「アレでしょ?まーた芸能事務所所属のモデル系の人達に業者製のコス着せたり、意識の高いコスプレイヤー様ばっかりのきらびやかなファッションショウで、私服姿の女性客はキャーキャー言ってるけど、その他大勢の名もなき普通のレイヤー達はシラケちゃうヤツでしょ?」


 ちがいます。
(アレ?いま何か変なこと言った??)

 どうも昨今の「コスプレのショウビジネス化」ってのは、選ばれたごく一部の
特定レイヤーがタレント化」していっただけだったんじゃないのか?って気がしてならないんですけれども、今回ちょっと、面白い試みも色々あるらしいとの事だったので、コスプレ史を記録して後世に残す事を趣旨とする本ブログとしては、現地行って体験してきました。
(あ、ここってそーゆー趣旨だったんですね…忘れてた)


 ニコファーレ…。
 バブル終了後も続いた90年代ディスコブーム、トランスやパラパラブームを牽引した“六本木ベルファーレ”の地下部分を改装し、ニコニコ動画のドワンゴ社がウッカリ作っ(てしまっ)たイベントホール。
 壁面360℃がLEDで覆われ、コンサートや政治討論や将棋の対局イベントをニコ生で中継、それらに対するユーザーからのコメントがリアルタイムで出演者の背後に流れたりする、スッゴイ仕掛けのホール。
 …なのに実際に利用される頻度が低く、都心の一等地ホールなのにスケジュールがスカスカで「ドワンゴ経営のお荷物」「ニコニコ不良債権」「有料会員の会費はこの赤字補填に使われてるのか…」とも揶揄されるシロモノでもあります。

 そんなニコファーレでドワンゴ社がハロウィンに企画した「niconico cosplayction」(ニコニココスプレクション)は、台風27,28号の連合軍により開催を延期、この11/16,17となったのでした。

 本題とは外れますが、10月末の台風では各地イベントが延期(中止)か決行かで判断が割れ、直前や当日になってゴタゴタする例が多くありました。
 そんな中で、ドワンゴ社はこのニコニココスプレクションを本番三日前の、台風の予想が一番悪くなった時点でキッパリと延期発表しました。もちろんそれはニコファーレの予定がスカスカである事で可能となった皮肉な例ですが、各地のイベンターの皆さまには、台風による延期(中止)の仕方としては、お手本にしてほしい流れだったと思います。

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 更衣室はニコファーレから離れたビル内にあるので、着替えた人達が数人ずつまとまって移動するという羞恥プレイが発生。
 更衣室利用料は1,000円。
 またニコファーレ入場時にはドリンク代として500円かかります。

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 初日は開場は17時からで、開演19時から。
 開演前には希望者が次々とステージに上がって、それっぽい背景を映してくれる前で、一般参加レイヤー達がポーズして写真撮り合う光景。
 この段階で既にMCのマヒオさん(コスモード編集部)がステージ上でキャラ名をコールしてくれる等、盛り上げてくれてました。


 そしてオープニングアクト。パフォーマンス部門第一部。

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 イケメン集団による「Free!」
 女性向けアニメなので、通常のコスプレイベントでは男性レイヤーの「Free!」は(ナンパレイヤー以外では)ほぼ見かけないのだけど、男性レイヤー(てか数名プロのモデルさん達なのですよ)による肉体表現ってのは、女性レイヤーにはマネしがたい部分ですね。
 すっごい黄色い声援が飛びまくってました。

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 暗闇に満月が浮かんだ時点でヤバい予感でしたが。

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 ハイ、変態仮面でした。筋肉の無駄遣いだよ!
 終演時から表示され始めた視聴者コメントが「おまわりさーん!!」一色だったので、余罪を追及すべき。

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 もう一人のMC・百花撩乱さんはスパイダーマンの安物衣装を買ったら、背中のマークがクモではなくダニだったとボヤく。
 右が前述のマヒオさん。只の雑誌編集業とは思えない仕切りの上手さでした。
 ランウェイを知らない人のために、どういった事をすれば良いのかお手本演技。

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 で、今回の目玉(?)企画として、来場者を抽選でランウェイ(ファッションショウ形式でステージ場を歩いたりポージングしたりする表現)させてしまうという無茶なのがありまして、入場時にもらった抽選番号をルーレットで呼び出していく…筈が。
 MCに番号を呼ばれても、全然、名乗り出ない…。
 無言の辞退者多数により、半分以上の当選が無効になってしまいました。

 視聴者コメで「もう希望者を募って全員上げろよ」「レイヤーって目立ちたがりなんじゃないの?」みたいな疑問がいくつか入ってましたが、これ、割と独特の心理でして…。
 必ずしも「目立ちたい」訳じゃ無いんですね。「好きなキャラの格好したいだけ」という純粋な気持ちでやってる人も多いから、身内以外の撮影はしないとか、写真はネットに上げないとか、悪目立ちしちゃって後で叩かれるのが怖いとか、そーゆー心理もあるんですよ。

 で、一緒に参加していたライヒさんのメタルミク(オリジナルデザインで陸上自衛隊所属の設定)が当選したので、グループ参加歓迎という事で、組んでみる事にしました。

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 箱ミクとメタルミク。
 地下にいると感じないのですが、舞台袖で待機中に地震があったらしく、コメントで千葉震度4というのが流れたので、不安になりましたが。
 緊張してました!
 コスサミ予選みたいに勝敗がある訳じゃ無いけど、モニターの向こうに全世界と繋がってしまってるって思うと…。ランウェイって、実はちゃんとやった事が無いんですよ。
 終了後には千葉の地震の心配と「船橋をよろしくなっしー!!」みたいな事を言ってたと思います。ふなっしーのモノマネする箱ミク、今後ともよろしくお願いします。

