[アバンタイトル]
 歴史的経緯から話すと、大阪は東京よりも先駆けて、コスプレでの動的なパフォーマンスが盛んでありました。
(と言っても全体的には東京同様、写真表現の方が圧倒的主流であった事は間違いない)
 土地柄もあったのか、関西圏では神戸コスプレコレクションや六甲コスプレアイランドといったステージパフォーマンスのイベントが以前から定期的に開催されていたため、つまり発表の機会があるという事は、挑戦しようという人達も比較的多かったのでした。
 また、コスサミの09-11年の日本代表6人中5人が所属する“CosPAfo”が大阪を拠点にしている事もあって、お手本の様な存在であったかもしれません。
(彼女達がコスプレのステージ公演を有料で開催してる事には賛否もあるのだけども)

 さて、コスサミ予選会に限った話をすると、昨年2012年は大阪予選は日本橋ストリートフェスタ内で開催し、4チームが出場してました。しかし今年はストフェスの日程が東京予選(東京国際アニメフェア)と被ったためかスライドし、この日、大阪のコスプレイヤーにはおなじみの造船所跡地内のスタジオ・パナルティッタで5/18に開催されるに至ったのであります。
 毎回言うように今年はコスサミの国内予選がコスサミ実行委員会から分業され、COSSANにより管轄されている。

 フタを開けてみれば出場は僅かに3チーム。
 去年までの大阪予選に出たチームはいずれも出場せず。良く言うなら、その全てが初出場のフレッシュなチームによって争われる事となりました。
 …今回は大手メディアの取材が無かったんで、個人ブログで詳細書かないと記録に残らないと思うの。さて…

[やや追記] 日本はコスプレ先進国ですが、コスプレのステージやパフォーマンスに関しては後進国です。90年代以降、会場や警察との兼ね合いから動的なパフォーマンスが禁止されていた時期が長かったので、写真表現に偏り、いわばガラパゴス化してるんです。もちろん良い意味でもありますが。その中で楽しんでる訳だし。

「曲がり角の東京国際アニメフェアのコスプレ解禁を読む」 
世界コスプレサミット2013予選レポ,東京国際アニメフェア編 
世界コスプレサミット2013予選レポ,名古屋編 
世界コスプレサミット2013予選レポ,ニコニコ超会議編+α 
 ~から続いております。

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■ 大阪予選~パナリティッタスタジオより ■

[審査員]
・ 海都〜kaito〜(wcs2012優勝チーム 士魂-SHIKON-)
・ 辻林克将(株式会社ハコスタ代表)
・ 吉田創(コスプレイヤーズアーカイブ運営(有)ふわり社長)
・ 柴田昭(COSSAN代表/wcs2013日本オーガナイザー)

 配点は「衣装10点/パフォーマンス10点/原作リスペクト5点」で、4人の審査員点数を合計。
 もし審査員のお名前間違えてたら誰か指摘をば。メモが間に合わなかったので。

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「ソードアートオンライン」 C's (ikema/そーし)
  私服の青年が舞台袖から歩いて来てパネルの後ろに隠れると「WELLCOME TO SWORD ART ONLINE」のロゴが上がって、パネルの後ろからアスナと、早変わりしたキリトが飛び出してくる。つまりプレイヤーがゲームの世界に入ってキャラに変身 する…というスタート。
 そして二人並んで、客席上空辺りに見立てたボスモンスターに対峙し、武器を振るってやっつける。
 ゲームのプレイ前から始まるというアイデアがすごく面白い。イケマさんはストリートパフォーマンスもやっているそうな。
 審査員の海都氏「ゲーム前の楽しみにしてる少年みたいな、ドアを開ける手の動きとか、演技がすごく細かい」
 
34
「少女革命ウテナ」 BarN!(鷹宮弥月/黒揚羽アリス)
 バラの鎖に捕われたアンシーを救い出すため、ウテナが剣を振るう。
 今回のチームでは唯一、ステージ経験が無い二人で、住所が離れているため併せたのも2回しかなかったとの事。それでいてこれだけ作れたら立派!
 緊張している感じと、無事に終わってホッとしている感じがすごく分かり易かった。そして何よりも、ウテナという作品を好きなんだという熱意が。
(近年のコスサミがメジャー作品を選んで審査点を勝ち得る事に注力してしまい、忘れつつある部分…ジッと手を見る。反省)
 審査員の柴田氏 「毎年、何万人というコスプレイヤーさんを見るのですけど、衣装とかよりも演技中の表情、楽しい・好きなんだなーという部分を見ています。それがすごく出ていました」
 なお、この演技中にカメラが微妙に手ブレしていると思ったら、宮城県沖で震度5強の地震が発生していたのであった。大阪まで到達していたか…。

