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 そりゃ、公開初日の朝一で見に行きますよ。1982年リアルタイム世代だもの。
 以下、ストーリー核心のネタバレは避けつつ感想。


 …面白いよ…!
 最高だよ…!
 

 ってゆーか、ストーリーは無いに等しいです。あくまで“燃える”シュチュエーションを作ってるだけであって!
 だから最初にその、強引そのもののストーリーをツッコミます。マイナスな話は最初に済ませちゃおう。
 冒頭、ギャバンとゴーカイジャーが対決するシュチュエーションを作る為とはいえ、高層ビル群でドルギランがゴーカイガレオンに砲撃戦を仕掛けるのは一般人の危険を顧みなさ過ぎだし、ギャバンがゴーカイジャーを巻き込まざる得なかった動機付けも、ギャバンらしくない。
 その割にウィーバル総裁が真意を漏らすのも自分からポロッと喋っちゃってて、じゃあギャバンがゴーカイジャーにわざわざ戦い吹っかける必要は無いんじゃね?と。
 ギャバンは人知れず平和の為に戦うヒーローであって、他人を囮に使ったりしないと思うんだよねー。
 …そこら辺は、だから対決シュチュエーションづくりの為、という事で割り切りましょう。

 とにかく全編、見せ場・見せ場!・見せ場!!の超オンパレードでした。

 じゃあ、そんな本放送世代の琴線に触れまくった見せ場の幾つかを、「もう一度見てみよう!」
(ここから先、何も事前知識を入れたくない人は読まないように。迷ってる人は読んだら劇場にダッシュしたくなる可能性)
 


・問答無用で海賊戦隊5人を一蹴するギャバン。スパイラルキック・レーザーZビーム・そしていきなりレーザーブレード!このブレードをムチ状にして使うのは本当はシャイダーのパターンだよね。改良されたのか。

・タイトルバックのBGMは「マクー城外観」。元は犯罪結社マクーのテーマでしたが、シリーズ後半は一条寺烈の決意のシーンなどでも使用され、宇宙刑事シリーズだけでなく「機動刑事ジバン」劇場版でも使われた荘厳な曲。聴いてていきなりちびりそうになる。

・ブートレグと生身の一条寺烈との対決シーン。大葉健二アクション、体のキレがすごい!
(「199大ヒーロー」の時に、小走りで横断歩道を渡るカットだけでもそのキレの良さは伝わるんだけど、今回は生身でアクションやってくれたよ!)

・監獄に歴代幹部他が閉じ込められてるシーンでは、意外なキャラも登場するので、パンフは事前に読まずに本編を見よう。

・ちょっとだけ出てくるゴーバスターズは、今までで最も、登場に必然性のある流れでした。

「チェイス!ギャバン」をBGMに『蒸・着!』「宇宙刑事ギャバンがコンバットスーツを蒸着するタイムは、わずか0.05秒にすぎない。では、そのプロセスをもう一度見てみよう!」のナレーションまでやってくれたよ…!

・レーザーブレードを輝かせて、ギャバンvsブートレグの決斗。あのレーザーブレードのテーマ(正式な曲名は「襲撃II」)が♪テレレレテレレレ…と流れ始めた瞬間には、全身の毛が逆立ってしまった…。ってゆーか、ちびった。

・魔空空間が広がるシーンで、地球が逆回転するという芸コマなカットが。
(ほれ、「魔空空間に引きずり込め!」で始まるアレ)

・決めポーズの背後から青空が広がるのは、魔空空間消滅の再現だよね!


 いや、本当にギャバン映画として見ちゃうと、足りないと思う部分はそりゃーありますよ?
 サイバリアンはどうしたとか、レーザーブレードでの剣劇シーンにはドライアイスの煙を床に広げなきゃとか、魔空空間で扉を開けて空中に投げ出されるなら扉のアップから瞬間的に高速ズームアウトだろ(主に小林義明監督の演出による)、とか。

 でも、伝説の中にしか無かった宇宙刑事ギャバンの像を、平成24年のこの時代に、元の魅力をまとったまま“復活”させてくれた事に、最大限の感謝を。
 ゲスト出演なんかではない、宇宙刑事ギャバンの姿が、そこにはあったのだよ!



× × × × × 

 対比させるとやっぱり、ヒーロー番組の変化って見えてきますね。

 マスク状態でセリフ喋るシーンで、昔のヒーローは顎を上下に動かして“何か口を動かしてるっぽさ”を表現するんですけど、今、やらないよね。
 そしてギャバンの時代のヒーロー像って、基本的に“子供から見て憧れるお兄さん”として描かれてるんですよ。それが80年代中盤以降、ヒーローを“等身大の若者”として描く様になるんです。戦隊だとバイオマン辺りからなのかな。
 つまりヒーロー番組の青春ドラマ化・連続ドラマ化(ごく一部トレンディドラマ化)にも繋がって、ハイティーン層の支持を得るんだけど、子供から見て分かり難くなっていく訳です。
 「宇宙刑事ギャバン」は、そんなヒーローがヒーローらしかった大昔の泥臭さと、新時代のヒーローを作ろうという洗練された部分が入り混じった、古くて新しい作品なのです。

 思い出しますよ、そりゃ。
 ギャバン放送当時は未就学児だったなー、とか。
 夏休みのギャバン再放送を見ようとして着けたテレビで、日航機墜落事故の臨時ニュース(1985)やってたなー、とか。
 中学時代にお年玉でVHSビデオの4巻(ギャバンのVHSは最初に傑作選で出たので、全10巻中、4巻目に最終回が入っていたのである)買って見てたなー、とか。
 高校入ってレンタル屋のカード作れるようになってから、借りて見まくったなー、とか。
 演劇部の練習で、あの大葉健二さんの前転アクションとか真似してたなー、とか。
 
× × × × × 

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 そしてパンフにあった、独身の皆さんには酷な一言。
「宇宙刑事ギャバンは、君たちのお父さんやお母さんが、まだ君たちぐらいの歳だったころに、地球で活躍していたヒーローなんだ」
 …。


 以下、ラストシーンのネタについて…これはネタバレを含むからね。
 注意。



 











・あの天からの声で「勇者たちよ…かつての子供たちは、お前たちの並んだ姿を、まだ一度も見ていない」って集合ネタは、宇宙刑事三部作の完結記念でやった特番が元だろ!
 本放送世代じゃないと分かんないよ!
(大葉さんが「コータローまかりとおる!」出演のために丸坊主にしていた時期なのである)


 荒川稔久…そこまで仕込むか!


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