さぁ、角の立つテーマを長々と書くよ!
いつの間にか自分も保身に走っていたのではないかと思い、ともすれば角の立つテーマに触れてみようと思います。
まず間違えないで頂きたい事。
「コスプレイヤーで芸能活動を始めた人は全部失敗する」と言っているのではなく、「コスプレイヤーである事を売りにして芸能活動した人の多くが失敗してきたのは、何故か?」というテーマですので。
失敗を考えるのは大切です。
決してアイドルやタレント事情に関して詳しい訳じゃないですが、コスプレの文化史に関しちゃ興味持ってるので、このブログがあくまで個人的な視点である事を大前提に、書きます。
コスプレイヤーを売りに歌手やモデル活動を始めたコが、いつの間にかAV出てたり水商売してたりするケースは、(本人が納得してるなら構いませんが)あんまりくり返すもんじゃないと思うので。
「コスプレで芸能界を目指す!」って、今も昔もよく聞きますけど、それ極論すると、女優を目指してAVに出ちゃうみたいな話で、「そのルートでちゃんと成功したモデルケースって、どんだけあったの?」ってのは気になる所です。
過去の失敗を省みないで同じような事をやっちゃうから、墓標ばかり増えていくんだよ!(1回目)
※ 「誰の事ですか?」を通り越して「私の事ですか?」と聞かれそうですが、個別の案件に関しては答えを差し控える。
× × × × × × × ×
いつの間にか自分も保身に走っていたのではないかと思い、ともすれば角の立つテーマに触れてみようと思います。
まず間違えないで頂きたい事。
「コスプレイヤーで芸能活動を始めた人は全部失敗する」と言っているのではなく、「コスプレイヤーである事を売りにして芸能活動した人の多くが失敗してきたのは、何故か?」というテーマですので。
失敗を考えるのは大切です。
決してアイドルやタレント事情に関して詳しい訳じゃないですが、コスプレの文化史に関しちゃ興味持ってるので、このブログがあくまで個人的な視点である事を大前提に、書きます。
コスプレイヤーを売りに歌手やモデル活動を始めたコが、いつの間にかAV出てたり水商売してたりするケースは、(本人が納得してるなら構いませんが)あんまりくり返すもんじゃないと思うので。
「コスプレで芸能界を目指す!」って、今も昔もよく聞きますけど、それ極論すると、女優を目指してAVに出ちゃうみたいな話で、「そのルートでちゃんと成功したモデルケースって、どんだけあったの?」ってのは気になる所です。
過去の失敗を省みないで同じような事をやっちゃうから、墓標ばかり増えていくんだよ!(1回目)
※ 「誰の事ですか?」を通り越して「私の事ですか?」と聞かれそうですが、個別の案件に関しては答えを差し控える。
× × × × × × × ×
■ ありがちパターンを振り返る ■
表現活動って楽しいと思うんですよ。
コスプレSNSで写真や動画を公開する、コスプレコンテストに参加する、コスプレイヤーを使ったショウに出演する…。
そこで声援や歓声を浴びたり、沢山のイイネを押される事もあるでしょう。
でもね、それはあくまで、元のキャラクターに対して送られてるものなんですよね。(重要!)
勿論2次元キャラを3次元に再現する技術やアレンジセンスの高さは評価されるべきものですが、観客はアナタではなく、アナタを通してキャラのイメージに対して盛り上がっている訳です。
それを、どこかで、自分自身の人気のように錯覚してしまう事は、往々にしてあると思います。
(いや、錯覚も勘違いもしてなくて、人前に立って表現する事の楽しさに目覚めた人もあるでしょうが、そういう人はコスプレと本職の芸能は分けて考えるから)
かくて、コスプレで演じる“キャラ”ではなく、コスプレした“自分”を売り出そうという試みは、大なり小なりいつの時代にも発生するものでして。
90年代の頃から度々、ゲーム会社の公式コスプレイヤーになったり芸能事務所に所属したりして芸能活動を始めるコスプレイヤーは数多くおりました。
(めろん・まろん・びとらのMMBも双子サラも、そっちの話になると長いので、名前以外の話はここじゃ出さない!)
