「不振の商業施設、ならびに出展減の見本市や行政イベントは、コスプレによる集客や話題作りに走るという法則!」
実質的な東京都の主導でアニメ産業の見本市として、国内外のバイヤーとの商談と、そして一般のアニメファンの祭典を兼ねる形で行われてきた「東京国際アニメフェア」(TAF)が、どうやら過渡期を迎えているようです。
まずは経緯を振り返ります。
あ、最初に断わっておきますがコスプレ写真の類は無いです。
・2013東京国際アニメフェア閉幕 期間来場者数は10万5855人 大台を回復-アニメ!アニメ!
>ACE分裂前の2010年の13万2492人は大きく下回ったまま
>ビジネスデー来場者は中国からの来場が急減して前年比40.5%減
>パブリックデー来場者は前年比9.8%増
・過去の開催情報-東京国際アニメフェア2013
(出展・来場者数の推移など)
実質的な東京都の主導でアニメ産業の見本市として、国内外のバイヤーとの商談と、そして一般のアニメファンの祭典を兼ねる形で行われてきた「東京国際アニメフェア」(TAF)が、どうやら過渡期を迎えているようです。
まずは経緯を振り返ります。
あ、最初に断わっておきますがコスプレ写真の類は無いです。
・2013東京国際アニメフェア閉幕 期間来場者数は10万5855人 大台を回復-アニメ!アニメ!
>ACE分裂前の2010年の13万2492人は大きく下回ったまま
>ビジネスデー来場者は中国からの来場が急減して前年比40.5%減
>パブリックデー来場者は前年比9.8%増
・過去の開催情報-東京国際アニメフェア2013
(出展・来場者数の推移など)
■ 東京国際アニメフェアの分裂と出展減 ■
2011年、分裂騒動。
前年末に東京都青少年健全育成条例が改正され、アニメ・漫画のみを狙い撃ちして過激な性表現への流通規制をかける内容と、その可決までの拙速な流れに対する抗議として、主に角川グループを中心にTAF出展をキャンセル、同日に幕張メッセでの「アニメコンテンツエキスポ」(ACE)を開催する旨が告知されました。
ビッグサイトと幕張メッセは直通ではないのでハシゴしにくいですし、アニメファンのTAFへの悪感情(というか都知事の「来なければいい。来年ほえ面をかいて来るよ」発言などなど…)もあって、この対決は注目を集めました。
しかし開催直前3/11に東日本大震災が発生し、両方とも中止を発表。いわば痛み分けとなりました。
2012年、TAFとACEは開催日を分けて開催。
この時、入場者数でいえばまだTAFが圧倒しましたが、開催日がビジネス/パブリックデーで4日間あるTAFと、一般向けの土日のみのACEは簡単には比較できません。
TAF来場者数は分裂前2010年の13万人から大幅に減少、9万8千人で、10万を割ります。
また、出展社数は200社台で横ばいでしたが、出展小間数は分裂前615小間から411小間へ。国内企業の大規模出展が減り、海外からの小スペース出展が増えたので、出展社は増えても小間が減ったそうです。
いかんせん、公称ではACEよりも多かったとはいえ、TAFが分裂する2年前に比べて大幅な縮小を見せたのは事実です。
・ TAF=商談を前提とした“見本市”(ビジネス/パブリックデー計4日間)
・ ACE=アニメファンの“祭典”(ビジネスデーなし2日間)
としての傾向が出来ました。
・アニメコンテンツエキスポと東京国際アニメフェアの来場者数比較検証、今後の両イベントの行方は?(2012版)-GIGAZIN
今年2013年…。
TAFの出展減が加速しました。今までは行政主導の見本市という事で、海外からの出展が多かったのも特長でしたが、前年の尖閣諸島国有化(元は都が購入しようとしたのが発端ですが)などを巡って対日感情の悪化した中国からの出展が激減しました。同じ理由で中国からのバイヤーなども急減が予想されました。 (事実そうなった)
そんなTAFが講じた策が、一般入場者の獲得作戦…という事でしょうか。余剰スペースに巨大なキッズコーナーや複数のステー ジを組み、プリキュアショウなど人気キャラクターや、各地方のゆるキャラ誘致、そして…「一般入場者のコスプレ解禁」「世界コスプレサミットの国内予選を開催」。
さて、冒頭の一文をもう一度。
「不振の商業施設、ならびに出展減の見本市や行政イベントは、コスプレによる集客や話題作りに走るという法則!」
日本全国、バブルの頃にうっかり作ってしまった人の来ないテーマパークや、田舎の観光地のお祭りが、コスプレイベントを誘致して話題性や人集めを行おうとする例は、沢山あります。
(運営にコスプレを分かってる人がいなくって、やってみて失敗する例も沢山あります)
かの東京ゲームショウが、リーマンショックを経た2009年以降に大幅な出展減を迎え、見本市としての役割よりも声優のトークショウやミニライブ、コスプ レエリアの拡大や、中夜祭的なコスプレのショウを開催し、見本市から“ゲームファンの祭典”に軸足を移す事で、ライトなオタクやコスプレイヤーやその見物客の動員を図っていったのと、似た構図ですね。
そして、当日…
ハイ、ここからようやく当日の話です。
分裂前の光景を知らないので比較する事ができないですが、正直、パブリックデーに関しては会場の熱は低いと感じました。
前述のように出展減により発生した余剰スペースは、キッズコーナーやステージ設置、あるいは地方自治体のブースを誘致して埋めていたのですが、そのステージ企画も殆どにおいて事前発行の整理券が当日まで残っていた事を考えると、大幅な集客効果は無かったと思います。
もっとも、見本市であり商談の場として捉えれば、ビジネスデーの存在意義の方がまだまだ大きいのでしょうが。
■ 会場内もろもろ ■





