そろそろ東京以外の地域では中小規模のコスプレイベントが復活しつつありますが、感染拡大の止まらない東京都内ではまだ難しいのが現状。ごく小規模の集まりだったり同人誌即売会でコスプレ参加もできる…位のものしかありません。
 そんな中、コスプレ撮影スタジオのハコスタジアム&コスプレ衣装ブランドのACOSによる「アコスタ」が本拠地の池袋サンシャインで2/9以来に極めて限定的かつ試験的ながら再開しましたので、ちと足を延ばしてみました。
 7/23-26の4連戦のうち、参加したのは2日目です。

・公式ページ

■アコスタ池袋サンシャインの通常回と異なる開催要件
・人数上限は通常回の5分の1
・池袋の街中へは移動不可、Bホールと屋上と中央公園まで(後にCホール追加で屋内のみへ変更)
・受付で検温
・マスク着用義務(会場での販売無し)
・大声禁止、更衣室内で会話禁止
・撮影列は4人まで
・ゴミ箱無し、持ち帰り
・参加費2500円
・三脚レフ版レンタル中止
・2/29中止分の振替購入可
・協力店舗はファミリーマートのテイクアウトのみ

■再開騒動の流れ
・6/29 前売券争奪によりサイト不安定に。
・6/30 前売完売後、屋外への移動不可(Cホール追加)に変更告知。キャンセル受付。
 (この辺で迷惑者が参加表明。ただし実際は参加せず)
・7/2 都内で再び感染者が再拡大、一日100人超え。
・7/6 サンシャインシティアルタ従業員の感染公表。
・キャンセル祭り発生、前売再販へ。
・7/21 4連休直前、都知事からまさかの外出自粛要請。
・非公式にキャンセル返金受付。サイト案内はなくメール対応。

■当日の様子
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悪の秘密結社アニメイトグループのコスプレ部門ビル。

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屋外へは出られないので広場は閑散。都内は外出自粛要請(呼びかけ)下である。

更衣室は換気のため各所の扉が開放。衝立で外からは見えなくなっていた。
息をかけないため全員同じ方向を向いて更衣やメイクを済ませるよう呼び掛けられていた。
ホール出入口には消毒アルコール設置。

そして撮影列は4人までなので、延びるとスタッフが来て散らしていた。

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背景パネルが4種類。

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和室セットと教室セットが。

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生放送ブースもあるが見ていた限り使われていなかった。

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Bホール奥のテーブルとベンチも密を避け同じ方向を向くように。

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Cホール奥の搬入通路は暗い雰囲気で意外と人気撮影スポットになっていた。(協力:寅さん)

アコスタ再開2日目
それ以外にCホールはセットもなく、本当に人がいない。

■感想戦
 13~14時くらいに徘徊してましたが、レイヤーとカメラマン合わせてザッと200-300人でしょうか。
 前売りは完売扱いになっていて、早めに帰った人もいたでしょうしキャンセルした人もいたでしょうから、チケットはもうちょっと多い数でしょうね。ケタが一つ少ないのは間違いない。当初発表された「人数上限は通常の5分の1」というのに合致します。
 しかし、ホールA1+A23+B+Cの4ホール使用で、参加費は一人2500円ですから、とてもまともな利益が出る規模ではないでしょうね。
 それでも、とりあえず小規模に一回やってみて再開への先鞭をつける、という判断は間違ってないと思います。

 おそらくアコスタ的に本命は次月の8/15,16池袋8/29さいたまスーパーアリーナの方で、そのための実験としての位置づけなんじゃないでしょうか。

 厳戒態勢というか屋外へは出られないし殺風景だし、いつものアコスタの雰囲気はまったく感じないですけど、久しぶりに友達と一緒にコスプレできたであろう人たちの楽しそうな空気もあったので(みんな大声で会話しないようにしてる)、悪いものではなかったかと。
 個人的には2/9のワンフェス以来のイベント参加で、短時間ながら人とも会えたので楽しかったです。

■学級会を問う
「今はコスプレイベントを再開する時ではない。何かあったら世間からコスプレ全体が叩かれる。コロナ収束まで待てないのか」
 …というのは一見正論です。
 でもね、完全な収束ってのはもう、見込めないんですよ。
 ハッキリ言って、今までの日常なんて帰ってこないんです。
 全世界に広まってしまったウイルスが消滅する事はもう無理。ワクチンや治療法が確立して、それが希望者全員で受けられる体制が整って…ってどれくらい先になるんでしょう。
 そこまで待ってる間、さすがにイベント会社が力尽きてドンドン潰れていくでしょう。営利企業イベントの是非はあるけど、スタッフに日給払ってイベント保険加入して法人として会場や業者と契約するから定期的に大規模開催できてる訳で。
 「ウィズコロナ宣言」っていうのは、できるだけ感染対策をした上で経済を回して、それでも感染者が発生してしまう部分に対してはもう、社会が負うべきリスクだと思うんですね。