56
「キングダムハーツ」 流光 (寅之助/倉林ナオ)
 ソラがハートレス(敵)を追う所からスタート。
 そして早変わりして登場したソラと、リクがキーブレードで高速の剣劇とアクション。背落ち(後ろ向きにバンッと落ちて受け身をとるアクション)まで披露。
 ソラが扉の奥から出て来ようとするハートレスを押さえ、リクを残して扉を締める所でエンド。
 技術的には今回で最も高い…というより、圧倒的に練習量が多いのが分かる。
 彼女らはTAF代表のチーム桜星と同門、潮見組で稽古を積んだチーム。本来はニコニコ超会議予選に出場する筈が、諸般の事情で大阪予選にスライドしたとか。
 柴田氏「一つだけ、練習量は嘘をつかないと思う」

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 さて、全チームがいわゆる剣劇でしたが、ソードアートは二人が共闘して巨大な敵と戦う内容、ウテナはバラの鎖を断ち切っていく内容、キンハーは対決…と、バリエーションは分かれておりました。

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 この集計中に岸田メル先生デザインのキャラ画パネルが(毎度ですが)紹介されましたが、本日の最新情報として、各キャラのメカっぽい右腕にはカメラが内蔵されているという設定が。
 ちなみに二次創作フリーだそうですが、キャラ画だけ有ってもオタクの思い入れは湧かないので、どうやってファンから肉付けされていくのか…は今後の舵取り、というか燃料投下にかかってくると思います。

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 さて、大阪代表に選出されたのはキンハーのチーム流光!
 東京から来ていたチームですが、超会議の仇を大阪で討ったか…!

 そして敗れたものの、ソードアートのikemaさんがすごく楽しそうにしていたのが印象的でした。こーゆーステージでコスプレでの演技を披露するのが楽しいんだって事、原点の部分を思い出させてくれましたね…。→ブログ 
 ウテナの鷹宮さんも、好きな作品の一部に成りきって楽しむのがコスプレなんだという、原点の部分を…(以下同文)
 いや、どうしても最近は自分も、純粋なコスプレじゃなくって、勝ち負けに拘っちゃってたからさ…。

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 こっから先は例によって能書きたれるよ!
 
5月末現在、今まだ予選期間中なので、あんまり批判的にならないよう、問題提議に留めておきます。

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■ 観客動員の難しさ…レイヤーは他人のステージを見ない ■

 この大阪予選の観客は30人くらい…4つの地方予選では最も少ない、1ケタ下の動員でした。他の予選会は200~300人は動員してましたから。
 開始前にはスタッフから敷地内で撮影してたレイヤーに「ステージが始まりますのでよろしければご覧ください」と呼びかけていましたが、効果は大きくなかったようです。
 そして終演と同時にスタジオに入っていったグループも…つまり、ステージで撮影したいけど予選会には興味無かったので終わるのを外で待っていた人達、ですね。

 「レイヤーは他のレイヤーのステージを見たがらないな」と、つくづく思います。
 基本的に自己愛が強い生き物なので、同じキャラの衣装でステージの上に立つ立場と見上げる立場に分かれる事は、後者としては気分が良くありません。

 東京国際アニメフェア・ニコニコ超会議・名古屋久喜通り公園の予選会では、通りかかった一般人やユルオタ層が客席を埋めてくれましたが、この造船所はクローズされた場所で、特にガッツリ撮影派のレイヤーしか来ませんから、他人のステージに興味が無かった訳です。
 観客が少ないという事は、頑張って練習したり造型したりした成果が、人の目に触れずメモリーにも残らないという事で、残念な事です。


ストフェス2012_213large
 昨年2012年の大阪予選は歩行者天国内だったので、ステージも無く大道具も使用禁止だったが、ストフェスの一般客で非常に賑わっていた。

12
 今年2013年はちゃんとしたスタジオを借りて開催されたので、環境は非常に良かったが、会場付近にレイヤーしか居ないので見に来てくれる観客が非常に少なかった。

 ↑ってな事を比較論で考えると、限られた条件の中でステージ環境の良し悪しと観てくれる人の存在って、バランス難しいなぁと痛感しました。

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■ 予選会のコストを余計なお世話で考える ■

 今年始まってからおぼろげに思っていた事が、何となく言葉になって来たので。
 あくまでここ数年の傾向と比べてですが、「今年の国内予選はコスト(お金も労力も)かかり過ぎじゃないのか?」
 この日だけで造船所跡地を借りるための費用、加えてパナルティッタスタジオを借りるための費用、そして東京の知ってる顔なスタッフが来ているという事は相応の交通費…。
 それでいて収入は更衣室登録やカメラ登録の分だけだと考えたら、造船所の参加人数はザッと数えて100数十人程度だったと見えました。

 4月の名古屋予選だって場所は公園でステージこそ簡易でしたが、控室用の大型テントや音響設備、客席用のベンチ、またケータリングの屋台を呼ぶのだって、相当のお金がかかった筈です。
 今年の国内予選を管轄したCOSSANが広範囲でイベント開催してると言っても東京が本拠地ですし、関西や中京圏が地元のイベンターに比べたら出張経費がかかるでしょうし。
(昨年の大阪予選なんて前述の通り、ホコ天の一部をステージ代わりにポールで区切っただけで、観客は全員立見という低予算っぷりだったのに)