アキバブームを経てオタク文化が一定の認知を得る2000年代以降の時代に至っては、事務所の方も「コスプレイヤー」である事をアピールして売り出そうとする例も多くなりました。
いや、ネット普及以降は、大きな事務所には所属せずに個人でアピールしてモデル活動やタレント活動をしようとしてるケースも多くあります。アキバ系タレントやインディーズアイドルと言われる人達には、現役コスプレイヤーであるケースが多かったですね。
で、だ。
コスプレを脇に置いといて本格的に歌や芝居の勉強をして芸能の道に進もうというのならば、そっちの道で活躍した人は何人もおりますよ。
でも、コスプレイヤーである事を前面に出して、それを売りに芸能活動しようとした人達というのは、瞬間的には突風が吹いても、あんまり継続的な成功した例を知りません。
何をもって成功/失敗と定義するかは難しいですが、少なくとも“コスプレイヤーを本職”のようにして、長期間に渡り芸能活動した人や全国区での人気を獲得した人は、日本国内にはほぼ存在しなかったと思います。
※ AVに出たりエロコスROM出したりした人は、ポルノとしての需要なので別とします。
[よくあるパターン]
コスプレイヤーである事を前面に押し出して芸能活動を始める。
↓
でも商業活動において版権キャラの衣装を使い続けるのは難しい。
↓
結局はキャラのイメージではなく、一人のタレントとして芝居なりスタイルなり歌唱力なりトークなりパフォーマンスなりコネクションなりで競わないといけない。
↓
既にプロとしての訓練を受けてきた他の本職のタレントやアイドルとの競争において、コスプレイヤーである事の優位性は、奇抜な衣裳以外には、特に無くなる。
↓
中途半端な位置になる。
↓
女性の場合は肌の露出度を増やしていって…。
× × × × × × × ×
直近の例だと、覚えてる方もまだ多いでしょうか。
2012年8月に大手レコード会社のソニーミュージックから「業界初のコスプレイヤー3人組アイドルユニット」みたいなキャッチでCDデビューしたグループ“パナシェ!”は、1年経たずに翌2013年4月に活動休止しますが、その3枚のCDジャケットを並べて見ると、コスプレイヤーである事が売りの筈なのに、ウィッグが無くなり、衣装の布面積が減っていくという、過去十数年くり返された失敗パターンを半年に凝縮したような、流れ星の如き。
(脱いでない!まだ脱いでないよ!でも元メンバーが一人、(悪)名高い露出系レイヤーのプロデュース下に入ったので…)
これは本人達の問題よりも、過去の例を研究せずに単に露骨なステマに走った、ソニーミュージックの運用の問題だと思います。
だいたいコスプレイヤーをアイドル化してCDデビューさせる企画だって「初!」ではなくって過去に何度かあった筈ですが、誰も長期的な成功をしてないので失敗例すら記憶に残らず、次の世代でまた二の舞と言いますか、二の轍を踏むと言いましょうか。くり返しでした。
過去の失敗を省みないで同じような事をやっちゃうから、墓標ばかり増えていくんだよ!(2回目)
(特に何の特長も売りもないアイドル気取りのコスプレイヤーがパンツ見せている例)
× × × × × × × ×
■ コスプレは芸能活動においては付加要素? ■
ハッキリ言うと、コスプレで押してもダメなんです。芸能活動においては、コスプレは本職+アルファの付加要素でしか無いんですもの。
コスプレイヤーである事を売りにする以前に、コスプレは脇に置いておいて、役者なり歌手なりダンサーなりお笑いなりトークなりの高い芸能スキル(+幸運)(+コネクション)を身に付けなきゃ、勝ち残れる訳が無いと思います。
コスプレイヤー出身のタレントで、ある程度の成功した例は、コスプレ以外に何かスキルを持ってた人なんです。
言い換えると、「コスプレイヤーの芸能活動は失敗する」と言うより、「コスプレ以外のスキルに乏しい人は失敗する」んじゃないかなー…。
ぶっちゃけ世間一般の消費者が求めているのは「コスプレイヤーがタレントやアイドルになる姿を見たい」ではなく、「タレントやアイドルがコスプレした姿を見たい」です。
だってコスプレイヤー見るよりも、アイドルがコスプレ姿を披露してくれた方が、世間一般には受けますでしょ?
CSフジテレビで日本初のコスプレ専門番組として始まったはずの「コスコスプレプレ」だって、いつの間にか声優やアイドルを呼んでコスプレさせるコーナーをメインにしていった事、ご存知でしょうか。
んで、壁にぶつかった時…。
女の子の場合はここで「脱ぐ」とゆー、コスプレとしては本末転倒な道が選択肢に入ってきます。
2000年代は電車男ブームと前後して、コスプレイヤー出身のアキバ系タレントやインディーズアイドルがメディアを駆け抜けましたが…有名になろうとして芸能活動始めた結果、いつの間にかAVに出てたコも非常に多くてですね…。でもAV女優としてデビューしてちゃんと成功に至ったのだって、きこうでんみさ嬢みたいな一握りじゃないかな。
現在はAVに出なくても自分でエロコスROM作って売った方が商業的には効率良いので、脱ぐコは最初から自主的に脱いじゃってますが。
※ でもポルノとしての需要は、コスプレイヤーとしての活動とは違うと思うので本稿では除外してるってば。
で現行、コスプレイヤーとして芸能活動をしている人達も日本国内に沢山おるのですが、それは“本職”ではありません。
他にちゃんとした収入を得る仕事を持っている(漫画家であったりキャンギャルであったり、ゲームメーカーやIT企業の広報担当だったり)人達が、本職のプロモーションの一環として、コスプレしてメディアに登場しているケースが殆どです。
