ここ、特撮とコスプレとプロレスのブログなのですが、あえて書きます。
 皮肉ではなく、本気
 忘れちゃならないのは、最後の一人になっても自分の意見を言う勇気。丁寧な言葉、自分の言葉で。

 野田総理、よく戦ったと思います。
 敗北は必然と言えるけど、もうちょっと見るべき所は見てあげる人が居るべきだろうと思い、千葉4区在住の自分が発言してみようという趣旨です。
 これを書いて壊れる程度の人間関係なら、最初から無かったも同然だ!

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 カッコつけなかったでしょ。ずっと。
 汚れ役を全部やってもらいましたから。
 損な役回りをちゃんと出来る人、少ないですよ。

 ここまで何代かの総理が大抵、カッコつけて広げた大風呂敷に足を取られてポコポコ倒れて行くパターンだったでしょ。
 だから懸案の消費税にしろオスプレイ配備にしろ大飯原発の再可動にしろ、それが必要というなら、誰かが泥を被らなきゃならんかったろうと思ってます。
(原発は止めた方がいいに決まってる。けど代替エネルギーへシフトする前提で、最低限の再可動には意味があるだろう、という前提で発言ね)
(あと消費税はそれより前に、所得税の方が議論されるべきだったとも)

 どう考えても難しい状況だったと思うんですよね。
 だいたい安保にしろ復興にしろ原発にしろ外交にしろ、前任者達がこじらせたまま置き去った問題(それは戦後日本がウヤムヤにし続けた事象でもあるので!←強調)の尻拭いから始まった訳で、しかも党内には怖ーい人が幅を利かせてて言う事を聞かない。
 迂闊に閣僚が放った発言はすぐにメディアを駆け巡り、月イチペースで問責決議と審議拒否が飛んでくる。その度に任命責任を問われ。
 この状況で交渉を重ねて何か物事を進めるのがどういった面倒事なのかは、組織の中で働いた経験のある人間なら、推して知るべし、だと思います。

 もちろん見ててイライラする事、不支持な部分も沢山ありました。
 中断していた大間原発新設と八ツ場ダム建設の工事再開は、えーかげんにせーよと今も憤りを感じてます。
 マニフェストの引っ繰り返しっぷりは本当に本当にヒドイ。
(ただしねじれ国会では与党だけに責任は問えないという考え)

 それでも、この何代かの中では最も、やらなきゃいけない事はやって、前に進めたと思いますよ。
 「ひとつひとつ、乗り越えていく」のキャッチコピーは、だってそうするしか無いんだもの。
 昨晩、大勝した筈の安倍総裁が「手強い相手だった。おつかれさまでしたと言いたい」なんて語ったのも、負かした敵に敬意を表した訳ですから、今まで見た事無いパターンでしたね。

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 さて、総理の地元、千葉4区=船橋市の話。
 “一票の格差”において全国で最も軽く、当選するためには非常に多くの票が必要な地区でして…。

 一向に地元入りできない野田総理を尻目に、投票前日の夕方、街頭演説に安倍総裁自ら出撃。いわば敵の本拠地に乗り込んできた訳ですが…。
  この地区の自民党対立候補(キャッチコピー:ウソつき政権はもうたくさん!)、「私は人の事を悪く言いたくないのですが…」という前置きで始めたのが野田総理への口撃で、「新聞の候補者アンケートに野田総理だけ、公務多忙を理由に未回答なんです!船橋市民をバカにしてますよ!」という内容で続いた演説は、正直、前週に震度5の地震が起こったりミサイルが飛んできたりで対応に追われていた人間を批判する言葉としては、品位を欠いたな、と。
 小雨の中で30分、この対立候補がどんな政策を述べるかを注視していたものの、候補者も応援者もそれらを殆ど語る事のないまま終わったので、これじゃ牙城は崩せる訳ないな…と予感。

 2009年の郵政解散では野田氏と944票差、得票率0.3%差まで追い込んだ戦歴のある候補でしたが、今回は過去最大の9万票差まで開きました。小選挙区3連敗です。
 総理経験者なら勝って当然…でもないのは、東京18区の前任者が証明していますからね。

 東京のベッドタウンで人口が多い割に地元勤務が少なくて利益誘導が効かない船橋市民を、次の選挙で本当に動かしたいならば、感情的な煽りだけでなく、理論的で全国的に通じるビジョンを語ってみるべきだと思います。