 自分が出ちゃうと写真撮れず、モニターで他の人達を見てました。

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 そして21時過ぎ。世界コスプレサミット(WCS)協賛のステージ。(動画撮影を頼まれたので、写真なし)
 さっきまでカウンターでバーテンやってた仮面の人がMCとしてステージに登場すると…中身はイラストレーター・岸田メル先生!?
 メル先生は名古屋出身で、WCS2013の日本代表選考会やチャンピオンシップで審査員をやってたり、イメージキャラをデザインしてらっしゃるのだ。しかも喋りが上手い。

 そして、WCS2013日本代表のチーム沙久(万鯉子/FRAN)が、「悪魔城ドラキュラX」の、アルカードvsドラキュラ伯爵の演技を披露。
 コスサミの時から大道具やBGM(放送の都合上、権利関係とか考えられたらしい)がアレンジされたバージョンでした。ユーザーからは「宝塚!」的なコメントがチラホラ…それ僕らも思ってましたよ。
 ちなみにこの二人、ニコニコの公式サイトには開催直前になって、チーム名(個人名なし)と写真だけ掲載されていました。他の出演者や、翌日に登場した2012日本代表チームの扱いと比べても告知され方に差があったのは、彼女たちが普段は芸能活動など行っていない人達だからなのだろうか…勿体ない。

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 パフォーマンス部門第二部。

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 うたプリ。ダンスのキレが、練習してるんだなってキメ方です。

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 マギ!これ子供使うの卑怯だよ!(笑)

 そしてランウェイ二回目。

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 さっきと比べて、当選したら手を挙げてくれる係数がグッと上がりました。何をやれば良いかってのがイメージしやすくなったからだと思う。
 視聴者の方も、画面上で見かけて自分の気になったキャラ名で「◯◯来い!」とか「これ男だろ」とか「ドヤ顔w」みたいな、楽しみ方が分かってきた模様。

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 銀魂のトッシーが、なぜか持っていた(ラブライブの)矢澤にこウチワを、隣にいた にこ先輩のレイヤーに手渡す謎のコラボが出現。
 こういった作品またぎのパロディシーン続出も、良い意味でユルさを楽しめる空間なので。

 終わったのは22時半。ステージ系イベントとしては3時間半の長丁場でしたが、特にダレる事も無く、所々でカウンターへ飲みに行ったり端っこで休んだりしながら、ハイテンションのまま終了を迎えました。
 初日でニコ生を見た人達の足が動いたのか、二日目の方は来場者もかなり増えたとか。
(二日目のランウェイがネタ系と女装ばっかりになってしまった件は、私の責任ではないので…)

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 「コスプレをして楽しむイベント」「コスプレを見せて楽しませるイベント」は違うのです。混同しがちなんだけど。
 前者のイベントは、レイヤーが写真撮り合ったりゴッコ遊びしてる姿ばかりでは、番組にもショウビジネスにもなりません。
 後者のイベントは、ごく一部の素敵レイヤー様だけがステージ上がってスポット浴びる光景になりがちで、それ以外のレイヤーがシラケちゃいます。
 今回、これらをうまく並立させたと思います。
 
 他のコスイベだと隅に追いやられがちな、女装やネタ系レイヤーが一発芸的なノリでステージに上がっちゃう光景って、余所のステージ企画にはには無いから!嫌がられるから!それを許容しちゃう土壌ってのが、ニコ動にはあるんですね。
 で、上手く演技できなかったり喋りが失敗したりクオリティが低かったりネタ系だったりしても、MCがイジったり、視聴者が皆でツッコミ入れながら、楽しむ。

 格好イイもの、美しいもの、ヘンテコなもの、シリアスなもの、バカバカしいもの、全部ひっくるめてこそ“コスプレ”の楽しさだと思う自分にとっては、メリハリが効いてて、すごく刺激的かつ面白いイベントでした。
(同所でのコスプレショウのイベントは2011年12月にもニコニコ×Cureコラボとしてやっているのだけど、レイヤーはクオリティ優先の出演陣だったので、クオリティ高いのを3時間も見続けると後半で疲れちゃったのも事実)

 「コスプレのショウビジネス化」の流れにあって、この「必ずしもクオリティ高くないコスプレにも、ツッコミながら楽しんで見る」って部分は、盲点かつ、エポックメイキングだと思う…!

 来年のハロウィンでの開催と、ニコニコ超会議3での出張開催も告知されました。

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 さて。
 この夜、ニコファーレへのレイヤーの入場数(更衣室+ドリンク代)は80人程度。他、私服姿の客(ドリンク代のみ)は十数人。二日目はもっと増えたそうですが、それでもザッと計算したら、ゲートの収入なんて無いも同然でしょう。
 どこで採算とってるの…?いや、イベント自体では全くとれてないですよね?
 番組として生中継する事で、視聴者を、混雑時にも優先的に視聴できる有料会員へ誘導する効果を求めてるのか…?
 ニコ生の視聴者は初日で6万人超えてましたから。二日目はそれ以上の筈。

 あるいは儲かり過ぎてしまったドワンゴ社の、税金対策…あ、ユーザー還元セールなのかもしれませんねっ!


・ ドワンゴが黒字転換、最終益22億円に niconicoプレミアム会員は211万人に-ITmedia ニュース
>「ニコニコ超会議2」「ニコファーレ」などを含むライブ事業の売上高は前期比76.5%増の11億5300万円。
>営業損失は5億4000万円(前期は9億5400円の損失)だった。