私が考えるにメディアに登場する「コスプレタレント」的な枠で、長期的に最も成功したケースは綾川ゆんまおさんだと思うのですが、彼女とてレースクイーンやデザイナーの顔を持っていた上での、+アルファとしてのコスプレ要素だったと思います。ちょっと前だと一本木蛮さんがよく雑誌などに登場していましたが、本職は漫画家です。…乾さん?乾さんはスベり芸の人(あと何かSNS管理人)ですから。
ちょっと気になってるのがアキバ系アイドルユニット“でんぱ組.inc”、奇抜なウィッグを使ったりして確かにコスプレと近い所に立ってるんだけども、コスプレ要素よりもパフォーマンスに重きを置いた事でファン層を限定せず、成功している例だと思います。今後どうなるんでしょうか。
だからコスプレは芸能においては、他のスキルあっての、付加要素なんですよ…。
× × × × × × × ×
自分が演じた「キャラ」を見てもらうのがコスプレ。
コスプレした「自分」を見てもらうのが芸能活動。
…コスプレを見せたいのか、コスプレした自分を見せたいのか。似ているけれど混同しちゃダメなんですけどね。
芸能活動には特徴的で濃い顔が有利です。インパクトが有って覚えやすいですから。
コスプレイヤーは特徴の少ない薄い顔が有利です。凹凸の無い真っ平らなキャンバスみたいな物なので、いくらでも描き込めます。
そう考えると、他人に見せる前提で活動してる人達なのに、「何にでもなれる素体の存在」「確固としたオリジナリティある存在」で、求められる条件が逆なんですね。
以上、ちょっと寄り道。
× × × × × × × ×
■ 本場・日本だからこそコスプレイヤーが職業化できない? ■
地域にも依りますが、海外ではコスプレは趣味としてだけでなく、“ショウビジネス”としての色合いが強いそうです。「コスプレイヤー」そのものが、職業名として成立している地域もあるそうです。
コスプレのショウビジネス化・コスプレイヤーの職業化…というのは、つまりキャラの衣装で歌ったり踊ったり芝居したり、写真集を販売する事で相応の収入を得て“本職”となるコスプレイヤーの存在です。
(特に中国では、中華系キャラのコスプレで公演活動する人達には、文化事業として国から助成金が出てるそうな…)
でも、それは海外だからです。まず国境またいでの著作権の考えが緩く、そしてアニメの本場である日本から歌手や声優を呼ぶのはお金かかるので、代わりに、歌ったり踊ったり芝居をしている現地のコスプレイヤーがタレント化・アイドル化できたのだと思います。
そういった地域のイベントでは近年、国際交流として、日本の歌手や声優だけでなく、日本からコスプレイヤーをゲストとして(大使のような位置付けで)招待するケースもあります。失礼な言い方で恐縮ですが、日本国内ではフツーのコスプレイヤーの一人(と言っても相応の高いレベルの人です)が、外国にゲストで招待されると、アイドルみたいに扱われてビックリする例もあるそうな。
一方、上記の例を、“アニメ・マンガの本場”である筈の日本国内で(どんだけクオリティ高くても)「コスプレイヤー」が職業化できていない理由に言い換えると…本場・日本ならではの構造が見えてくるのではないでしょうか。
○ 日本は著作権者と隣接している。
権利者の視界に入る中で、特定作品を使った勝手なショウビジネスは大々的に出来ない。公式のミュージカルやヒーローショウと被る。
○ 日本は競合コンテンツが過多である。
予算使うならコスプレイヤーではなく、アニソン歌手や声優や原作者を呼べる環境であり、消費者もそちらを選択する。
著作権的な部分は言うに及ばず。この問題があるから、日本のコスプレイヤーは出演料などが発生する活動を「営利になっちゃダメ」とタブー視して忌避してきたのだと。現在行われているコスプレ関連のショウだって多くの場合は観覧無料ですし、映像ソフト化も無いです。
そして国内のどこかでオタク向けイベントやるとして、予算を使うならコスプレイヤー呼ぶよりも、声優なり歌手なり原作者なり呼んでトークやミニライブしてもらった方が、遥かに集客力あるでしょう。消費者の側だって、コスプレのショウ観覧にお金を出すなら、公式ミュージカルを観に行けるでしょう。コスプレイヤーにアニソン歌わせるよりも、アニソン歌手や声優にコスプレして歌ってほしいでしょう。
もしコスプレイヤー呼ぶ場合、特定の1,2人をタレント扱いで呼ぶよりも、バリエーションを売りにして…つまり単品ではなく数十人をまとめて、パッケージで招聘してショウにする運用形式になると思います。
現にそうなってますもの。あっちとかこっちとか。
(あ、中には権利者の許可を得てコスプレのショウを行っているケースもあります。でも、それはごく一部。権利元だって、正規に監修や契約にかかる労力の割にリターンが少ないそうなので、公式のビジネスに悪影響が出ないレベルには黙認状態です)
だから日本で「コスプレイヤー」が職業化できないのは、本人達の能力値だけの問題ではなく、上記のような構造的な理由があると、個人的には推測しておる訳です。
→日本のオタクは、アニメキャラの代用を声優やミュージカルに求めた。
→海外のオタクは、アニメキャラの代用をコスプレイヤーに求めた。
その代わりに、趣味に徹して活動しているコスプレ人口がものすごく厚いので、数万人規模のユーザーに向けたウィッグや衣装の販売、小道具の製作や、撮影スタジオ運営、名刺印刷などなど、「コスプレ関連ビジネス」の類はとてもとても盛んな訳ですねー!