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 何年か先にはもうちょっと、野田総理は評価されてても良いんじゃないかな?と願う。
 どうしても歴史的な評価って、定まるには時間かかると思います。小泉政権だって影の部分への評価は数年後に見えてきて、その尻拭い役となった麻生政権だってリーマンショック後の政策には評価されるべき部分だって有ったでしょう。
 あの時の麻生政権も今回の野田政権も、政権陥落は当時のトップのせいだけとは、言えまい。

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 ついでに小選挙区の話。この制度、そろそろ止めた方がいいと思うの。
 毎回毎回、非常に極端な結果が出ちゃうんだもの。
 今回小選挙区、自民党の得票率43%に対して獲得議席率79%、民主党の得票率22%に対して獲得議席率9%。
得票率と獲得議席数が剥離しすぎですよ。前回、前々回もそうでしたけど、今までは投票率の高さでかき消されてましたね。

 全国を細かーく分けてその中で1位候補だけが当選する小選挙区制では、例え二大政党の支持の比率が全ての選挙区で51:49だったとしても、51%でちょっとでも高い方が理論上は全議席を獲っちゃう事になる訳です。
 第三極をあわせて支持の比率が34:33:33だったとしても、34%所だけが全部獲ります。
  これだと1位に投票した人以外の民意は生かされない訳で、言い換えると、死票率が非常に高くなっちゃうんですね。
 だいたい小選挙区制での死票率は50%超えます。全体の投票率60%だとして、有権者の60%×50%=30%しか民意が生かされないから、有権者だって勝ち馬に乗ってしまいたくなります。それに選挙区が小さいという事は、投票率が低いと組織票を持ってる政党がより勝ちやすくなります。

 昔の中選挙区制だともうちょっと大きな区割りで2,3人ずつ当選できるので、政党の順位が1位と2位で入れ替わったとしても、そこまで極端な入れ替えが起こらなかった訳ですね。

 また、最近の当選落選の入れ替わりが激しいのと、地区の1位しか当選できないのでフツーの人が議員になれず(なっても次の選挙で消えるので)、世襲や何か組織の支援を受ける以外での新人議員が育てられないのも、長期的に見て未来へのマイナスだと思います。

 衆院選で圧勝→参院選で揺り戻して惨敗→ねじれ国会で審議進まず→衆院解散に追い込まれ→ふりだしへ…
 …って事を2005年の郵政解散から7年も繰り返してるので、大概にして頂きたいのですが。
 
 そこら辺、二大政党(まだこの表現使うからな)は互いにねじれ国会を経験したので、交渉を重ねて落としどころを模索する様になっていただきたいと思うのですが。その方法論の例は、もう示されたでしょう。
 どこの国の民主主義にもオポジションは必要なので、それをちゃんと育てて来なかったツケはもうしばらく、国民が払うしか無いんでしょうね。

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 2009年の政権交代時にもmixi日記で言ってましたが、選挙結果というのは言わば「通過点」でしかありません。
 天変地異でも起こらない限り、人々の営みや政治は続きます。
 日本、終わんないですから。
 悲観し過ぎず、楽観せず。

  いやー、僕は労働問題や社会保障を基準に考えるんで(地味だけど、失敗するとボディブローの様に数年かけて社会を蝕んでいく)、ぶっちゃけアベシン批判しようとしたら2時間くらい話せるんですけど、それはこの文の趣旨では無いし、それを混ぜちゃう事は品位に関わるので、避けよう(笑)
 …谷垣さんや石破さんだったならそんなに頭痛はしなかったかもしれませんが。

 誰しもそうですが、思う事は多々あるだろうけど、それの表現の仕方によっては、発言するあなた自身の品性や信頼を、損ねちゃいますよ…?

 …以上、なるべく丁寧かつ自分なりの言葉で語る事に努めてみました、勇気ある発言でしたー!
 イヤーだってほら、政治の話題ってどうしても賛否が割れるし攻撃的になりがちだし、特に公開日記で民主党方面を良く言うと、それだけで検索でやってきて売国云々のコピペ貼っつけてくアレな人が出たりするしぃ。堂々と語るには覚悟いるのよ?

 最後まで読んだ皆さんには、俺を嫌いになる権利も、これらを批判する権利も、二度と来ないようにして距離を置く権利も、それぞれあるのですよ。コメント・トラバは承認制ですが。
 

 さて、珍しくブログに上げた政治関連の日記はおしまい。あんまり色が付くのも嫌ですし。
 次の日記はコミケへサークル参加する告知です☆