先日10/12(火)のNHK第1ラジオ「渋谷アニメランド」での、高橋良輔監督のコメントを抜粋。厳密ではないけど、だいたいの意味はこれで合ってると思う。
ただ前半15分くらい聞き逃してしまってるので、それ以降。すまぬ。
この番組はパーソナリティー・ゲストともに週代わりで、今回はアニメ評論家の藤津亮太氏がパーソナリティー役となって、ゲストの高橋監督から新作「ボトムズフェスティバル」三部作や、そして旧作の話などを聞き出す、というもの。その多くは既に書籍やインタビューで語られてる内容なんだけど、監督自身の言葉でそれが語られるというのも
ちなみにこんな日記を書いておきながら私は、実は「ボトムズ」に疎いのであった。
高橋監督作品では断然「レイズナー」「ダグラム」派です。
× × × × ×
ただ前半15分くらい聞き逃してしまってるので、それ以降。すまぬ。
この番組はパーソナリティー・ゲストともに週代わりで、今回はアニメ評論家の藤津亮太氏がパーソナリティー役となって、ゲストの高橋監督から新作「ボトムズフェスティバル」三部作や、そして旧作の話などを聞き出す、というもの。その多くは既に書籍やインタビューで語られてる内容なんだけど、監督自身の言葉でそれが語られるというのも
ちなみにこんな日記を書いておきながら私は、実は「ボトムズ」に疎いのであった。
高橋監督作品では断然「レイズナー」「ダグラム」派です。
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・ボトムズのデザインに関して
大河原邦男さんの上げてきた、無機質なレンズが3つ並んでる顔に、何とも言えない表情を感じた。
(編注:「装甲騎兵ボトムズ」OPのタイトルシーンが、スコープドックのレンズのアップから始まる)
・ボトムズのタイトルの由来とは
ロボットが次々と使い捨てられる世界で、乗ってる人間も使い捨てられていく。だから「底辺の(人間達)」って意味で「BOTTOMS」なんだけど、あんま りタイトルから意味がすぐに分からない方が良いだろうって事で、広がっていくイメージがあるので、B→Vにして、「VOTTOMS」にしました。
(編注:パーソナリティから「タイトルの言葉が劇中で一回も使われて無い珍しい作品」という説明があったけど、厳密には劇中で「ボトムズ乗り」という言葉はまれに出てくる)
・OVA「鉄の竜騎兵」について
その前に「大陽の牙ダグラム」の演出をどうしようかと悩んでた時に松本零士先生の戦場まんがシリーズを読んでいて、世界観の説明のために文章が書いてあるのを見て、これをナレーションに置き換えてみて、ナレーションを多用する演出を考えついた。
あと松本先生の漫画は基本的にノスタルジックなので、兵器が朽ちてる様なシーンが多い。それで「ダグラム」も兵器が朽ちてるシーンをメインビジュアルに持ってきた。
それがあって松本先生に恩を感じていたので、お話が来た時にはすぐ「やろう」と決めた。
(編注:「ダグラム」は一話の冒頭で、ダグラムが朽ちているシーンから回想録の形になっている)
・ボトムズのTVシリーズ4部構成に関して
「ダグラム」はおかげさまで商品展開も好調で75話も続いた。でも、神田武幸さんと共同監督だったんだけど、僕は途中で演出は降りて、お話の方だけやる事になった。
長くやるとどうしても重厚長大になってしまうので、だから次は1年間の放送スケジュールを1クールごとに区切って、話に弾みをつけようと思った。
1クールごとに美術も変えて、登場人物も変えて、それで話に弾みをつけたかったって言うのが本当の所です。
・新作「装甲騎兵ボトムズ 孤影再び」(来年1月公開)に関して
「赫奕たる異端」(1994年OVA)でキリコの恋人のフィアナが死んでしまっているんですけど、キリコも我々スタッフもフィアナを忘れた訳ではない。新キャラを通して、区切りをつけようって事です。
(編注:ボトムズフェスティバル3部作では、これが唯一、監督・高橋良輔/キャラクターデザイン・塩山紀生とゆー、本家スタッフの作品)
・監督の作品には、神とか政治とかスケールの大きい展開がありますが…
フツーに生きてきて、ある日突然、神とか政治とかに大きなものに向き合ってしまった人達の、日常を描きたかった。
それと、どこかに父親ってのを描きたかった。
僕には父親ってのが居ないんです。戦争で早くに亡くしちゃってるから、父親というものに対して一つのイメージが無い。だから主人公と父親との対立や、それを乗り越えて行く様を描いて、そこに自分自身を投影してるのかもしれません。
(編注:「ダグラム」で反地球連邦ゲリラに身を投じた主人公のクリンと、地球連邦評議会議長を務める父ドナンとの確執を思い出して下さい)
・監督にとってアニメの魅力とは?
