ハイ、コスプレ関連の出来事を、ちゃんと根拠や経緯から調べていくいつものアレです。長文8000文字。
 特にTV番組でのコミケやコスプレの扱いは逐次チェックしておりますのでここ10年くらいの変遷もわかりますが、最近はオタク文化そのものに対して〝叩くのではなく、持ち上げようとしてナナメ方向へ突き抜ける
〟という扱いの傾向が強まってると感じておりまして、残念ながらその中で起きている事象が今回のテーマです。

※本文中、敬称として「さん」ではなく「嬢」を用いているのは、ひらがなが連続すると可読性が下がるためで、深い意味はありません。
※本件に絡んで日テレ・TBSなどの他の報道姿勢へ言及する意図はないので、関係ない事への批判は含みません。
追記:書いてる人が着ぐるみレイヤーなので、正直、どうしてもフラットな視点では書けていないという事をあらかじめ申し上げます。


 最初に、私は普段からコスプレ村の閉鎖性って好きじゃないので価値観の多様化には寛容であるべきだろうと考えています。
 だから、えなこ嬢を始めとする〝プロコスプレイヤー〟が仕事としてコスプレするのもタレント活動するのも何ら構わないと思います。よそはよそ。
 「好き嫌い」「良い悪い」は別に考えます。
 TV・雑誌・ネットニュースといった外側のメディアがコスプレイヤーを扱う際には、キャラに似てるとか衣装スゴイとかじゃなくって、カワイイ・エロイでしか見てくれない…なんてのは今に始まったこと話じゃございません。
 求められてるのって結局、コスプレという建前での〝着エロ〟です。
 需要に沿って供給があるのですから。

 ただし。
 個人としての応援ならいざ知らず、各メディアが彼女を「日本一のコスプレイヤー」「コスプレの頂点」「憧れるコスプレイヤー急増中!」として持ち上げまくる現状は、ハッキリ言って偏りと誇大広告が過ぎるので、おかしいでしょう。
 他のコスプレイヤーはえなこ嬢より下の存在ではなく、憧れの対象とは違います。
 大半のコスプレイヤーはお金やタレント化を目的に活動している訳でもありません。基本は愛する作品やキャラクターへのファン活動や交流が目的ですから。
 コスプレイヤーって協会みたいな業界団体とか存在しませんから、昔からおかしな肩書きが咎められずに横行してる世界でもあります…が、これらの誇大なフレーズは、えなこ嬢ご本人が言い出したのではないという事はまず申し上げておきます。
 持ち上げるメディアの側で、誤解を招く表現や嘘が既成事実化しているのです。
 見えてきたのはメディアの無理解と欺瞞です。
田園風景横長青空
 以降、泥臭い話が続くので、その前に日本の美しい田園風景をお届けします。
  
[1]メディアが根拠薄弱のまま「日本一のコスプレイヤー」を作り上げるまで

 …えなこ嬢の経歴には、大きなコスプレコンテストで受賞した例などは無いんですね。
 エロではないちゃんとしたコスプレ専門誌やコスプレSNSが積極的に彼女を取り上げていた訳でもありません。
(コスモード別冊の2017ハロウィン雑誌のみ掲載)
 ウィキペディアの彼女の項目は熱心なファンの方が編集を重ねてしまい、出演歴の欄に毎年の世界コスプレサミット出演と書かれてる変な表記になってますが、コスサミは彼女が他の数千人のレイヤーと同じように自費で参加して写真撮影に応じたり名刺配ってただけなので「出演」ではありません。
(地元TV局のバラエティ番組が2017年度のコスサミ内でロケした際にゲスト出演してるものの、コスサミ側の公式プログラムではない)

 TBS『有吉ジャポン』『サンデー・ジャポン』では「えなこに憧れるコスプレイヤー急増!」とありましたが、これはコミケ内で彼女の撮影列(大半は私服男性でした)に来ていた数名のレイヤーの子にだけ取材したコメントをつないだのであって、そりゃ中にはそんな人も居るでしょうけれども(取材された人は個人の感想を言っただけなので悪くないですよ!)、えなこ嬢が積極的にメディア出演するようになったこの2年くらいの間に、コミケのコスプレ登録数は10%以上は減ってます。
 レイヤーの減少は因果関係ではなく相関関係でしょうが、少なくとも「えなこに憧れるコスプレイヤー急増!」は誇張が過ぎます。
コミケコスプレ登録数2017冬
※コミケのサークル申込数とコスプレ更衣室登録数と推移。〝プロコスプレイヤー
〟という記号が各メディアで喧伝されるようになった2016年頃から、実は減少に転じている。

