声に出して読んだら恥ずかしい日本語の1位は、「クールジャパン」「アベノミクス」のどちらだろうかと2,3年くらい悩んでます!
 今回このテンションなので最初に断っておきます。


 いやね、ホラ、アタシ、世界コスプレサミットのチャンピオンシップ取材時に、ちゃんとプレス枠で毎年登録してる関係で、コスサミ関連のプレスリリース送ってもらえるんですよ。
 んで、「今年からコスサミ運営会社の(株)WCSは、(株)パソナグループと資本・業務提携したんで、貴社メディアでも是非取り上げてください」ってメールが送られて来てたので、じゃー取り上げましょう。

 悪い意味で。
 メディアがケツ舐めに走ったら終わりですから!

 とは言え、毎年毎年、コスサミの国内予選にも出場してる訳ですし、世話になってる人もいる訳ですから、角の立たないように、言葉を選ばなくてはなりません…






 しゃらくさいわっ!!
 だって、資本・業務提携って、パソナとですよ。パソナ。人材派遣会社のパソナ。
 竹中平蔵氏が特別顧問→会長やってる、あのパソナ。
 コスサミを運営する(株)WCSは増資した株式を(株)パソナに売って、経営への参加権を与えたって事ですよね。
 あ、おさらいしますが、世界コスプレサミットは元はテレビ愛知の番組企画で、それが巨大化し過ぎて持てあましたため、2013年から運営権の受け皿となった新会社が、(株)WCS。元テレビ愛知のスタッフが多いので、実はコスプレには疎いのです。

 持ち上げる記事は余所がやってるから、こっちは全力で色メガネで物を見て、悪い方へ悪い方へ解釈しますから!公平性?無ーよ。
 もうね、高市早苗大臣だったら「公平性を欠くので放送免許停止じゃゴルァー!」って叫びながらマサカリ振り回してアンテナケーブルぶった切るレベルだからね。でも既に政府にケツの毛まで抜かれてるNHKとフジテレビは一切報道しないからね。
 何の話だっけ。

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 3つの過剰。バブル崩壊後の長期不況の中、設備/雇用/債務の過剰。この解消が、小泉政権の大きなテーマでした。
 やらなくていい「グローバル化」のお題目の下、積極的に非正規雇用を拡大させ、ついに製造業への労働者派遣まで解禁されてしまったのは2004年。
 本来だったら雇用の受け皿となるべき製造業が、その機能を失っていったのです。
 この時、経財大臣・金融大臣の肩書きで旗を振ったのが竹中平蔵氏。後にパソナの特別顧問を経て、パソナ会長に納まります。
 労働者の非正規雇用化を推進、人件費を下げて、見せかけだけの景気回復を演出した功労者ですね。
 実際、2005年度の経済財政白書において竹中平蔵は、先に挙げた「3つの過剰」が解消され、「バブル後と呼ばれた時期を確実に抜け出した」という表現を用いています。

 しかしながら、「グローバル化」と称し、欧米を模して導入した筈の日本の派遣制度には、わざと制度に穴が開けてありまして、派遣労働者への賃金の中抜きは、米国なら10数%ですが、日本では平均30%超がマージンとして、仲介業者に抜かれていきました。
 働いても働いても豊かにはなれない社会を、小泉純ちゃんと一緒になって築いてくれた人物です。
 それが退任後に、最大手の人材派遣会社であるパソナの会長に収まってるなんて、悪い冗談にもなりゃしません。
 弱者切り捨て、特権階級による特権階級のための政治を、まさに体現した出来事ですね。

 結局、この時にボロボロにされた労働と社会保障の再構築に、その後の歴代政権が労力を割かれるのは、また別の話。


パソナグループが世界コスプレサミット運営のWCSに出資 コスプレやインバウンドで協業-アニメアニメビズ

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 そんなパソナが、何でまたコスプレに接点を…
 「コスプレを通じて日本に興味を持ったグローバル人材の就職支援や、パソナグループが推進する地域活性化事業においてコスプレを活かしたインバウンド事業の分野で協業してまいります」
 ですって。
 ふーん…。

 スンナリ受け止めればまず、日本に興味と憧れを持ってくれた海外のオタクたちを、低賃金の安ーい労働者として輸入する、の意味でしょうか?
 やりそうな事ですね。

 あともう一つ、重要な事を書きますね。
 具体的な情報は出てませんから、推論ですから。
 いまクールジャパン推進だ、ポップカルチャーを広めるだと言われて、日本文化発信イベントってのが世界中で起こっております。
 そこにですね、日本人コスプレイヤーが呼ばれる訳ですよ。「アニメの本場・日本から来たカリスマコスプレイヤー!」みたいな文句で。
 逆に外国人レイヤーが日本国内イベントにゲストとして呼ばれてるケースもありますね。