× × × × × × × ×
■ 先の事を考える ■
未来は分かりません。
この先に大成功する人が出るかも分かりません。
でもその為には、今まで失敗してきたケースと理由も分かっておけば良いと思うので、このようなブログを反感覚悟で書いておきます。
ここ数年、コスプレイヤーがコスプレイヤーとして(タレントやアイドル扱いではなく、趣味人が生の声を発する立場として)各メディアに登場したり、あるいはメーカーの公式グッズの販促プロモーションやキャンペーンなどで使われるケースも増えてきました。
まー、コスプレを広告塔として使うのはゲームショウ出展メーカーなどで昔から有る手法ですが、昔は個人のツテが頼りだったのが、これを間に入って、企業やイベンターに対してコスプレイヤーを紹介する“仲介ビジネス”的な事も盛んに行われてきています。
例えばコスプレサイトCureはSNSであると同時に、様々なメディアへコスプレイヤーを載せていく巨大な芸能プロダクションのような存在でもあります。
また先日NHKの討論番組に出演した(株)ONIGIRIも、「公式との連携」を謳い、メーカーのプロモーションなどにレイヤーを紹介しています。各地のイベンターにもそういった「コスプレイヤーを使いたい」相談は来るそうです。他にも例は沢山あるけど、割愛。
悪い事では全くありません。
報酬は無しか交通費+アルファで、これだけではとても本職の芸能活動と呼べるレベルではなく、ファン活動の延長といった感じですが、コスプレイヤーは基本的に衣装もメイクも自前で用意してしまう訳で、つまりメーカーやTV局にとってのコスプレイヤーは、良く言えば「利益は度外視で協力してくれる人達」、悪く言えば「安く使えるタレント」として、お互いにメリットがあると思います。
(プロのモデル雇って本格的なコスプレさせようとすると、衣装製作の方で高く付いちゃうので、衣装や小道具を自前で持ってるだけでも大きい…)
× × × × × × × ×
で、こういった活動をステップに、多分いま、日本国内でも海外に倣えとばかり、前項で挙げたような本職の“商業コスプレイヤー”を作ろうとする動きも(一部では)盛んですね。
2009年以降、世界コスプレサミットの日本代表選考会が「パフォーマンス重視」の選考にシフトしたのも、Cureが「動くコスプレ」を掲げてファッションショウを開催するようになったのも、この流れの中にあると見ます。
でも、本格的にタレントやアイドルのような芸能活動へ行こうとすると…ハイ、このページの冒頭へ戻る…んじゃないかしら?
コスプレイヤー出身で芸能で成功できるのは、コスプレ以外の高いスキルを持っている人だけですし、コスプレそのものを有料ショウビジネスに押し上げるのは、日本では壁が高い…。
× × × × × × × ×
シメに入る。
キャラになってみたい、友達と盛り上がりたい、沢山の人に見てもらいたい、目立ちたい、優れた写真を作りたい、お祭り騒ぎしたい、有名になりたい、チヤホヤされたい、タレントになりたい、ビジネスにしたい…色んな思惑があると思いますが、プレイ=遊び。まず「楽しい」からやるものだと思います。
目立ちたいのも有名になりたいのも、悪い事じゃー無いのです。変にキャラ愛!作品愛!ばかりを建前にするから胡散臭くなるので、正直に言っちゃえば良いのです。最近ではそれを「承認欲求」という言葉で呼ぶそうですが。
しかしコスプレを芸能活動(商業活動)にしようとすれば、商品を提供する側には何かしらの責任を負う訳で、「楽しい」だけでは済まなくなります。
ある人の言葉ですが、「若い時は『自分こそは!』みたいに突っ走ってしまうけど、他にちゃんと仕事を持って、好きな作品だけコスプレして、たまーに雑誌に取り上げられたり何か宣伝に協力させてもらえる位で、それが一番幸せじゃない?」 …深い。
自分がコスプレするにあたって、何が「楽しい」のか、考えてみると…どうでしょう。
つまり、だね。
「写真だけでなくダンスでもアクションでもその道のプロに並ぶレベルのスキルを身に付けて新しいコスプレ表現の形をつくろう!」って人達が居るのならば、彼らにとってはそれが「楽しい」コスプレの形なのだと思います。
(正直、僕はそんな彼らの純粋な情熱を見るのが好きです!)
「作品の素晴らしさを伝える為に演じています!」と言いつつ大して詳しくもない人気アニメのコスプレしまくってコネでちょっとだけ出演したショウやイベントばかりの「出演歴」や何やってんだか不明の「肩書き」をSNSのプロフ欄にズラズラと並べて女優サマやらコスプレ界のTOPランナーみてーな振る舞いしてる人達がもしも実在したとしたら、ご本人にとってそれが「楽しい」コスプレなのだろうと思います☆
(正直、僕はそんな彼女らのギラギラした野心も見るのが好きです!!)