 また同番組内で「撮影会に500人!」として紹介された映像は、やはりコミケのコスプレエリア内での囲み撮影の光景なので、彼女の個人撮影会に500人も来ていた訳ではありません。

× × × × × 

 申し訳ないですが、えなこ嬢、ROMが売れててもTVに出てても、一般的なコスプレイヤー層からはほとんど知られてないんですね。
 彼女がTVに出演するたび、コスプレイヤーから多い反応は「誰?」「知らない」「何がすごいの?」といった懐疑的なものであって、無名(もしくは悪名)の存在な訳です。

 実はこの「日本一のコスプレイヤー」のフレーズ、元は週刊ヤングジャンプでの彼女のグラビア掲載時のキャッチフレーズ「日本一かわいすぎるコスプレイヤー」と書かれたのが発端です。
 それ以前のネットニュース(オリコンニュース)にも「日本一との呼び声も~」など書かれた事もありますが散発的かつ断定表記ではないので、ネット以外に大手メディアではここが初出かと。
 つまり何かの権威あるコスプレ専門誌やコスプレコンテストによって認められたものではありません
 2017年、えなこ嬢は3回ヤングジャンプにグラビア掲載されましたが、2回目からは表紙扱いに昇格し、11月発売の3回目に表紙からこのフレーズが登場します。
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 寄り道ですが、なぜ「日本一かわいいコスプレイヤー」にしなかったかといえば、先に御伽ねこむ嬢の方を「日本一かわいいコスプレイヤー」として売り出してたものの、いきなり藤島康介先生との結婚と妊娠を発表して休業してしまったんですね。
 御伽ねこむ嬢はえなこ嬢よりも年下ですが、2013年に集英社の週刊プレイボーイに取材されたコミケでの写真が「アキバ系男子が選ぶ美少女コスプレイヤー総選挙」アンケート投票で優勝。週刊プレイボーイ・ヤングジャンプへのグラビア掲載、そしてホリプロと契約。一時期すごく売り出しがかかっておりましたが、2016年夏に産休となりまして。
 ヤングジャンプとしては御伽ねこむ嬢と被らないフレーズを考えた結果、えなこ嬢に対しては「日本一かわいすぎる」という、よりインフレ表現になったのであろうと推測します。

【時系列】
週刊ヤングジャンプのグラビア用のキャッチフレーズに「日本一かわいすぎるコスプレイヤー」と表記(11月)
 ↓
これが男性向けの雑誌やネットニュースでも使われるうちに「日本一のコスプレイヤー」として簡略化。
オリコンニュースでは冬コミ企業ブースで販売されたえなこ嬢の下着姿の抱き枕のニュースで久しぶりにこのフレーズが登場。ヤフーニュースにも配信(12月)
 ↓
日テレ『ダウンタウンDX』でゲスト出演でも同様の紹介(2/15放送)
TBS『有吉ジャポン』が冬コミを評論情報系同人誌・エロ系ROMサークル・えなこ嬢とその囲み撮影…という何だか偏った部分を取材して深夜枠で特集(2/23放送)
 ↓
同じくTBSの兄弟番組『サンデー・ジャポン』でゲスト出演のえなこ嬢の紹介用に上記と同じVTRを使い回したので、一応はニュース番組扱いとなっているサンジャポ内で「日本一のコスプレイヤー」「コスプレ界の頂点」「えなこに憧れるコスプレイヤー急増」とテロップ(3/4放送)
 ↓
メディア横断で既成事実化されつつある状態。

 …。
 気づかれたでしょうか?普段からコスプレを扱ってるようなメディアは一連の輪にはまったく絡んでおりません。
 いやゴージャス松野騒動の頃からサンジャポ見てるプロレスファンだからいいかげんなの知ってますけど、これは…。2015年8月の御伽ねこむ嬢ゲストの時はそんなに持ち上げてなかったのに…。
 だいたい元がグラビアのキャッチフレーズなのでそりゃハッタリ連呼が当たり前ですけど、それが他のメディアに回るうちに増幅されて、さらにTVで一応はニュース番組(?)が検証なしで持ち上げてしまうのは伝言ゲーム以下でしょう。

