間が空いちゃったよ!
 コスサミのコミケSP予選に時間をとられておりましたが、「描写が細か過ぎてコスプレイヤー以外の一般的モーニング読者層に今イチ伝わってなさそうで勿体ないから、レイヤー視点から勝手に解説」シリーズ、3月掲載分から行きます!
 この後の池袋イベント編はネタが多いので次回に分けます。

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【39話】
 結婚を機にコスプレ引退をつぶやいた公子に、ちゃんと向き合う事を決めた渚は、早速電話する。
 「ダンナにあいさつさせなさいよ!!」と半ば強引に仙台へと向かった。
 既に同居している夫の春太は良い人で、公子も世話を焼きながら幸せそうだった。
仙台駅
■「仙台(こっち)何も無いよ」
 仙台が…って意味じゃ無くって、コスプレ的には何も無いって意味じゃないかな?な?
 実際、東北・北海道ではあまり大型のコスプレイベントがありません。
 人口密集率が低いですし、冬期は11月下旬~3月上旬まで屋外の遊園地やテーマパークの類がみんな閉園するからです。
 屋内で開催される同人誌即売会やクラブ系イベントも、雪のシーズンには減ります。
 代わりに雪ロケや自然ロケがやりやすいという利点もありますが…
(同じ理由で、みちのくプロレスは冬期は地元で興行が打てず、関東や西日本への遠征を「出稼ぎシリーズ」と銘打っていた)
 なお、オタクスポットで見れば、仙台駅前にはとらのあながあり、伊達政宗像は戦国系レイヤーの巡礼地でもあります。

■今週のnyao猫のロゴ
 公子の車(撮影旅行編でも登場していたダイハツのムーヴコンテ?)の助手席の後ろにあるティッシュケースの柄&春太の抱き枕カバーとして登場。

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【40話】
 勇気を出して公子に聞く、「どうしてやめるの?…コスプレ」
 結婚を機にコスプレイヤーは引退し、でもカメラマンに集中してイベント参加は続ける気持ちを伝えた公子。
 「中途半端は絶対嫌。イベント自体には顔出すけど、撮る側に徹する」
 …公子の決意を聞いて安堵する渚だった、が…

■ PENTAX 
 公子が愛用している、現リコー社(旧ペンタックスを紆余曲折の末に買収)の展開するカメラのブランド名。内視鏡や天体望遠鏡も手がけている。
 一眼レフ系にフルサイズのセンサー搭載機種が存在せず、交換レンズなどの種類が少ないので(ただしアナログ時代の古いレンズもマウント規格が続いてるのでそのまま使える)プロや超ハイエンドユーザーには物足りないとされる反面、価格帯が若干低めで静物や暗所での撮影に強いという特長を持つらしいので、コスプレ撮影では愛好者も多い。

http://www.cosp.jp/camera_list.aspx
 と言ってもアーカイブの撮影機材ページを見ると強いのはやはりキャノンとニコンで、第三勢力がペンタ。
 ちょっと変わってる、通な人が持ってるイメージ。
(日本のデジタル一眼レフ勢力から考えるとキャノンとニコンで実にシェア90%を占めるので、むしろコスプレ方面ではペンタはかなり健闘しているのである!)

 公子の使っているK-50は2013年発売、レンズは「Kマウント」シリーズ。
 どちらかと言えばエントリーモデルで、ダブルズームキットで現在の実価格は5万円を切る。
 防塵・防水仕様とバッテリーが単三電池なのが特長で、これはどんな田舎の町にも売ってる電池なので、遠征ロケ中にバッテリー切れで撮れなくなる心配が少ないのである。

 余談ながら、ここ書いてる人はカシオのコンパクトデジカメ愛好者で、時計や計算機メーカーだけあって(?)起動と撮影後の処理が非常に早く、そしてバッテリーが驚異的に長持ちするので旅行にも便利。写真そのものにはあまり特徴が無いけれども、フィルタ機能が充実しているので楽しい。
 なぜ一眼ではなくコンデジなのかというと、着ぐるみレイヤーなのでいつもグローブ着用で片手操作するからです。

■「苦しいのもひっくるめてわたしは今が一番だよ」
 始めたばかりの綾と志保に高校時代の自分達を重ねて「2人とも周りに目新しいものばっかりで今が一番楽しそう」「戻りたいって…思う?」と聞いてきた公子に、渚はこう言い切るんですよ。
 完コス派レイヤーは時に周囲から「なんでそこまで…」みたいに見られるんだけど、苦しさの向こうの楽しさを知っているからであって…アスリートみたいだな。