× × × × × × × ×
[ 今回の要点 ]
・ 芸能活動において版権衣装は使えないので、キャラのイメージではなく、素の自分で競わないといけない。
・ コスプレは芸能活動においては付加要素なので、まずコスプレ以外のスキルを鍛えてなきゃダメ。
・ 日本は著作権者と隣接しているので、コスプレそのものを大々的にショウビジネス化(及び映像ソフト化)するには著作権の壁がある。
・ 日本はコンテンツ過多なので、コスプレをショウビジネス化すると、公式のミュージカルやヒーローショウやライブと競合する。
以上、過去の失敗例や構造的な難点を並べてみましたが、「でも、やる」と決めて、商業コスプレイヤーやコスプレを売りにしたタレントやアイドルを目指す人が居るなら、頑張れば良いと思います。
(それはここの筆者が、ジャーナリスト気取りとか批評家ぶってとか言われつつ、「でも、書く」と決めてるのと、同じようなものでしょうか…過去に論客と言われた人達がどんな自爆していったのかも、知っている上で…)
[ ついでに ]
あと、本当、気を付けて頂きたいのは、有名になりたい(他、お金の欲しい)系の女性コスプレイヤーが、「脱ぐ」選択肢を、安易に考えすぎじゃないのか?という事です。
現行、AVまで行かなくても、コスプレ界隈には俗に脱がせ屋みたいな人達も居ます。エロ系のコスプレROMを作ったり有料撮影会を行ったりして、悪く言えば素人のハダカでビジネスする人達です。言葉巧みに声をかけて来るその相手が、多数の撮影会を主催していようが、有名カメラマンを名乗ろうが、カリスマコスプレイヤーとヨイショされていようが、その目的の大半は“性の商品化”です。
ハダカをカネに変える行為は錬金術ではありません。ネット上に一度出回った画像は消滅しません。そのリスクは必ず、自分自身の後の人生に着いて回ります。
自分で調べて、自分で考えて、自分で決める。それが出来ない人が手を出すと…危険ですよ。
だから、過去の失敗を省みないで同じような事をやっちゃうから、墓標ばかり増えていくって言ってんだろ!(3回目)
※ 本ブログは数年前からゴーストライターにより執筆されています。
[あまり関連してない関連記事]
・ 東京ゲームショウとコスプレのカンケイ史1~見本市の中のファン活動
・ 東京ゲームショウとコスプレのカンケイ史2~そしてコスイベ化
【3年後の追記】
後に2016年5月放送「マツコ会議」で「プロのコスプレイヤーが集う謎のビル」というテーマがありましたが、この番組には相応の“演出”も入っているであろうという話は、本稿の3年後の記事をご覧ください。
・ マツコ会議“プロのコスプレイヤー”演出部分を考える、の巻
表現活動って楽しいと思うんですよ。
コスプレSNSで写真や動画を公開する、コスプレコンテストに参加する、コスプレイヤーを使ったショウに出演する…。
そこで声援や歓声を浴びたり、沢山のイイネを押される事もあるでしょう。
でもね、それはあくまで、元のキャラクターに対して送られてるものなんですよね。(重要!)
勿論2次元キャラを3次元に再現する技術やアレンジセンスの高さは評価されるべきものですが、観客はアナタではなく、アナタを通してキャラのイメージに対して盛り上がっている訳です。
それを、どこかで、自分自身の人気のように錯覚してしまう事は、往々にしてあると思います。
(いや、錯覚も勘違いもしてなくて、人前に立って表現する事の楽しさに目覚めた人もあるでしょうが、そういう人はコスプレと本職の芸能は分けて考えるから)
かくて、コスプレで演じる“キャラ”ではなく、コスプレした“自分”を売り出そうという試みは、大なり小なりいつの時代にも発生するものでして。
90年代の頃から度々、ゲーム会社の公式コスプレイヤーになったり芸能事務所に所属したりして芸能活動を始めるコスプレイヤーは数多くおりました。
(めろん・まろん・びとらのMMBも双子サラも、そっちの話になると長いので、名前以外の話はここじゃ出さない!)
アキバブームを経てオタク文化が一定の認知を得る2000年代以降の時代に至っては、事務所の方も「コスプレイヤー」である事をアピールして売り出そうとする例も多くなりました。
いや、ネット普及以降は、大きな事務所には所属せずに個人でアピールしてモデル活動やタレント活動をしようとしてるケースも多くあります。アキバ系タレントやインディーズアイドルと言われる人達には、現役コスプレイヤーであるケースが多かったですね。
で、だ。
コスプレを脇に置いといて本格的に歌や芝居の勉強をして芸能の道に進もうというのならば、そっちの道で活躍した人は何人もおりますよ。
でも、コスプレイヤーである事を前面に出して、それを売りに芸能活動しようとした人達というのは、瞬間的には突風が吹いても、あんまり継続的な成功した例を知りません。
何をもって成功/失敗と定義するかは難しいですが、少なくとも“コスプレイヤーを本職”のようにして、長期間に渡り芸能活動した人や全国区での人気を獲得した人は、日本国内にはほぼ存在しなかったと思います。
※ AVに出たりエロコスROM出したりした人は、ポルノとしての需要なので別とします。
[よくあるパターン]
コスプレイヤーである事を前面に押し出して芸能活動を始める。
↓
でも商業活動において版権キャラの衣装を使い続けるのは難しい。
↓
結局はキャラのイメージではなく、一人のタレントとして芝居なりスタイルなり歌唱力なりトークなりパフォーマンスなりコネクションなりで競わないといけない。
↓
既にプロとしての訓練を受けてきた他の本職のタレントやアイドルとの競争において、コスプレイヤーである事の優位性は、奇抜な衣裳以外には、特に無くなる。
↓
中途半端な位置になる。
↓
女性の場合は肌の露出度を増やしていって…。
× × × × × × × ×
直近の例だと、覚えてる方もまだ多いでしょうか。
2012年8月に大手レコード会社のソニーミュージックから「業界初のコスプレイヤー3人組アイドルユニット」みたいなキャッチでCDデビューしたグループ“パナシェ!”は、1年経たずに翌2013年4月に活動休止しますが、その3枚のCDジャケットを並べて見ると、コスプレイヤーである事が売りの筈なのに、ウィッグが無くなり、衣装の布面積が減っていくという、過去十数年くり返された失敗パターンを半年に凝縮したような、流れ星の如き。
(脱いでない!まだ脱いでないよ!でも元メンバーが一人、(悪)名高い露出系レイヤーのプロデュース下に入ったので…)
これは本人達の問題よりも、過去の例を研究せずに単に露骨なステマに走った、ソニーミュージックの運用の問題だと思います。
だいたいコスプレイヤーをアイドル化してCDデビューさせる企画だって「初!」ではなくって過去に何度かあった筈ですが、誰も長期的な成功をしてないので失敗例すら記憶に残らず、次の世代でまた二の舞と言いますか、二の轍を踏むと言いましょうか。くり返しでした。
過去の失敗を省みないで同じような事をやっちゃうから、墓標ばかり増えていくんだよ!(2回目)
(特に何の特長も売りもないアイドル気取りのコスプレイヤーがパンツ見せている例)
× × × × × × × ×
■ コスプレは芸能活動においては付加要素? ■
ハッキリ言うと、コスプレで押してもダメなんです。芸能活動においては、コスプレは本職+アルファの付加要素でしか無いんですもの。
コスプレイヤーである事を売りにする以前に、コスプレは脇に置いておいて、役者なり歌手なりダンサーなりお笑いなりトークなりの高い芸能スキル(+幸運)(+コネクション)を身に付けなきゃ、勝ち残れる訳が無いと思います。
コスプレイヤー出身のタレントで、ある程度の成功した例は、コスプレ以外に何かスキルを持ってた人なんです。
言い換えると、「コスプレイヤーの芸能活動は失敗する」と言うより、「コスプレ以外のスキルに乏しい人は失敗する」んじゃないかなー…。
ぶっちゃけ世間一般の消費者が求めているのは「コスプレイヤーがタレントやアイドルになる姿を見たい」ではなく、「タレントやアイドルがコスプレした姿を見たい」です。
だってコスプレイヤー見るよりも、アイドルがコスプレ姿を披露してくれた方が、世間一般には受けますでしょ?