 …と書くと「でも日本一稼いでるコスプレイヤーだろ」「日本一フォロワーが多いコスプレイヤーだ」などご意見あるでしょうから、ならばせめてそう客観的に証明できる表記にするべきで、注釈がいるような「日本一のコスプレイヤー」というアバウトかつ誇大なフレーズを使うのはおかしいでしょう。
 コスプレはメディアで切り取られているようなカワイイ・エロイ以外にも男装や甲冑や筋肉や着ぐるみやネタ系まで多様な表現が存在するのであって、稼いだ金額やフォロワー数なんてのも外側の価値感の一つに過ぎません。

 他のコスプレイヤーが下に見られてしまうような誤解を与えるフレーズをメディアが使うのは、不誠実です。
 繰り返しますが、えなこ嬢ご本人が言い出したのではなく、彼女を推すメディア側による誇大広告であり、嘘です。


[2]じゃ、普通のコスプレイヤーって何してるの?

 半裸のお嬢さんがグラビアっぽいポーズをとってカメラに囲まれて、自分のROMやプロマイドや仕事募集の宣伝してる……みたいなイメージがやはり強いんじゃないでしょうか。
 意外に感じられるかもしれませんが…国内コスプレSNSの最盛期の登録数が十数万人なんですけど、コスプレROMサークルってコミケと同日のコスホリ合わせても1000サークル程度なので、ROM出してる人ってレイヤー全体の1%程度なんです。
 コスプレイベントで多いのってここ数年のトレンドは「進撃の巨人」「おそ松さん」「刀剣乱舞」「あんさんぶるすたーず」とかで、ここに「ラブライブ」「アイドルマスター」なんかも割って入ります。
 つまりコスプレって、女性による男装が過半数です。何となく、宝塚的な空気があります。
 承認欲求が強い傾向は否定しませんが、お金稼ぐとか自分自身がタレントになりたいって理由で活動してる訳じゃないんですね。
 基本的には自分の体を使った同人誌・ファンアートとして行われるのが主流です(オリジナルの場合は自分で設定やデザインを練って作ります)。
 だから同人誌と同じで、売れる売れないはあっても、日本一の同人作家とか無いでしょう。同じ。

 意外?
 だってそーゆーコスプレの実態って、殆ど載らないじゃん?
 着エロじゃん?
 内と外で、コスプレに対する印象や需要がメチャクチャ異なるんですよね。
25_自堕落レイヤーと内と外の需要
 (~この説明イラストの辺りで記事の折り返し地点です~)

【内側の価値観】…ファンアートとしてのコスプレ
 元のキャラに似ている・衣装や造形がスゴイ…みたいな、レイヤーや原作ファンの間でのみ通じる価値観。
 コスプレイヤーの圧倒的な主流派を占めるが、魅力や面白さが伝わりにくいのでメディアでは扱われにくい。
 「このコスプレに、100万円かけました!」
→ 〝キャラ〟を表現するために、自分を素材にするタイプ。

【外側の価値観】…芸能活動のステップとしてのコスプレ
 顔がカワイイ・格好がエロい…みたいな、原作を知らない層でも伝わる価値観。
 コスプレイヤー(?)の中では少数派だが、カメラに囲まれやすく、TV・雑誌・ネットニュースなどが伝える〝コスプレ〟は主にこっちに偏る。
 「このコスプレで、100万円稼ぎました!」
→ 〝自分〟を表現するために、キャラを素材にするタイプ。

 両者はパッキリ分かれている訳でもなく中間層があったり一人の活動の中でグラデーションになっている場合もあります。私自身も目立ちたいとかウケ狙いでコスプレした事ありますので0か100でもありません。
 ただあくまで全体的な傾向として、この二つには違いと大きな溝があります。
 〝コスプレ〟という言葉の中で、やろうとしている事が反対だからです。
 えなこ嬢は外側の価値観に沿って活動しているタイプなので後者に特化しています。
 昔でいえばネットアイドル。あくまで自分の容姿をアピールする手段としてコスプレをする傾向が強かったので、元キャラには似てない…というか、似せてないんですね。
 原作を読み込んだ上で再現ではなくアレンジする…という表現でもなく、あくまで自分の容姿が前面に出てるスタイル。
 コスプレの技術的には特に高い訳でもありません(それが悪いとは言ってません)。
 かといって同じ作品を愛するレイヤー同士で、交流に重きを置くタイプ…でもありません。
 容姿の美しさを維持・強調するのは確実に努力ですが、それは自身のモデルとしてのものであり、キャラに近づこうというコスプレイヤーの元来の価値観とは異なります。

