池袋ハロウィンの9/16リアル開催中止発表をもって、悪い言い方すれば年内の大型コスプレイベントはほぼ全滅が確定。
振り返れば3月以降、コスプレメインの大型イベントとしては日本橋ストリートフェスタ、ラグコス春、ホココス春秋、世界コスプレサミット、アニ玉祭、刈谷アニメコレクション、立川あにきゃん、豊橋ぽぷかる、川崎ハロウィン、富士山コスプレ世界大会などなど中止。

世界コスプレサミットのメイン会場だった名古屋市オアシス21。開催期間中の動員30万人なんて大見栄を切っちゃうからイカン…。
パターンとしては、市区町村や都道府県や省庁といった行政機関の協賛や後援を受け、〝町おこし〟名目で地域の公園や歩行者天国を広範囲に使い、オタク向けでない一般企業や公的団体がスポンサーとして出展し、地元出身の政治家らが挨拶に来たり、有名人がコスプレして出演したり、一般人の見物客向けにダンスやアクションのパフォーマンスがあったり、大手マスコミが取材に来て地域ニュースとして伝えたり、芸能系ネットニュースが「美人コスプレイヤー集合!」みたいな記事で安価にPVを稼いだり…。
一方で、主催側・運営側が、「参加者の方を向かなくなった」感があったのも事実でした。
言い方を変えれば、元は「誰でも参加」「全員主役!」でコスプレイヤーのためのイベントであった・もしくはコスプレイヤーのためにあるべきだったイベントの筈が、次第に集金・集客対象をずらして「コスプレイヤーを使って金を稼ごう」になっていったのではないかという意味です。
商業主義は悪くないです。主催企業や団体はそれで儲けが出るから社員を食わせたり、もしもの事故に備えてイベント保険にも入れる訳で、慈善事業じゃないので。
特設ステージで政治家がコスプレ姿で演説して、スポンサー企業の偉い人が挨拶して、芸能人が何かの宣伝を兼ねて出演して、大手マスコミが取材して。
その脇で更衣室待ちの行列に(参加費を払ってる)参加者を何時間も並ばせて熱中症を複数出してたり、半裸の一部コスプレイヤーがステータス的に作る撮影列や囲み撮影で通路がふさがって公共スペースまで通行できなくなったり、痴漢や不審者が絶えず報告されたり。
参加者に望まれている対応をおざなりにして、拡大路線を走ってしまった部分は確かにあったでしょう。
それでいて主催者発表では毎回「参加者○万人!」「○○十万人!」という、明らかなインフレ数字が出てくる。
世界コスプレサミットの「世界最大級コスプレイベントに30万人」
池袋ハロウィンコスプレフェスの「日本最大級コスプレイベントに12万人」
他にも似たような主催者発表する所はあるのですけど、これらは明らかに行政やスポンサー向けに数字を年々インフレさせていった結果です。更衣室や撮影登録をした有料参加者じゃありません。
ショッピングモールや歩行者天国を使えば普段の土日から万人単位の買い物客が存在する訳で、それが見物人として扱われて上乗せされた数字でした。
よって〝人気コスプレイヤー撮影会〟(あるいは女性アイドルやモデルを呼んできてコスプレさせる類似企画)が、結果的にこれと類する〝コスプレを使って自分を売り込みたいコスプレイヤー〟や〝コスプレが撮りたい訳ではなく女性を撮りたいカメラマン〟を盛大に呼んでしまい、一時的には参加者数を押し上げたように見えるものの…。
これが起きた背景として、メディアの伝えるコスプレイヤーブームとは裏腹に、全国的にコスプレイヤーの数は頭打ちから減少傾向に入っている点が挙げられるかと。

信憑性のあるコスプレ更衣室登録数を発表してるのがコミックマーケットしかないのだが、やはり2015年を頂点に年々減っている。2019年からは4日間開催なのに、それ以前の3日間開催時よりも減。コスプレイヤーが右肩上がりに増えていく時期はとっくに終わっていた。
■「全方位型」イベントで、実は参加者が見えなくなる?