CSフジテレビで日本初のコスプレ専門番組として始まったはずの「コスコスプレプレ」だって、いつの間にか声優やアイドルを呼んでコスプレさせるコーナーをメインにしていった事、ご存知でしょうか。
んで、壁にぶつかった時…。
女の子の場合はここで「脱ぐ」とゆー、コスプレとしては本末転倒な道が選択肢に入ってきます。
2000年代は電車男ブームと前後して、コスプレイヤー出身のアキバ系タレントやインディーズアイドルがメディアを駆け抜けましたが…有名になろうとして芸能活動始めた結果、いつの間にかAVに出てたコも非常に多くてですね…。でもAV女優としてデビューしてちゃんと成功に至ったのだって、きこうでんみさ嬢みたいな一握りじゃないかな。
現在はAVに出なくても自分でエロコスROM作って売った方が商業的には効率良いので、脱ぐコは最初から自主的に脱いじゃってますが。
※ でもポルノとしての需要は、コスプレイヤーとしての活動とは違うと思うので本稿では除外してるってば。
で現行、コスプレイヤーとして芸能活動をしている人達も日本国内に沢山おるのですが、それは“本職”ではありません。
他にちゃんとした収入を得る仕事を持っている(漫画家であったりキャンギャルであったり、ゲームメーカーやIT企業の広報担当だったり)人達が、本職のプロモーションの一環として、コスプレしてメディアに登場しているケースが殆どです。
私が考えるにメディアに登場する「コスプレタレント」的な枠で、長期的に最も成功したケースは綾川ゆんまおさんだと思うのですが、彼女とてレースクイーンやデザイナーの顔を持っていた上での、+アルファとしてのコスプレ要素だったと思います。ちょっと前だと一本木蛮さんがよく雑誌などに登場していましたが、本職は漫画家です。…乾さん?乾さんはスベり芸の人(あと何かSNS管理人)ですから。
ちょっと気になってるのがアキバ系アイドルユニット“でんぱ組.inc”、奇抜なウィッグを使ったりして確かにコスプレと近い所に立ってるんだけども、コスプレ要素よりもパフォーマンスに重きを置いた事でファン層を限定せず、成功している例だと思います。今後どうなるんでしょうか。
だからコスプレは芸能においては、他のスキルあっての、付加要素なんですよ…。
× × × × × × × ×
自分が演じた「キャラ」を見てもらうのがコスプレ。
コスプレした「自分」を見てもらうのが芸能活動。
…コスプレを見せたいのか、コスプレした自分を見せたいのか。似ているけれど混同しちゃダメなんですけどね。
芸能活動には特徴的で濃い顔が有利です。インパクトが有って覚えやすいですから。
コスプレイヤーは特徴の少ない薄い顔が有利です。凹凸の無い真っ平らなキャンバスみたいな物なので、いくらでも描き込めます。
そう考えると、他人に見せる前提で活動してる人達なのに、「何にでもなれる素体の存在」「確固としたオリジナリティある存在」で、求められる条件が逆なんですね。
以上、ちょっと寄り道。
× × × × × × × ×
■ 本場・日本だからこそコスプレイヤーが職業化できない? ■
地域にも依りますが、海外ではコスプレは趣味としてだけでなく、“ショウビジネス”としての色合いが強いそうです。「コスプレイヤー」そのものが、職業名として成立している地域もあるそうです。
コスプレのショウビジネス化・コスプレイヤーの職業化…というのは、つまりキャラの衣装で歌ったり踊ったり芝居したり、写真集を販売する事で相応の収入を得て“本職”となるコスプレイヤーの存在です。
(特に中国では、中華系キャラのコスプレで公演活動する人達には、文化事業として国から助成金が出てるそうな…)
でも、それは海外だからです。まず国境またいでの著作権の考えが緩く、そしてアニメの本場である日本から歌手や声優を呼ぶのはお金かかるので、代わりに、歌ったり踊ったり芝居をしている現地のコスプレイヤーがタレント化・アイドル化できたのだと思います。
そういった地域のイベントでは近年、国際交流として、日本の歌手や声優だけでなく、日本からコスプレイヤーをゲストとして(大使のような位置付けで)招待するケースもあります。失礼な言い方で恐縮ですが、日本国内ではフツーのコスプレイヤーの一人(と言っても相応の高いレベルの人です)が、外国にゲストで招待されると、アイドルみたいに扱われてビックリする例もあるそうな。
一方、上記の例を、“アニメ・マンガの本場”である筈の日本国内で(どんだけクオリティ高くても)「コスプレイヤー」が職業化できていない理由に言い換えると…本場・日本ならではの構造が見えてくるのではないでしょうか。
○ 日本は著作権者と隣接している。