TVアニメ50年史コーナーには、オモチャやキャラグッズの展示。

クローバー社のガンダムDX合体セット。玩具不振により3クールでの打ち切りが決まっていたガンダムは、後期に投入されたこの商品(Gアーマーとのセット)のヒットにより若干の延命が叶った。
なおクローバーはダンバイン放送中の83年に倒産。

昔はアニメの商品化=子供向け玩具だったが、今やエヴァの目薬等、他ブランドとの“コラボ”が主軸になりつつある。

話題のパトレイバー実写告知はこの巨大パネルのみ。


ゆるキャラがたくさん。東京都交通局とあらん。
静岡のハンバーグ協会ハンバーグマのグーグー。


キッズコーナーのドキドキ!プリキュアショウ。東映アニメキャラの等身大人形。
(業界最大手の東映アニメはACEではなくTAFのみ出展)

サザエさん…。

ワイルドタイガーとバーナビーのヒーロースーツが握手会でもみくちゃに。





放送30周年を迎えた「魔法の天使クリーミィマミ」の歴代グッズ展示。
現在出ているアクセサリーやストラップ類はどちらかと言うと、オモチャを大人っぽくした的なものであって、大人の女性が身につけるには微妙なセンスの物が多い…と、友人談。
■ 一般入場のコスプレ解禁について ■
・東京国際アニメフェア2013 来場者10万人目指す コスプレエリアを初導入-アニメ!アニメ!
・TAF公式のコスプレページ
今回の解禁で、コスプレ&撮影に関する規約がどうなるか注目しておりました。行政の絡むイベントは保守的なので。
なかなか練った規約だと思います。
着ぐるみや女装などを安易に禁止せず、また武器類なども「大型」のサイズ基準を定義づけていて、移動時に分解する事やコスプレエリア内のみで使用する事を求めています。
禁止禁止ではなく、何をどうすれば可になるのかを示しているので、ここに関しては率直に評価申し上げたいです。
ただ、現場での運用や空気がどうだったかというと…。
まず、解禁しても最初からレイヤーが大挙して参加する事はあり得ません。レイヤーは口コミを重視しますから。
どうしても主催の東京都自体が青少年条例騒動でオタクから嫌われていますし、そもそも現在のTAFにコスプレして参加するメリットが無いからです。出展が小学館や任天堂など児童向け作品の版元が多いですし、独特の撮影ロケーションがある訳でもないですから。
更衣室は相応の面積と床シートが敷かれて好環境でしたが、更衣室から一歩出ると非常に周囲からの無断撮影が多いです。コスプレエリアですら。
客は初めてコスプレイヤーに直に触れる人が多いので、コンパニオンの様な物だと思い込み、撮る前に一言かけるという基本的なマナーが共有されていません。そしてそれを注意する様なスタッフも居ません。
どれだけルールを作ろうと、それが共有され、運用されなければ意味がありません。
コスプレエリア…というか会場全体、“レイヤーにとって居心地の悪い空間”になってしまっていた気がします。
この日は東京ドームシティでも大型コスプレイベントがあり、また時期的に“桜ロケ”の予定が入っている頃ですから、TAFがコスプレを解禁しても、レイヤーを大量動員する事は出来ません。
少数のレイヤーが、会場内で浮いた感じになってしまった感は否めません。
これを軌道修正しながら続けて、徐々に動員を獲得していくのかは、分かりません。
■ 世界コスプレサミット東京予選について ■
元はコスプレ界の人達ではなくTV愛知とPCショップによる2003年からの番組企画でしたが、2005年の愛知万博の波に乗って拡大を重ね、今や外務省 (ポップカルチャー外交)、経産省(クールジャパン戦略)、国交省(観光振興)まで大小様々な行政機関が乗っかってる、(利権渦巻く)巨大イベントです。