 10代の頃にソニーミュージックからコスプレアイドルグループとして活動していた時期(2013年)もありますから、かなり早い段階で元キャラよりも〝自分〟を売り出そうとする芸能志向があったのは事実でしょう。
(ソニミュは当時このアイドルグループ・パナシェ!を「日本初のコスプレアイドル!」として喧伝しましたが、過去にも何組かあったものの短命に終わっていただけです。これもご本人ではなく、ソニミュが調べてなかったか嘘をついたかなので、コスプレアイドルの先駆者セガに謝れ。なおソニミュはこのあとも「真空管ドールズ」やオーディション審査員などでえなこ嬢と関係が強いです)

 だから一般的なコスプレイヤーの価値観には合致しない。雑誌や深夜番組などではむしろコスプレというより〝着エロ〟に近い格好をして、コスプレというよりお金の話をしていたので、正直それを見たコスプレイヤーからの印象は非常に悪い。
 日本テレビ『ダウンタウンDX』2/15放送回で彼女がデーモン小暮閣下に「コスプレイヤーの先輩として~」と話しかける下りは、仮に番組側の台本だったとしてもコスプレイヤー的な感覚から見るとかなりおかしい質問で、だってデーモン閣下はコスプレ〝される〟側の人もとい悪魔じゃないですか!
 この辺からも彼女の中でコスプレ=芸能活動のための奇抜な衣装、の意味で捉えていたのかな?と伺えてしまうのですが。

 別にこういった方向での活動が悪いとは言ってないのです。
 「コスプレは作品愛がすべて!再現度が絶対!」みたいな価値観は原点であっても、そこだけに縛られる必要も無いと思ってます。
 元来のコスプレの価値観と違っても、それもまた守られるべき表現の自由です。
 だから「悪い」ではなく、「違い」の話をしております。
 彼女は一般的なコスプレイヤーから見て、コスプレの技術が高いと認められたり、広く憧れを抱かれる対象とは違うでしょう。
 それがTVで「日本一のコスプレイヤー」「コスプレの頂点」「えなこに憧れるコスプレイヤー急増!」として喧伝されてしまっている…しかもコスプレの話よりもお金の話ばかり…そりゃーねぇーだろ!となりますわね。
 他のコスプレイヤーからしたら、地獄でしょう。

 フォローではありませんが簡単な衣装は自作しておられますから(仕事用はほぼ業者製)、よそでグラビアアイドルが事務所から与えられた業者製衣装を着て海外のアニメイベントに「日本から来たカリスマコスプレイヤー」として輸出されている謎な光景に比べたら、まだコスプレイヤーだと思いますが。
 うしじまいい肉嬢のような悪質な炎上商法もやってませんから。

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実はROMやプロマイド売ってるコスプレイヤーの方が珍しい(全体の1%程度)んですけどね…。


[3]法的に問題はないの?

 広告の仕事経験ある人だと知ってる事ですが、この「日本一」「No.1」みたいなフレーズって、実は宣伝文句としては迂闊に使っちゃいけないんです。
 どのような調査方法や範囲だったのかを明記しないまま優位性を匂わせるのは消費者が誤解するので、「不当景品類及び不当表示防止法」もしくは「不正競争防止法」違反になってしまうからです。
 だから携帯電話会社の「つながりやすさ日本一」とか映画の「全米No.1」みたいな広告は、下の方に小さく調査方法や範囲が明記されているんですね。
 商品名や作品名自体が「日本一短い母への手紙」みたいな場合はセーフですが、宣伝のための言葉として使うとアウトになるのです。

 でも、芸能活動のキャッチフレーズにおいてはこの限りではなく、明確な根拠を挙げない「日本一の~」みたいな文句でも咎められていないのが現状のようですね。
 そういえば植木等さんも主演映画のタイトルを取って「日本一の無責任男」とか、とんねるず石橋貴明さんも仮面ノリダーと戦ってた頃は「日本一のぬいぐるみ師」を名乗っていましたから、後で考えたら後者は本職のスーツアクターに対して失礼な表記ですが。

 名乗ったもの勝ち。嘘ついたもの勝ち。芸能界の悪癖ではないでしょうか。
 新人タレントをメディアで売り出すために設定を盛ったり虚飾するのは仕方ないのですけど、メディアでの発信力を持たない他のレイヤーが下に見られるような誤解を生む表現はダメでしょう。
 繰り返しますがえなこ嬢ご本人が嘘をついたのではなく、持ち上げているメディア側の問題です。
momotarou
「日本一」って宣伝文句は、本当は客観的な根拠なしで使っちゃダメ。


[4]企業が仕掛ける〝プロコスプレイヤー〟ブーム?