権利者の視界に入る中で、特定作品を使った勝手なショウビジネスは大々的に出来ない。公式のミュージカルやヒーローショウと被る。
○ 日本は競合コンテンツが過多である。
予算使うならコスプレイヤーではなく、アニソン歌手や声優や原作者を呼べる環境であり、消費者もそちらを選択する。
著作権的な部分は言うに及ばず。この問題があるから、日本のコスプレイヤーは出演料などが発生する活動を「営利になっちゃダメ」とタブー視して忌避してきたのだと。現在行われているコスプレ関連のショウだって多くの場合は観覧無料ですし、映像ソフト化も無いです。
そして国内のどこかでオタク向けイベントやるとして、予算を使うならコスプレイヤー呼ぶよりも、声優なり歌手なり原作者なり呼んでトークやミニライブしてもらった方が、遥かに集客力あるでしょう。消費者の側だって、コスプレのショウ観覧にお金を出すなら、公式ミュージカルを観に行けるでしょう。コスプレイヤーにアニソン歌わせるよりも、アニソン歌手や声優にコスプレして歌ってほしいでしょう。
もしコスプレイヤー呼ぶ場合、特定の1,2人をタレント扱いで呼ぶよりも、バリエーションを売りにして…つまり単品ではなく数十人をまとめて、パッケージで招聘してショウにする運用形式になると思います。
現にそうなってますもの。あっちとかこっちとか。
(あ、中には権利者の許可を得てコスプレのショウを行っているケースもあります。でも、それはごく一部。権利元だって、正規に監修や契約にかかる労力の割にリターンが少ないそうなので、公式のビジネスに悪影響が出ないレベルには黙認状態です)
だから日本で「コスプレイヤー」が職業化できないのは、本人達の能力値だけの問題ではなく、上記のような構造的な理由があると、個人的には推測しておる訳です。
→日本のオタクは、アニメキャラの代用を声優やミュージカルに求めた。
→海外のオタクは、アニメキャラの代用をコスプレイヤーに求めた。
その代わりに、趣味に徹して活動しているコスプレ人口がものすごく厚いので、数万人規模のユーザーに向けたウィッグや衣装の販売、小道具の製作や、撮影スタジオ運営、名刺印刷などなど、「コスプレ関連ビジネス」の類はとてもとても盛んな訳ですねー!
× × × × × × × ×
■ 先の事を考える ■
未来は分かりません。
この先に大成功する人が出るかも分かりません。
でもその為には、今まで失敗してきたケースと理由も分かっておけば良いと思うので、このようなブログを反感覚悟で書いておきます。
ここ数年、コスプレイヤーがコスプレイヤーとして(タレントやアイドル扱いではなく、趣味人が生の声を発する立場として)各メディアに登場したり、あるいはメーカーの公式グッズの販促プロモーションやキャンペーンなどで使われるケースも増えてきました。
まー、コスプレを広告塔として使うのはゲームショウ出展メーカーなどで昔から有る手法ですが、昔は個人のツテが頼りだったのが、これを間に入って、企業やイベンターに対してコスプレイヤーを紹介する“仲介ビジネス”的な事も盛んに行われてきています。
例えばコスプレサイトCureはSNSであると同時に、様々なメディアへコスプレイヤーを載せていく巨大な芸能プロダクションのような存在でもあります。
また先日NHKの討論番組に出演した(株)ONIGIRIも、「公式との連携」を謳い、メーカーのプロモーションなどにレイヤーを紹介しています。各地のイベンターにもそういった「コスプレイヤーを使いたい」相談は来るそうです。他にも例は沢山あるけど、割愛。
悪い事では全くありません。
報酬は無しか交通費+アルファで、これだけではとても本職の芸能活動と呼べるレベルではなく、ファン活動の延長といった感じですが、コスプレイヤーは基本的に衣装もメイクも自前で用意してしまう訳で、つまりメーカーやTV局にとってのコスプレイヤーは、良く言えば「利益は度外視で協力してくれる人達」、悪く言えば「安く使えるタレント」として、お互いにメリットがあると思います。
(プロのモデル雇って本格的なコスプレさせようとすると、衣装製作の方で高く付いちゃうので、衣装や小道具を自前で持ってるだけでも大きい…)
× × × × × × × ×
で、こういった活動をステップに、多分いま、日本国内でも海外に倣えとばかり、前項で挙げたような本職の“商業コスプレイヤー”を作ろうとする動きも(一部では)盛んですね。
2009年以降、世界コスプレサミットの日本代表選考会が「パフォーマンス重視」の選考にシフトしたのも、Cureが「動くコスプレ」を掲げてファッションショウを開催するようになったのも、この流れの中にあると見ます。
でも、本格的にタレントやアイドルのような芸能活動へ行こうとすると…ハイ、このページの冒頭へ戻る…んじゃないかしら?