その日本代表選考会=国内予選の東京予選会をTAF内で行う、というアナウンスがされたのは一月前でした。
ハッキリ言います。告知が遅過ぎます。
運営のグダグダは毎年ですが、なまじTAFとコラボしたためにTAFの都合の内側でしか動けず、そのために正式発表が2/20。予選出場たった5組。
大規模イベントとコラボする事の難しさが見えた気がします。
それでも当日は用意された300席が埋まり、立見も約100人入る超満員状態。
TAF内の企画としては充分、成功した方だと思います。
※ ちなみに本記事は元はコスサミ予選のレポ記事でしたが、色々増えていったので、結局TAFとコスサミ予選は分けて、後者のレポは次記事に上げます。書きたい事が沢山あるので。
・【レポート】コスプレイヤー集結!「東京国際アニメフェア2013」で世界コスプレサミット予選開催、 日本代表選考会へ進んだのは?-マイナビニュース
・【TAF2013】「世界コスプレサミット2013」TAF予選大会開催 岸田メル重大発表も-2IS (つーいず)
・【TAF2013】「世界コスプレサミット2013 日本代表選考会 東京国際アニメフェア予選」に行ってきました!-声旬!
■ ACEとも簡単に比較してみた ■
翌週3/31のACEも見に行って来ました。
驚きました。会場の“熱”が全然違う!
元々、商談の見本市がTAF、ファンの祭典がACEという傾向なので単純な比較はできないのですが…。
正直、出展側の「これを見て!もっと見て!」、来場者の「アレが見たい!全部見たい!」とゆー“熱”が、明らかにACEのが凄かった…。だから会場内の全部を見てみようという気になってしまいます。
如実に違うのが会場内の雑音で、ACEは大小のブースがPVを流してたり放送を行ってたりしたので、様々な音が重なって、ゴウォォォォンッみたいな固まりになって響いてるんですよ。TAFはもっと静かだった。
一応は宣伝広告の仕事をして見本市出展した事もある経験者なので、もしもどちらかに出展するとしたら? きっとACEを選ぶと思います。
・「アニメコンテンツエキスポ2013」開幕、ステージも通路も人がギッシリ -GIGAZINE
・2大アニメイベントTAF2013とACE2013の来場者数を比較、どの程度混雑していたのか?(2013版) -GIGAZINE
元はTAFを主催しながら漫画アニメ文化を見下げた(あと是非は置いといて領土問題で強硬論を唱えた)、東京都の態度から出た騒動です。
出展企業のACEへの分裂と、海外バイヤーの減少。この二つにより転換を迫られる東京国際アニメフェア。
ビジネスの場と割り切って商談の機会づくりに事に特化するのか、それともアニメファンの祭典として巨大化させるのか。あるいは二つ同時に目指すのか。
どちらにしろ、信頼関係は欲しいです。
プリキュアショーやコスプレの解禁だけでは、再浮上は難しいのではないかと見えます。
[関連記事]
・ 東京ゲームショウとコスプレのカンケイ史1~見本市の中のファン活動
・ 東京ゲームショウとコスプレのカンケイ史2~そしてコスイベ化
[ ↓ 書いた人のアカウント]
ツイッター ・ mixi ・ cure
(どんな感想でも、投げて頂けると、一通り読みます)
2011年、分裂騒動。
前年末に東京都青少年健全育成条例が改正され、アニメ・漫画のみを狙い撃ちして過激な性表現への流通規制をかける内容と、その可決までの拙速な流れに対する抗議として、主に角川グループを中心にTAF出展をキャンセル、同日に幕張メッセでの「アニメコンテンツエキスポ」(ACE)を開催する旨が告知されました。