 えなこ嬢の積極的なTV出演は2016年夏頃からです。時期的には御伽ねこむ嬢の産休騒動の辺りです。ヤングジャンプのグラビアより前にTV出演を経験しています。
 この時点ですでにコミケでは壁配置ですから人気サークルなのは間違いありませんが、放送された部分はやはりお金の話がメインでした。
2016年夏、
 TBS『ニュースな二人』で「最高月収100万円」
 日テレ『ナカイの窓』で(仕事としてのコスプレを)私ほどのレベルでやってる人は他にいない」
2018年2-3月、
 日テレ『ダウンタウンDX』TBS『有吉ジャポン』『サンデー・ジャポン』で「最高月収1000万円、年収2000万円」

 一年半の間に公称の収入が10倍にインフレなさっておられます。日銀の黒田総裁が掲げるインフレ目標値2%どころじゃありません。
 その金額の真偽については判断できませんし、確定申告はしてるそうなので。
 彼女は「ファンから貰ったプレゼントを換金して一回20万円」とも公言してますので(公言する話じゃねぇだろというツッコミはさておき)、年間で総額110万円以上のプレゼントを受け取れば贈与税、それを換金すれば所得税の課税対象になる筈ですから、そこを含めてクリアにできているなら大変だったと思います税理士さんが。
 …これ個人事業主としての事業所得になるか雑所得になるかどっちなのかな?

 2017年は特にフジテレビ深夜の『大久保佳代子の部屋』に半年間レギュラー出演なさってました。
 しかし2018年に入ってからは2月下旬~3月頭に集中して、従来の深夜枠だけでなく22時台・10時台の番組に進出、そこで紹介VTRまで流されているのは、やはり個人の営業努力だけではないでしょう。
 えなこ嬢はヤングジャンプだけでなく2月下旬に発売されたELFYという雑誌でも表紙に起用されているので、それらとタイミングを合わせて相乗効果を狙ったものであると見えます。
 短期間に集中的に複数メディアに露出させる事で認知度を一気に上げるのは、新人タレントを売り出す際の常套手段ですから。

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 ジーティーオー出版という聞きなれない社名ですが…ここ、DMM.COMグループの出版事業です。
 普段はDMMのアダルトビデオ情報誌とか出してる出版社ですが、そこが何故だか〝コスプレイヤーをモデルに起用した女性向けファッション誌〟を創刊しちゃったんですね。その2号目。
 よく考えたら彼女たちの抱えてるファンの大半は男性です。同雑誌の販促イベントでえなこ嬢とアイドルたちの撮影会やっちゃってますけど、それ完全に男性誌の販促方法です。
 なのに本そのものは女性向け雑誌として女性コーナーに置かれてるという……何かがズレてるぞDMM!

 でもDMMが最近、コスプレイヤーをモデルに使ったイベントなどを積極的に仕掛けているのは事実。DMMってアダルトのイメージが強いし実際そうなのですが、それ以外にもゲーム作ったり証券会社を持ってたり通信事業やってたりでTVのスポットCM枠も買ってますから、影響力の大きな企業です。

 ここだけじゃないけど、オタク業界とはちょっと違う企業主導で〝プロコスプレイヤー〟(実質は営業コスプレイヤーですが)ブームが仕掛けられてるのは間違いないですね。

× × × × × 

 正直、オタクの間でもこういったプロコスプレイヤーブームに対しては乗れない・疑問があるという層も一定数存在するのは、この辺が理由ではないでしょうか。
 かつてのボカロブームのようにオタクの間から自然発生的に盛り上がったブームではなく、確かに最初に彼女たちがROMサークルや撮影モデルとして人気あったのは事実ですが、そこに企業が目をつけてメディアを巻き込んだブームを仕掛けようと動いてるのが露骨に見えてしまう。

 本当にコスプレイヤーが(ハダカ要員ではなく)長期的な意味で職業になり得るのであらば、eスポーツやユーチューバーが既にそうなってるようにNHKのニュース番組orテレビ東京系のビジネス番組なんかで真面目に特集テーマになっても良さそうですが、それはまだありませんよね。
 〝プロコスプレイヤー〟という言葉は現行、あくまで特定のコスプレイヤー出身者をタレントやモデルとして芸能方面へ売り出すための〝記号〟でしかありません。その実態は着エロですが。