 …それらコスト(お金や労力)はどうやって捻出されているのか?
 TV愛知の他にも多数の周辺企業、省庁や自治体までが関わっている筈の“世界コスプレサミット実行委員会”およびその中核のコスプレサミット事務局(以前はTV愛知内に存在した筈ですが、現在は(株)WCSがそれに当たるのかな?)は、しかし国内予選に関してはまるで力を入れていなかった事は、ここ数年の公然でありました。
  実行委員会にとってのコスサミとは、あくまで8月のあの時期の…“海外代表チームを多数招待し、省庁を表敬訪問し、パレードを行い、チャンピオンシップで 優勝国を決め、特番で放送し、名古屋に大勢の人を集める”…という催しであって、特にリーマンショック以降の国内予選に関しては、いつやってるんだか分からないような小規模な催しになっておりました。
(09,10年度に至っては、チャンピオンシップ決勝当日になって日本代表選考会を行っていたのだよ…)
 昨年と今年で急拡大し、規模だけは一見、昔のように大きくなりましたが…。

 しかし国内予選にちゃんとしたスポンサーは無く、観覧も有料ではありません。ブラザー工業さんが賞品にミシン提供してくれてるくらいでしょうか。
 どこかでその分、負担がかかっている筈ですよね…?

・ TAF超会議予選では他の大型イベント内のステージを借りて併催したため、交渉部分の労力が上がり、情報発表の遅れやニコ生の急遽中止が起こった。
・ 名古屋大阪予選では自前のイベント内にステージを設置して開催したため、経費部分の負荷が上がった。

 …事務局側も国内予選を軽視し過ぎだし、請負ったCOSSAN側だってもっと負担の少ないやり方、あったんじゃないかなー…。
 「世界」を冠し、巨大企業がスポンサードし、公的機関が協力し、莫大な経済効果をもたらすイベントが、しかし現場レベルではボランティア精神や手弁当でスタッフに支えられている…なんて現象は沢山ありますが、あんまり肯定したくありません。

 TAF、名古屋、超会議…と見るうちに、僕が運営(現場のね)への批判的な事を書かなくなったのもこの辺の理由なんですけどね。だって知ってる人達がどんどん疲れていってるんだもの。みんな。
 一年前の自分が今の自分を見たら言うでしょうね。「保身に走りやがって!」って。
 
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 もう一つ、そのコスト高騰をハード面の整備だと考えると、ソフト面の…出場チームが全然増えてないんですよね。
 重複出場を省いて、昨年は東京・大阪予選の2回で合計15チーム。今年はTAF・名古屋・超会議・大阪予選の4回で合計15チーム。機会は倍に増えても出場者は同数…。
(超会議予選だけ書類選考落ちが非常に多かったらしいですが、それはコスサミにではなく、超会議のステージに立ちたいって人達の応募が多くて、趣旨を分かってない申込を落としたとか…)

 この“予選会が増えたのに出場が増えない現象”は、全部終わった後でまとめて考えたいです。
 まぁ、有り体に言うと、「出場者を使い捨てにした」「運営への不信感」からなんですけど。
(だから今まだWEB予選中なんだって)

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■ とにかく、見に来てほしいのです ■

 んでね。
 ここからは読者のみなさんへの個人的なお願いで。
 
いつもながら何かの公式見解とかでは、一切無いです。

 見に来てください。
 とにかく、一個人として出来る事はそれを訴えるしかありませんから。
 基本的に出場者も運営も、多くの人に見てもらいたいので、そのために頑張っている訳です。どうせ最終的に選ばれるのは1チームだけで、残りは落ちるんです。名誉が残らないならせめて大勢の記憶に残してもらいたいのが人情です。

 正直、今のやり方は出場者にも現場スタッフにも、過度の負担とリスクを求めちゃってるように思えてなりません。そしてそのリターンが殆ど無いのです。
 変えようとするには、コスサミの国内予選が独立した一個のイベントとして話題になって、面白がられて、見たいor出たい人が増えて、経済効果を生む…となった時に、ようやく事態が好転できる気がします。難しいけどね。

 ぶっちゃけ、どこかの大人達がコスプレを利用しようとしてても構わんですよ。
 全体が規模拡大して、WinWinの関係が成立するならね。

 最終選考は6/16池袋西口公園、WEB予選代表2組を加えた、全6チームが決戦します。

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WCS WEB予選登録チーム一覧-あにスタ 
 そして最後にコスサWEB予選開催中↑です。登録して頂くと、6/2まで一日一票を投票できます。 
 別にウチじゃなくって構わないので、面白いと思ったチームに入れてください。

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