ビッグサイトと幕張メッセは直通ではないのでハシゴしにくいですし、アニメファンのTAFへの悪感情(というか都知事の「来なければいい。来年ほえ面をかいて来るよ」発言などなど…)もあって、この対決は注目を集めました。
しかし開催直前3/11に東日本大震災が発生し、両方とも中止を発表。いわば痛み分けとなりました。
2012年、TAFとACEは開催日を分けて開催。
この時、入場者数でいえばまだTAFが圧倒しましたが、開催日がビジネス/パブリックデーで4日間あるTAFと、一般向けの土日のみのACEは簡単には比較できません。
TAF来場者数は分裂前2010年の13万人から大幅に減少、9万8千人で、10万を割ります。
また、出展社数は200社台で横ばいでしたが、出展小間数は分裂前615小間から411小間へ。国内企業の大規模出展が減り、海外からの小スペース出展が増えたので、出展社は増えても小間が減ったそうです。
いかんせん、公称ではACEよりも多かったとはいえ、TAFが分裂する2年前に比べて大幅な縮小を見せたのは事実です。
・ TAF=商談を前提とした“見本市”(ビジネス/パブリックデー計4日間)
・ ACE=アニメファンの“祭典”(ビジネスデーなし2日間)
としての傾向が出来ました。
・アニメコンテンツエキスポと東京国際アニメフェアの来場者数比較検証、今後の両イベントの行方は?(2012版)-GIGAZIN
今年2013年…。
TAFの出展減が加速しました。今までは行政主導の見本市という事で、海外からの出展が多かったのも特長でしたが、前年の尖閣諸島国有化(元は都が購入しようとしたのが発端ですが)などを巡って対日感情の悪化した中国からの出展が激減しました。同じ理由で中国からのバイヤーなども急減が予想されました。 (事実そうなった)
そんなTAFが講じた策が、一般入場者の獲得作戦…という事でしょうか。余剰スペースに巨大なキッズコーナーや複数のステー ジを組み、プリキュアショウなど人気キャラクターや、各地方のゆるキャラ誘致、そして…「一般入場者のコスプレ解禁」「世界コスプレサミットの国内予選を開催」。
さて、冒頭の一文をもう一度。
「不振の商業施設、ならびに出展減の見本市や行政イベントは、コスプレによる集客や話題作りに走るという法則!」
日本全国、バブルの頃にうっかり作ってしまった人の来ないテーマパークや、田舎の観光地のお祭りが、コスプレイベントを誘致して話題性や人集めを行おうとする例は、沢山あります。
(運営にコスプレを分かってる人がいなくって、やってみて失敗する例も沢山あります)
かの東京ゲームショウが、リーマンショックを経た2009年以降に大幅な出展減を迎え、見本市としての役割よりも声優のトークショウやミニライブ、コスプ レエリアの拡大や、中夜祭的なコスプレのショウを開催し、見本市から“ゲームファンの祭典”に軸足を移す事で、ライトなオタクやコスプレイヤーやその見物客の動員を図っていったのと、似た構図ですね。
そして、当日…
ハイ、ここからようやく当日の話です。
分裂前の光景を知らないので比較する事ができないですが、正直、パブリックデーに関しては会場の熱は低いと感じました。
前述のように出展減により発生した余剰スペースは、キッズコーナーやステージ設置、あるいは地方自治体のブースを誘致して埋めていたのですが、そのステージ企画も殆どにおいて事前発行の整理券が当日まで残っていた事を考えると、大幅な集客効果は無かったと思います。
もっとも、見本市であり商談の場として捉えれば、ビジネスデーの存在意義の方がまだまだ大きいのでしょうが。
■ 会場内もろもろ ■