(拡大に伴って諸問題が改善されていけば違ったのだろうが、例えば池ハロ(ドワンゴ)は更衣室の混雑問題に対して、通常より高額の「プレミアム更衣室」を使えば快適…というようなナナメ方向の対応をしてしまった。 これはニコニコ動画の画質の悪さを改善せずに「プレミアム会員になれば高画質」という対応でユーザー流出を招いたドワンゴの悪癖)
拡大・巨大化。
それでも全体の拡大期であらばウヤムヤのまま済まされていたものが、コロナ禍で強制ブレーキがかかり、一気にほころびが出てしまった訳です。参加者数のインフレ発表とともに。もう、規模の拡大がマイナス要素になってしまった。
ある意味、再考する機会でもあります。
先日、池ハロがオンライン開催を発表して炎上したのは、これまで「全員主役!」って建前に参加費を払って一般参加してきたコスプレイヤーたちにとって、誰でも〝参加〟できる部分が殆どナシに、特定のコスプレイヤーだけが出演するであろう番組内容だけがアナウンスされたのでして、そりゃ反感を買いますでしょう。
フォローしとくと、おそらくはドワンゴ側で予定していたステージ企画を放送に置き換えたものを第一報として発表していて、懸案の「コスプレ討論会」も8月にニコニコネット超会議内の放送で好評だったから第2回をやるというだけなのですが、やはり一般的なコスプレイヤーからしたらその中に〝参加〟できる部分が無いんですよね。コスプレイヤーのためじゃなくって、ニコニコ動画ユーザー向けでしかない。
世界コスプレサミットがオンライン化を発表した時は、元々が海外代表チームのステージありきのイベントですし、同時にエアコスサミ用のハッシュタグや背景画像の配布を行ったのでまだ〝参加〟意識を刺激して許されたんだと思うのですが。
キレイ事であっても、コスプレイヤー向けのイベントならば「全員主役!」「誰も参加できる」が重要なんだと思う。
人気コスプレイヤー見るのが楽しい訳じゃありませんから。
■コロナ禍の先のイベントの形ってどうなるんでしょう
医者でも科学者でもないので素人考えですが、新型コロナウイルスってのはしばらく待ってれば収束(終息)するなんてモノじゃないと思うんですね。
世界中に広まったウイルス(天然痘のように外見での識別と隔離は困難)が短期間に消えるなんてのはあり得ないでしょう。ワクチンや治療法が全国民に行き渡るのもずっと先でしょう。
どの道、何年かは密を避け、人前でのマスク着用が求められるでしょう。前売券や事前予約で人数を制限しなくてはなりません。
コスプレイベントの更衣室なんてのはどうしても密になり易かったり、メイクスペースなんてマスクを外さないと使えません。
(この辺、おそらくは赤字覚悟で池袋サンシャインを手探り再開したアコスタは評価して良いと思う。好きじゃないんですけど。またアコスタだけでなく都内イベンターに小規模ずつ再開してもらいたい)
町おこし系で地域を広範囲に使う巨大コスプレイベントは、運営側と参加者がどんなに気を付けていても、歩行者天国やショッピングモールならば見物する地域住民から無症状感染によるクラスターが発生するかもしれず、どうしてもイベント側の運営や行政の責任が問われたり吊るし上げられたりするリスクが発生しますから、しばらくは限定された範囲や空間でのイベントが主流になるのでしょう。
今までのように行政が〝町おこし〟のために気前よく協力してくれるのは難しそうです。迂闊に関わって責任問題にしたくないでしょう。
イベンターは、規模を無制限に大きくせずに、どこの層に向けてアピールするか問われるかもしれません。
コスプレイベントの看板の下に全部、全方位向けにやるのは無理があります。
原点回帰でコスプレするのが好きとかコスプレして友達と遊びたい人やカメラマンを集めるのか。
地域のお祭りとコラボして見物客向けにパフォーマンス大会のような出し物の一環として行うのか。
グラビア系の人気コスプレイヤー呼んでカメラマン向けに撮影会形式でやるのか。
全部いっぺんにやるのはもう難しいので。
× × × × ×
あと夏以降に再開されたアコスタ池袋・埼玉たまアリ・東京タワーコスプレde海ごみ大作戦とか参加してますが、現場を見るに過去よりも男性レイヤー比率が増えてますね。
今まで男女比1:9か2:8だったのが、もうちょっと男性比率が高くなってる。都内で本格的な屋外イベントとなった東京タワーはもう半分くらい男性でした。