アニメってのは「マトモな事をマトモに言える」「マトモな主張を乗せられる」だと思います。実写だと本物の役者さんを使ってストレートに出しちゃうと、今の時代にそぐわない。
でもアニメだと「悪い奴は悪い」「人間は自由に生きたいんだ」ってのを、堂々と言えるんです。
× × × × ×
ところでトークとは関係なく、番組中に流れる交通情報のBGMが「蒼き流星SPTレイズナー」OPの「メロスのように」インストバージョンだったんですが…
それ、高速道路を走ってるの車じゃないだろ!
明らかにリスナーの脳内で、夕暮れの高速道路の上空をレイズナー飛ばせてるだろ!
・番組HP
http://www.nhk.or.jp/animeland/
10/26は豊崎愛生さん(唯の中の人)ですって!
大河原邦男さんの上げてきた、無機質なレンズが3つ並んでる顔に、何とも言えない表情を感じた。
(編注:「装甲騎兵ボトムズ」OPのタイトルシーンが、スコープドックのレンズのアップから始まる)
・ボトムズのタイトルの由来とは
ロボットが次々と使い捨てられる世界で、乗ってる人間も使い捨てられていく。だから「底辺の(人間達)」って意味で「BOTTOMS」なんだけど、あんま りタイトルから意味がすぐに分からない方が良いだろうって事で、広がっていくイメージがあるので、B→Vにして、「VOTTOMS」にしました。
(編注:パーソナリティから「タイトルの言葉が劇中で一回も使われて無い珍しい作品」という説明があったけど、厳密には劇中で「ボトムズ乗り」という言葉はまれに出てくる)
・OVA「鉄の竜騎兵」について
その前に「大陽の牙ダグラム」の演出をどうしようかと悩んでた時に松本零士先生の戦場まんがシリーズを読んでいて、世界観の説明のために文章が書いてあるのを見て、これをナレーションに置き換えてみて、ナレーションを多用する演出を考えついた。
あと松本先生の漫画は基本的にノスタルジックなので、兵器が朽ちてる様なシーンが多い。それで「ダグラム」も兵器が朽ちてるシーンをメインビジュアルに持ってきた。
それがあって松本先生に恩を感じていたので、お話が来た時にはすぐ「やろう」と決めた。
(編注:「ダグラム」は一話の冒頭で、ダグラムが朽ちているシーンから回想録の形になっている)
・ボトムズのTVシリーズ4部構成に関して
「ダグラム」はおかげさまで商品展開も好調で75話も続いた。でも、神田武幸さんと共同監督だったんだけど、僕は途中で演出は降りて、お話の方だけやる事になった。
長くやるとどうしても重厚長大になってしまうので、だから次は1年間の放送スケジュールを1クールごとに区切って、話に弾みをつけようと思った。
1クールごとに美術も変えて、登場人物も変えて、それで話に弾みをつけたかったって言うのが本当の所です。
・新作「装甲騎兵ボトムズ 孤影再び」(来年1月公開)に関して
「赫奕たる異端」(1994年OVA)でキリコの恋人のフィアナが死んでしまっているんですけど、キリコも我々スタッフもフィアナを忘れた訳ではない。新キャラを通して、区切りをつけようって事です。
(編注:ボトムズフェスティバル3部作では、これが唯一、監督・高橋良輔/キャラクターデザイン・塩山紀生とゆー、本家スタッフの作品)
・監督の作品には、神とか政治とかスケールの大きい展開がありますが…
フツーに生きてきて、ある日突然、神とか政治とかに大きなものに向き合ってしまった人達の、日常を描きたかった。
それと、どこかに父親ってのを描きたかった。
僕には父親ってのが居ないんです。戦争で早くに亡くしちゃってるから、父親というものに対して一つのイメージが無い。だから主人公と父親との対立や、それを乗り越えて行く様を描いて、そこに自分自身を投影してるのかもしれません。
(編注:「ダグラム」で反地球連邦ゲリラに身を投じた主人公のクリンと、地球連邦評議会議長を務める父ドナンとの確執を思い出して下さい)
・監督にとってアニメの魅力とは?
アニメってのは「マトモな事をマトモに言える」「マトモな主張を乗せられる」だと思います。実写だと本物の役者さんを使ってストレートに出しちゃうと、今の時代にそぐわない。
でもアニメだと「悪い奴は悪い」「人間は自由に生きたいんだ」ってのを、堂々と言えるんです。
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ところでトークとは関係なく、番組中に流れる交通情報のBGMが「蒼き流星SPTレイズナー」OPの「メロスのように」インストバージョンだったんですが…
それ、高速道路を走ってるの車じゃないだろ!
明らかにリスナーの脳内で、夕暮れの高速道路の上空をレイズナー飛ばせてるだろ!
・番組HP
http://www.nhk.or.jp/animeland/
10/26は豊崎愛生さん(唯の中の人)ですって!