■萩の月
 仙台銘菓。各自治体の条例により、東北土産としての購入が義務付けられている。
 製菓会社の菓匠三全が1979年より販売。意外にも歴史的にはガンダムシリーズと同程度である。
 宮城県内では通貨としても使用できる。

■「おかしいと思てたんですよ。あなたみたいな見た目フツーの人が凪さんと一緒にいるの」
 回想シーン内のTDCイベント(33話参照)で、メンヘラ女りうが公子へ放った謹言!
 「貴女にはカメラマンとしての価値しかない」って意味ですよ!
 りうは…こうでなくっちゃ!!
 自分はどれだけ頑張ってもコスプレでは渚の後ろしか歩けない事を、公子がハッキリ思い知った一言ですよ!

■本当に好きだから、私はいま、手を放す。さよなら、コスプレイヤー・馬場公子
 空に向けた指でフレームを切る公子の目に浮かんだ涙…ラストシーンに浮かんだこのフレーズが!泣かせる…
(おそらく担当編集者の方が書いてらっしゃる。単行本ではコレ無くなると思う)
 完璧すぎる渚にはどうしても及ばない自分を、りうからズバリ看破されてしまい、この一件については渚に伝えられなかった公子と、でも公子がコスプレイヤーとしての自身には限界を感じていた事に薄々気づいていた渚。
 この漫画の登場人物たちはみんな、「好き」で始めた筈の世界で、何かにコンプレックスを抱きながら、それでも自分の居場所を見つけようとしてるんだなぁ…。

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 結婚や加齢を機にレイヤーをやめて、カメ娘に専念する女性は多いと思いまして。
 元々カメラは男性に多い趣味なのだけれども、男性カメラマンが撮りたがるのはセクシーな衣装やフリフリのカワイイ衣装に集中するので、必ずしもレイヤー側との需要と供給が合致しません。
 特に男装メインの人(♀)はカメラマン(♂)に相手にされないですし、またBLシーンの撮影などは男性カメラマンよりも女性カメラマンが撮った方がどうしても雰囲気が出やすいので、女性グループ内の誰か(♀)がカメラ担当を続ける内に覚醒。着るよりも撮る方にシフト。
 女性カメラマンはレイヤー出身が殆どなので、衣装製作やメイクなんかも含めてトータルで見る事が出来ます。
 そして本格的なカメ娘を、あるいは写真家やフォトグラファーを目指す…という例が多々あります。
 完コスには年齢の壁が出てくるけど、カメラに年齢の壁は殆どありませんから。

 その他、レイヤーをやめて衣装製作に回る人も多いですね。回りに着てくれる人が居ないと、さらにドーラー趣味を併発するケースもあります。
 ンな事を言いながら、1,2年するとレイヤーに復帰しちゃう人も多いんですけどね…

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【41話】
 公子の決意を聞き、東京に帰って再び日常が始まる。
 相変わらず無表情な課長・長谷に誘われ、葉山との3人での会食を持ちかけられた。
 イベント会社に再就職していた葉山だが、その変わってしまった姿を見て、思わず噴き出した長谷であった。

■「年をとらないとしっくりこないキャラだっているのよね」
 この葉山の悟ったシーンで出てくる幾つかのコスプレに、ラブライブのほのかと、世界樹の迷宮シリーズのダークハンターがいる事までは分かった。
 さて。
 葉山さんはド正論です!
 しかし、この当たり前の事がなかなか、レイヤーは分かっていても実行できません!
 トシとったらババアのキャラをやればそりゃーサマになりますが、同時にそれは、自分の加齢(アイドルや魔法少女は出来ない)を認めなくてはならないからです。
 だって…じゃあ三十路になったからって即、ドモホルンリンクル使える?なんか自分がババアだって認めた事になるじゃん?

■「嫌な事は常につきまとうけど、そんなもの今出来る“楽しい”で埋めちゃえばいいのよね」
 葉山さんはド正論です!(2回目)
 これは前回の公子の「中途半端は絶対嫌」と、渚にはクオリティで及ばない事をりうに指摘された件と、対になる話な気がします。
 この“楽しい”をどこに置くかで(好きなキャラになりたい/違う自分になりたい/誰かに認められたい/自分が納得したいetc)、人によって関わり方が違う訳ですが…。

 そして葉山は食事の進まない渚に気づいて、気分転換に自分の手伝っている池袋のイベントを紹介し…。


※このブログも(本作の記事以外でも)毎度資料集めや文章まとまらなかったりなど「苦しい」と感じながら、でも読んでくれてる人がいると「楽しい」のです…。



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