感染症に対しては男性の方が体力あったり普段から不衛生だったりなので、警戒心が低いってのもあるでしょう。女性レイヤーは万が一クラスター発生した際にネットで晒されて叩かれる学級会への懸念もあるでしょう。
人数が増やせない事や、男女比が変わる事、行政の大規模な協力が得にくくなる事、色々含めて曲がり角ですね。イベンターの方々に置かれましては、大変な時期だとお察しいたします。
もう、過去の成功体験再びではなく、いまできる形でのイベントをやってもらって、そこに自分は積極的に(自費で)参加しますので。
商業主義は否定してないって!儲けてもらわなきゃ継続できないじゃないですか。
■ついでに
× × × × ×
ついでに度々ですがまた書いとくと、メディアの煽ってるのは〝コスプレイヤーブーム〟であって、コスプレブームじゃありませんから。
[資料]
アーカイブニュース編集部が選ぶ2019年コスプレ界10大ニュース(後編)
振り返れば3月以降、コスプレメインの大型イベントとしては日本橋ストリートフェスタ、ラグコス春、ホココス春秋、世界コスプレサミット、アニ玉祭、刈谷アニメコレクション、立川あにきゃん、豊橋ぽぷかる、川崎ハロウィン、富士山コスプレ世界大会などなど中止。
コスプレを含む総合イベントとしてはアニメジャパン、ニコニコ超会議、コミックマーケット夏冬、東京ゲームショウ、ワンフェス秋、東京コミコンなどなど中止。
(上記には一部の縮小開催やオンライン開催を含みます… 会場をアーケード商店街から公園に移したら本当に富士山が見えるようになった富士山コスプレ世界大会とか)
新型コロナウイルスの影響が長引く中、同人誌即売会が赤ブーやYOUなど中規模程度までは再開しているのに比べ、コスプレイベントは小規模なものだけで、都市部での大型コスプレイベント再開はまだ遠いようです。
というか無理みたいです。
というか無理みたいです。
更衣室や撮影行列などどうしても密になりやすく、マスクも外してる係数が高いので。
色々なものを乗せて拡大路線をひた走ってきた巨大コスプレイベントに、曲がり角が来ています。
ふんぞり返って個人的な考えを書いておきます。6000文字ほど。

世界コスプレサミットのメイン会場だった名古屋市オアシス21。開催期間中の動員30万人なんて大見栄を切っちゃうからイカン…。
思えばこの10年程度、コスプレイベントは政治や行政を巻き込み、規模としてもビジネスとしても巨大化し続けました。というか、巨大なコスプレイベントが複数立ち上がっていきました。
そういった巨大コスプレイベントを自分でも好んで遠征して遊んできましたし、殆どは一参加者だけど中には出演者扱いしてもらったイベントもありますから、大人の事情が絡み合ってるのも何となく片鱗くらいは見えてるつもりです。
パターンとしては、市区町村や都道府県や省庁といった行政機関の協賛や後援を受け、〝町おこし〟名目で地域の公園や歩行者天国を広範囲に使い、オタク向けでない一般企業や公的団体がスポンサーとして出展し、地元出身の政治家らが挨拶に来たり、有名人がコスプレして出演したり、一般人の見物客向けにダンスやアクションのパフォーマンスがあったり、大手マスコミが取材に来て地域ニュースとして伝えたり、芸能系ネットニュースが「美人コスプレイヤー集合!」みたいな記事で安価にPVを稼いだり…。
一方で、主催側・運営側が、「参加者の方を向かなくなった」感があったのも事実でした。
言い方を変えれば、元は「誰でも参加」「全員主役!」でコスプレイヤーのためのイベントであった・もしくはコスプレイヤーのためにあるべきだったイベントの筈が、次第に集金・集客対象をずらして「コスプレイヤーを使って金を稼ごう」になっていったのではないかという意味です。
商業主義は悪くないです。主催企業や団体はそれで儲けが出るから社員を食わせたり、もしもの事故に備えてイベント保険にも入れる訳で、慈善事業じゃないので。
でもそれが露骨になっていったら、せちがらい現実を忘れるために参加しているイベントで、その参加者に(容姿の優れているもの、金を稼ぐものが重用されるという)現実を見せつけるという不条理を起こします。
■巨大化の起こした不条理
よくよく考えたら、おかしい事も多々ありました。特設ステージで政治家がコスプレ姿で演説して、スポンサー企業の偉い人が挨拶して、芸能人が何かの宣伝を兼ねて出演して、大手マスコミが取材して。