 そりゃーレイヤーなんて、声優やアニソン歌手やアニメ監督に比べたら、ギャラも安くてスケジュール的にも呼びやすいよね。
 中には趣味の世界だからとノーギャラでやってたり、本業モデルや俳優なのに善意から交通費程度でやってたりするコスプレイヤーもいる訳ですよ。
 「有名になりたい…あわよくばタレントになりたい…!」みたいに自己顕示欲こじらせちゃったレイヤーなんて、恰好のカモですね。

 だから、ブローカーみたいな人達が、こぞってコスプレイヤーを使いたがります。
 “安く使えるタレント”として。
 だって、人によっちゃタダ同然で使えて、発生した紹介仲介料はマルッと間の業者に入っちゃう訳だもん。オイシイよね!そりゃー色んな企業や団体が、よく分からない肩書きをブラ下げて、国内外へのコスプレイヤーの紹介・仲介ビジネスやりたがりますよ。
 そう考えれば、人材派遣業で最大手のパソナだって、こっちに進出したがる理由も分かりますね。

 でもね、こういったクールジャパン系イベントって、海外でも日本の外務省や経産省の外郭団体が動いてたり、国内の場合は自治体から助成金を出してたりするんですよ。
 その原資は何かって言ったら、税金じゃないですか。
 つまり、我々の払った税金が、回り回って、カリスマコスプレイヤー(無職)や、それらを紹介・仲介する業者に落ちてるという構造があるので、国民はもっと怒って良いでしょう。
 いずれ第二のムネオハウス事件に発展するような気がします。

※ これらのクールジャパン系イベントで日本文化に触れ、興味を持ってくれる海外の人達だって本当に存在するので、無意味とは思いません。
※ なお世界コスプレサミットですが、名古屋市から公共の場所を使わせてもらったり、外務省後援という看板を使わせてもらったりしてるものの、直接に行政からの資 金的バックアップは受けていないみたいです。
…が、各国で代表を決める予選会は、各国のクールジャパン系イベント内で行われてるケースが多いので、また 別。

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 もうちょっと真面目な話しちゃうと、コスサミとパソナが組んでクールジャパン系イベントの利権を狙おうと、知ったこっちゃ無いですが、本当に気になってるのは、コスサミって昨年、SNSのコスプレイヤーズアーカイブと経営統合してるんですよね。
 形式上では(株)カイブが、2015年4月1日付で、(株)WCSの子会社になってます。
 つまり(株)WCSは(株)パソナと資本・業務提携して、そのグループ内に既にカイブがある…。

 経営統合への経緯はコスサミ側から持ちかけられた話だったと、カイブニュースの2015年末座談会で吉田社長が語ってますね。
http://www.cosp.jp/news.aspx?id=388&p=6

 さて個人的に気になってるのは…レイヤーと撮影者含めて40万人以上の登録と個人情報を持ってるカイブが、親会社の(株)WCSに資本・業務提携したパソナから、今後は何らかの干渉を受けるのか?って事。
 まさかね。
 まさか、ね?
 (株)WCSとパソナの本当の目的って、こっちだったりしないよね…。
 個人情報を多く扱うSNS運営会社の上に、いつの間にか人材派遣会社が乗っかってくるなんてのは、嫌な予感がしてなりません。あくまで予感ですけど。

 ここはカイブ側はユーザーを護るために、仮に何かの要求があっても、毅然として対応していただかないといけません…!
 右肩上がりながらそろそろ頭打ちが見えてきた国内コスプレ市場だけでなく、海外の市場を視野に入れたいとか、他業種やメディアと組んでビジネスを広げたいとか、そりゃー企業としては当然の判断ですよ。
 でも、もしもですが、SNSが一部の特権階級や大人の事情を重んじて、末端のユーザーを軽んじてしまうと、どんな事になってしまうかってのは、それを積極的にやってしまった別の老舗コスプレSNSが、既に証明してくれたでしょう。

 大丈夫だろうとは思うけれども、昨今のコスプレの世界に、コスプレを愛していない人達が積極的に関わって来ようとしてるのも事実で、かつ多くの企業や行政が絡む世界コスプレサミットがその媒介となってる事も事実なので。


 以上、盛大な色メガネで物を見てみました!!
 色メガネですから、あえて悪い方に悪い方に解釈しています。
 今後、僕にプレスリリース送っても、褒めないどころかこんな風に書かれてしまうので、気をつけていただきたいです。


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【コラム】悪のスクラム!アーカイブ×世界コスプレサミット経営統合へ-コスプレイヤーズアーカイブニュース
(2015年4月の記事)