コスプレイヤー出身で芸能で成功できるのは、コスプレ以外の高いスキルを持っている人だけですし、コスプレそのものを有料ショウビジネスに押し上げるのは、日本では壁が高い…。
× × × × × × × ×
シメに入る。
キャラになってみたい、友達と盛り上がりたい、沢山の人に見てもらいたい、目立ちたい、優れた写真を作りたい、お祭り騒ぎしたい、有名になりたい、チヤホヤされたい、タレントになりたい、ビジネスにしたい…色んな思惑があると思いますが、プレイ=遊び。まず「楽しい」からやるものだと思います。
目立ちたいのも有名になりたいのも、悪い事じゃー無いのです。変にキャラ愛!作品愛!ばかりを建前にするから胡散臭くなるので、正直に言っちゃえば良いのです。最近ではそれを「承認欲求」という言葉で呼ぶそうですが。
しかしコスプレを芸能活動(商業活動)にしようとすれば、商品を提供する側には何かしらの責任を負う訳で、「楽しい」だけでは済まなくなります。
ある人の言葉ですが、「若い時は『自分こそは!』みたいに突っ走ってしまうけど、他にちゃんと仕事を持って、好きな作品だけコスプレして、たまーに雑誌に取り上げられたり何か宣伝に協力させてもらえる位で、それが一番幸せじゃない?」 …深い。
自分がコスプレするにあたって、何が「楽しい」のか、考えてみると…どうでしょう。
つまり、だね。
「写真だけでなくダンスでもアクションでもその道のプロに並ぶレベルのスキルを身に付けて新しいコスプレ表現の形をつくろう!」って人達が居るのならば、彼らにとってはそれが「楽しい」コスプレの形なのだと思います。
(正直、僕はそんな彼らの純粋な情熱を見るのが好きです!)
「作品の素晴らしさを伝える為に演じています!」と言いつつ大して詳しくもない人気アニメのコスプレしまくってコネでちょっとだけ出演したショウやイベントばかりの「出演歴」や何やってんだか不明の「肩書き」をSNSのプロフ欄にズラズラと並べて女優サマやらコスプレ界のTOPランナーみてーな振る舞いしてる人達がもしも実在したとしたら、ご本人にとってそれが「楽しい」コスプレなのだろうと思います☆
(正直、僕はそんな彼女らのギラギラした野心も見るのが好きです!!)
× × × × × × × ×
[ 今回の要点 ]
・ 芸能活動において版権衣装は使えないので、キャラのイメージではなく、素の自分で競わないといけない。
・ コスプレは芸能活動においては付加要素なので、まずコスプレ以外のスキルを鍛えてなきゃダメ。
・ 日本は著作権者と隣接しているので、コスプレそのものを大々的にショウビジネス化(及び映像ソフト化)するには著作権の壁がある。
・ 日本はコンテンツ過多なので、コスプレをショウビジネス化すると、公式のミュージカルやヒーローショウやライブと競合する。
以上、過去の失敗例や構造的な難点を並べてみましたが、「でも、やる」と決めて、商業コスプレイヤーやコスプレを売りにしたタレントやアイドルを目指す人が居るなら、頑張れば良いと思います。
(それはここの筆者が、ジャーナリスト気取りとか批評家ぶってとか言われつつ、「でも、書く」と決めてるのと、同じようなものでしょうか…過去に論客と言われた人達がどんな自爆していったのかも、知っている上で…)
[ ついでに ]
あと、本当、気を付けて頂きたいのは、有名になりたい(他、お金の欲しい)系の女性コスプレイヤーが、「脱ぐ」選択肢を、安易に考えすぎじゃないのか?という事です。
現行、AVまで行かなくても、コスプレ界隈には俗に脱がせ屋みたいな人達も居ます。エロ系のコスプレROMを作ったり有料撮影会を行ったりして、悪く言えば素人のハダカでビジネスする人達です。言葉巧みに声をかけて来るその相手が、多数の撮影会を主催していようが、有名カメラマンを名乗ろうが、カリスマコスプレイヤーとヨイショされていようが、その目的の大半は“性の商品化”です。
ハダカをカネに変える行為は錬金術ではありません。ネット上に一度出回った画像は消滅しません。そのリスクは必ず、自分自身の後の人生に着いて回ります。
自分で調べて、自分で考えて、自分で決める。それが出来ない人が手を出すと…危険ですよ。
だから、過去の失敗を省みないで同じような事をやっちゃうから、墓標ばかり増えていくって言ってんだろ!(3回目)
※ 本ブログは数年前からゴーストライターにより執筆されています。
[あまり関連してない関連記事]
・ 東京ゲームショウとコスプレのカンケイ史1~見本市の中のファン活動
・ 東京ゲームショウとコスプレのカンケイ史2~そしてコスイベ化
【3年後の追記】
後に2016年5月放送「マツコ会議」で「プロのコスプレイヤーが集う謎のビル」というテーマがありましたが、この番組には相応の“演出”も入っているであろうという話は、本稿の3年後の記事をご覧ください。
・ マツコ会議“プロのコスプレイヤー”演出部分を考える、の巻
でお願いします。