TVアニメ50年史コーナーには、オモチャやキャラグッズの展示。

クローバー社のガンダムDX合体セット。玩具不振により3クールでの打ち切りが決まっていたガンダムは、後期に投入されたこの商品(Gアーマーとのセット)のヒットにより若干の延命が叶った。
なおクローバーはダンバイン放送中の83年に倒産。

昔はアニメの商品化=子供向け玩具だったが、今やエヴァの目薬等、他ブランドとの“コラボ”が主軸になりつつある。

話題のパトレイバー実写告知はこの巨大パネルのみ。


ゆるキャラがたくさん。東京都交通局とあらん。
静岡のハンバーグ協会ハンバーグマのグーグー。


キッズコーナーのドキドキ!プリキュアショウ。東映アニメキャラの等身大人形。
(業界最大手の東映アニメはACEではなくTAFのみ出展)

サザエさん…。

ワイルドタイガーとバーナビーのヒーロースーツが握手会でもみくちゃに。





放送30周年を迎えた「魔法の天使クリーミィマミ」の歴代グッズ展示。
現在出ているアクセサリーやストラップ類はどちらかと言うと、オモチャを大人っぽくした的なものであって、大人の女性が身につけるには微妙なセンスの物が多い…と、友人談。
■ 一般入場のコスプレ解禁について ■
・東京国際アニメフェア2013 来場者10万人目指す コスプレエリアを初導入-アニメ!アニメ!
・TAF公式のコスプレページ
今回の解禁で、コスプレ&撮影に関する規約がどうなるか注目しておりました。行政の絡むイベントは保守的なので。
なかなか練った規約だと思います。
着ぐるみや女装などを安易に禁止せず、また武器類なども「大型」のサイズ基準を定義づけていて、移動時に分解する事やコスプレエリア内のみで使用する事を求めています。
禁止禁止ではなく、何をどうすれば可になるのかを示しているので、ここに関しては率直に評価申し上げたいです。
ただ、現場での運用や空気がどうだったかというと…。
まず、解禁しても最初からレイヤーが大挙して参加する事はあり得ません。レイヤーは口コミを重視しますから。
どうしても主催の東京都自体が青少年条例騒動でオタクから嫌われていますし、そもそも現在のTAFにコスプレして参加するメリットが無いからです。出展が小学館や任天堂など児童向け作品の版元が多いですし、独特の撮影ロケーションがある訳でもないですから。
更衣室は相応の面積と床シートが敷かれて好環境でしたが、更衣室から一歩出ると非常に周囲からの無断撮影が多いです。コスプレエリアですら。
客は初めてコスプレイヤーに直に触れる人が多いので、コンパニオンの様な物だと思い込み、撮る前に一言かけるという基本的なマナーが共有されていません。そしてそれを注意する様なスタッフも居ません。
どれだけルールを作ろうと、それが共有され、運用されなければ意味がありません。
コスプレエリア…というか会場全体、“レイヤーにとって居心地の悪い空間”になってしまっていた気がします。
この日は東京ドームシティでも大型コスプレイベントがあり、また時期的に“桜ロケ”の予定が入っている頃ですから、TAFがコスプレを解禁しても、レイヤーを大量動員する事は出来ません。
少数のレイヤーが、会場内で浮いた感じになってしまった感は否めません。
これを軌道修正しながら続けて、徐々に動員を獲得していくのかは、分かりません。
■ 世界コスプレサミット東京予選について ■