 アコスタ経営危機説とかありましたけど、主催してるハコスタジアムは確かにクラウドファウンディングで資金を募ってましたが、それは緊急事態宣言下で営業できないのに撮影スタジオの家賃や固定費だけ出費が続く状況からで、むしろ他所に比べると現段階ではまだ体力が残ってる方なので(なんだかんだアニメイトグループって大きいし(当初ここに上場企業って書いてましたけど間違えました))、今回は採算度外視で実験的な再開まで漕ぎ着けられた気がします。
 一回の赤字で吹っ飛ぶレベルの企業だったら、とてもこの状況では数百人規模の更衣室付きコスプレイベントは開催できないでしょう。

 あと対外的には都内ではコスプレイベント業界の象徴っぽく見られるってのもあると思う。プロレスで言えば大規模の客入れ興行を再開させたのは新日本プロレス7/11,12大阪城ホール大会なので(水樹奈々コンサートのキャンセル日程をブシロードが抑えた格好)。
 やっぱり最初に再開する所って、外から見ると業界の象徴的イメージで見られるんですよ。

× × × × × 

 なんか褒めるように書いてしまいましたが、アコスタを好きか嫌いかって聞かれたら正直「嫌い」です。
 商業主義は悪くないけど商売っ気が露骨だし、着ぐるみ規制の文章も曖昧だし、他所のイベントに日程をぶつけるし、アニメイト感覚で女性向けに特化して男性レイヤーは冷遇気味だし。
 ただ、好き/嫌いと、良い/悪いは違う。今回リスク負って対策を取りながら再開に漕ぎつけた事には、敬意を表します。

 ま、これで2週間後に「都内コスプレイベントで大規模クラスタ発生!問われる管理体制…過去にもトラブル続々」みたいにニュースになってたら、掌ひっくり返して記事を消してトンズラする予定ですけど。

■今後の首都圏イベントを考える
 大規模化・インフレの終焉。
 とりあえずこれまでのように、とにかく大規模に、自治体や商店街の公的機関を巻き込んで、狭い更衣室に大量に詰め込んで、身動きとれないような会場で、地元の政治家や大企業の偉い人が挨拶して、やれ何万人来場だとかさらにインフレ発表をして…みたいなイベントは難しくなるでしょう。
(池袋ハロウィンの土日12万人、世界コスプレサミットの土日30万人なんて、インフレ発表も大概にしやがれ)

 占有ではない公共スペースを使用する屋外イベントはどんなに主催者と参加者が対策を練っても、会場となる公園や歩行者天国に紛れていた通行人がウイルスを持っていた場合にはクラスタが発生してしまいます。
 その責任をイベント側で全部負うのは無理ですし、協賛する自治体だって巻き込まれたくないから、公園・商店街・歩行者天国などを使う大規模イベントは都会に近いほど難しくなる。アコスタの都内再開一発目で完全屋内開催になったのもこれでしょう。
(アコスタは近年、東京五輪にかこつけた政府の文化事業である「TOKYO BEYOND 2020」に毎回登録していましたが、今回は無いっぽいですね)

 そうなると遠征せずに地元周辺で手ごろな規模のイベントを探して参加する形になっていくと思います。
 ある種の原点回帰が起こるのかもしれない。
 いや、回帰しすぎると90年代のダンスパーティ形式まで戻って神楽坂ツインスターや芝浦GOLDで踊り狂って3密MAXなんで、00年代くらいの規模感に。
 料金は上がるかもしれないなー…。全日本プロレスだって後楽園ホール指定席4000円→6000円に一気に上がったもんな…。


 んで、全国各地のイベントを地域ごとに検索するには、コスプレイヤーズアーカイブという古ぼけたSNSのイベント検索ページが便利でして、会員登録なしで使えるんですよこれ。
 スマホ対応というかツイッター対応してないんでツイートボタンは無いし、イベントのリンク貼ってもサムネ画像出ないし、ポスターとかのキービジュアル登録もできないし、設計としては古いんですけど情報を検索するには便利なので、ぜひ若人にも使ってほしいですね。
 ↓ 
https://www.cosp.jp/event_list.aspx


 とりあえず、生き延びよう。コスプレイヤーもイベント会社も。
 生きて炎上と学級会を眺めよう。これからも。 
 
 
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