 「コスプレを職業に!」…これも昔からよく聞きますが、短期的に稼げる人というのは存在するものの、長期的に見たら職業としては成立していません。
 外側のメディアに対して需要が発生するのは、キャラに似てる・衣装スゴイとかじゃなくって、カワイイ・エロイです。なのでどうしても着エロ化して脱いでしまい、本人の容姿で売る訳ですから賞味期限が限られてしまうからです。

 もちろんコスプレをきっかけに人前で何か表現する楽しさを知って、本格的に芸能方面へ進む人だっておられます。
 でも長期的に芸能で継続できる人は、コスプレ以外にも芸を磨いてる人です。コスプレは付加要素に過ぎませんから。
 あるいは裏方に回ってイベント団体やオタク系企業の広報に入ったり、写真や衣装作りの技術がある人は美術製作やクリエイター方面に進む人だっています。
 コスプレイヤーは職業化できなくても、コスプレ趣味からつながる仕事や職業って実はたくさんあります。
田園風景横長夕暮れ
 以上、泥臭い話が続いたので、終わりに日本の美しい田園風景をお届けします。


[5]今回のまとめ

 外のメディアが取り上げたがるコスプレは、キャラに似てるとか衣装スゴイじゃなくって、カワイイ・エロイという価値観。
 TVが求めるのは、衣装作りや原作への思いじゃなくって、お金の話。
 それは昔から仕方ないですし、その需要に沿って活動するコスプレイヤーも悪い事ではありません。よそはよそ。
 でも、大半のコスプレイヤーはお金や芸能活動を目的にしている訳じゃなくて、自分を使った同人誌・ファンアートとしてコスプレを楽しんでいます。
 えなこ嬢の芸能活動は否定などしてません。やりたいようにやればいいんです。
 しかしながら彼女は一般的なコスプレイヤーの間では認知も支持もされていません。
 「日本一のコスプレイヤー」としたのはあくまでヤングジャンプのグラビアのキャッチフレーズ「日本一かわいすぎるコスプレイヤー」が発端であり、コスプレイヤー向けの意義ある専門誌やコンテストとは無関係です。
 「日本一のコスプレイヤー」「コスプレの頂点」「憧れるコスプレイヤー急増!」というメディア側の持ち上げ方はかなり偏った誇大広告であり、他のコスプレイヤーの活動が下に見られる誤解を生んでしまう、失礼な表現ではないでしょうか。
 〝コスプレ〟という言葉の中で、やろうとしている事が異なっているのですから。
 ご本人ではなく、TV・雑誌・ネットニュース、そういったメディア側の問題であり、モラルを問いたいです。

 メディア関係者におかれましては、「日本一稼いでる」「フォロワー最多」など、せめて根拠ある表記に改めていただきたく、僭越ながら何卒よろしくお願い申し上げます。
 また難しいとは存じますが各企業の皆々様、コスプレってカワイイ・エロイ以外にももっと多様な面白さがあるのでございまして、そこに気づいて上手にコンテンツ化できたらブルーオーシャンですよ!?

 さて、何でもカテゴライズしすぎるのは良くない思考ですが、もうそろそろ〝キャラ〟主体でファン活動や交流ツールとしてのコスプレと、〝自分〟主体で芸能活動や営業ツールとしてのコスプレを区別する言葉が求められてるのかなー?とは感じます。
 プロコスプレイヤーとか書くと技術的にも優れているような錯覚を生むので…私は当面、後者を〝営業コスプレイヤー〟と呼称しておきます。

 そして市井の名もなきコスプレイヤーの一人として未来は悲観してはいけませんから、まだまだ数少ないながらもカワイイ・エロイ以外の価値観でコスプレを扱ってくれるメディアの皆様には、積極的に拡散や宣伝に協力する方向でいきたいと思います。
 その方が前向きでしょ。

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ミミックトリミング2015立川_大連立ROM用1
 なお、私は「日本一、四角いコスプレイヤー」を自称して活動する事にします。
 年収設定1000万円、超人強度1000万パワーです。
亀頭
 最新作。
 追記:こういったコスプレ↑してる人の視点ですから、必ずしもフラットな視点では書けていません。


※コメント欄はスパム対策で承認制ですが何かご意見あれば。また意見を伝える際に蔑称は使うべきではないという考えなので「マスゴミ」という表現はご遠慮ください。


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【コラム】灯っては消え、プロ/職業コスプレイヤーという幻を考える-コスプレイヤーズアーカイブニュース
 (2016年の記事ながら、海外と違って
コスプレイヤーが職業化できない理由を、日本が聖地だから…という観点で考えてます)