元はコスプレ界の人達ではなくTV愛知とPCショップによる2003年からの番組企画でしたが、2005年の愛知万博の波に乗って拡大を重ね、今や外務省 (ポップカルチャー外交)、経産省(クールジャパン戦略)、国交省(観光振興)まで大小様々な行政機関が乗っかってる、(利権渦巻く)巨大イベントです。
その日本代表選考会=国内予選の東京予選会をTAF内で行う、というアナウンスがされたのは一月前でした。
ハッキリ言います。告知が遅過ぎます。
運営のグダグダは毎年ですが、なまじTAFとコラボしたためにTAFの都合の内側でしか動けず、そのために正式発表が2/20。予選出場たった5組。
大規模イベントとコラボする事の難しさが見えた気がします。
それでも当日は用意された300席が埋まり、立見も約100人入る超満員状態。
TAF内の企画としては充分、成功した方だと思います。
※ ちなみに本記事は元はコスサミ予選のレポ記事でしたが、色々増えていったので、結局TAFとコスサミ予選は分けて、後者のレポは次記事に上げます。書きたい事が沢山あるので。
・【レポート】コスプレイヤー集結!「東京国際アニメフェア2013」で世界コスプレサミット予選開催、 日本代表選考会へ進んだのは?-マイナビニュース
・【TAF2013】「世界コスプレサミット2013」TAF予選大会開催 岸田メル重大発表も-2IS (つーいず)
・【TAF2013】「世界コスプレサミット2013 日本代表選考会 東京国際アニメフェア予選」に行ってきました!-声旬!
■ ACEとも簡単に比較してみた ■
翌週3/31のACEも見に行って来ました。
驚きました。会場の“熱”が全然違う!
元々、商談の見本市がTAF、ファンの祭典がACEという傾向なので単純な比較はできないのですが…。
正直、出展側の「これを見て!もっと見て!」、来場者の「アレが見たい!全部見たい!」とゆー“熱”が、明らかにACEのが凄かった…。だから会場内の全部を見てみようという気になってしまいます。
如実に違うのが会場内の雑音で、ACEは大小のブースがPVを流してたり放送を行ってたりしたので、様々な音が重なって、ゴウォォォォンッみたいな固まりになって響いてるんですよ。TAFはもっと静かだった。
一応は宣伝広告の仕事をして見本市出展した事もある経験者なので、もしもどちらかに出展するとしたら? きっとACEを選ぶと思います。
・「アニメコンテンツエキスポ2013」開幕、ステージも通路も人がギッシリ -GIGAZINE
・2大アニメイベントTAF2013とACE2013の来場者数を比較、どの程度混雑していたのか?(2013版) -GIGAZINE
元はTAFを主催しながら漫画アニメ文化を見下げた(あと是非は置いといて領土問題で強硬論を唱えた)、東京都の態度から出た騒動です。
出展企業のACEへの分裂と、海外バイヤーの減少。この二つにより転換を迫られる東京国際アニメフェア。
ビジネスの場と割り切って商談の機会づくりに事に特化するのか、それともアニメファンの祭典として巨大化させるのか。あるいは二つ同時に目指すのか。
どちらにしろ、信頼関係は欲しいです。
プリキュアショーやコスプレの解禁だけでは、再浮上は難しいのではないかと見えます。
[関連記事]
・ 東京ゲームショウとコスプレのカンケイ史1~見本市の中のファン活動
・ 東京ゲームショウとコスプレのカンケイ史2~そしてコスイベ化
[ ↓ 書いた人のアカウント]
ツイッター ・ mixi ・ cure
(どんな感想でも、投げて頂けると、一通り読みます)
確かに立ち見も出ましたが、3組目をやる頃には1/3が帰って行きました。逆に誤解生むよね。一応コメントで報告。