直、自分には縁が無いもので。
 cureのファンクラブ機能を使わないのも、これが理由の一つです。ウケは狙うけど、中身の“人気”を意識しちゃうと、終わりの無いマラソンの最後尾を走る気がするので。
 「お前、他の人気者と比較されて負けるのが怖いんだろ?」と言われれば、そうかもしれません。

 でも、路地裏に咲くからこそ美しい花だってあるじゃん?
 ステージの上で羨望を集めるコスプレもあるなら、ひたすら子供達にもみくちゃにされるコスプレだってあるんですよ。
 着ぐるみレイヤーは、何回TVに映ったってネット記事に載ったって、中身の名前も顔も出ないから、モデル的な人気を得る事はありません。
 でも、子供達と繋いだ握手の数や、家族連れと記念撮影してもらった数が、誇りです。それで少しでも原作のロボ玩具や変身アイテムの売上に貢献できたら、幸福です。

 ぶっちゃけ、うらやましいと思った事は有るのよ。
 でも、俺達には違う表現の道があるんだよぉッ!
 …あ、取り乱しちゃった。格好悪いですね。「虚勢張ってるだろ」って言われたら、当たりですよね。それで見下されても仕方無いですし、そういった格好悪い筆者の感情も書いておいて、その上で読者の皆さんが、全体の信憑性や説得力を判断するための材料にして頂ければ。

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 次回はcureの興した“動くコスプレ”cureコスプレコレクションのここまでの小史や、特定のレイヤーがタレント的にプッシュされていく事への是非。
 そしてコスプレがショービジネス化する事への、著作権上の危惧なんかを書いていきます。
 より、生臭い話になっていくと思います。


 誰かが、パンドラの箱を開けてしまわない事を祈りつつ。


(今回と次回、勇気の必要な発言が多くなるので…お察しください)


[つづき]
コスプレのショー化と著作権? ~コスコレを読み解く!,2 (ちょいと公開停止中)


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