その脇で更衣室待ちの行列に(参加費を払ってる)参加者を何時間も並ばせて熱中症を複数出してたり、半裸の一部コスプレイヤーがステータス的に作る撮影列や囲み撮影で通路がふさがって公共スペースまで通行できなくなったり、痴漢や不審者が絶えず報告されたり。
参加者に望まれている対応をおざなりにして、拡大路線を走ってしまった部分は確かにあったでしょう。
それでいて主催者発表では毎回「参加者○万人!」「○○十万人!」という、明らかなインフレ数字が出てくる。
世界コスプレサミットの「世界最大級コスプレイベントに30万人」
池袋ハロウィンコスプレフェスの「日本最大級コスプレイベントに12万人」
他にも似たような主催者発表する所はあるのですけど、これらは明らかに行政やスポンサー向けに数字を年々インフレさせていった結果です。更衣室や撮影登録をした有料参加者じゃありません。
ショッピングモールや歩行者天国を使えば普段の土日から万人単位の買い物客が存在する訳で、それが見物人として扱われて上乗せされた数字でした。
× × × × ×
また最近特に多くなっていたのが「人気コスプレイヤー出演」系の実質的な撮影会企画で、これが衣装やメイクがすごいとかパフォーマンスが面白い系のコスプレイヤー出演ならまだ分かります。
でも、代理店や芸能事務所からゴリ押しされたであろう週刊誌で下着グラビアやってます系の意味での〝人気コスプレイヤー〟を呼んで撮影会しちゃったりすると…なかなか大変な事になります。
だって彼女らの連れてくる客層が、コスプレを見たい・撮りたい人じゃありませんから。グラビアアイドルの低価格(無料)撮影会ノリで来ちゃうので、その中にはコスプレイヤーどころか女性への敬意がまったく欠けた人も一定数存在してしまい、これらは会場内で他の女性レイヤーへの痴漢やセクハラの原因となり、コスプレイヤーから見たイベント環境を大幅に悪化させます。これが意外と、運営側からは当事者意識として見えない部分かもしれません。よって〝人気コスプレイヤー撮影会〟(あるいは女性アイドルやモデルを呼んできてコスプレさせる類似企画)が、結果的にこれと類する〝コスプレを使って自分を売り込みたいコスプレイヤー〟や〝コスプレが撮りたい訳ではなく女性を撮りたいカメラマン〟を盛大に呼んでしまい、一時的には参加者数を押し上げたように見えるものの…。
もともと参加していた〝コスプレが好きなコスプレイヤーやカメラマン〟層を遠ざけてしまう、あるいは他に代替イベントが無いだけの消極的参加へとなってしまう訳です。
これが起きた背景として、メディアの伝えるコスプレイヤーブームとは裏腹に、全国的にコスプレイヤーの数は頭打ちから減少傾向に入っている点が挙げられるかと。
なので正直、コスプレイヤーを集めるよりも、女性を撮りたいカメラマン集める方が、集客手段としては安易なんですけどね。
(なお自分アピールのためのコスプレ自体は悪い訳ではなく、これは僕らがやってるウケ狙いのお笑いコスプレと似た感覚でしょうから、あくまで良い悪いではなく、違いの話です。悪いのは主にそれらを目当てにやってくる撮影者の中に、通路妨害や不届き者が一定数出てしまう事や、メディアが極めて偏った取り上げ方をしてしまう事であって)

信憑性のあるコスプレ更衣室登録数を発表してるのがコミックマーケットしかないのだが、やはり2015年を頂点に年々減っている。2019年からは4日間開催なのに、それ以前の3日間開催時よりも減。コスプレイヤーが右肩上がりに増えていく時期はとっくに終わっていた。
■「全方位型」イベントで、実は参加者が見えなくなる?
昨年のコスプレイヤーズアーカイブニュースでの「2019コスプレ10大ニュース座談会」、ここで池ハロを語る部分があって、ドワンゴ本体ではないけど近い位置で協賛しているコスプレビジネス企業の方々から『全方位型』という興味深い言葉が出てきます。
聞こえは良いのです。何故か座談会に呼ばれていた僕もこの時は何となく肯定的に話に加わっていますから。ここからはクルッと掌を返しますけど。
https://www.cosp.jp/news.aspx?id=580&p=4
最初は「コスプレイヤーのためのイベント」だったものが、都合よく言えば『全方位型』に拡大していく中で、ショーアップされたり、企業の思惑が入って来たり、政治家や有名人がコスプレしたり、マスコミ呼んだり、グラドル撮影会状態になったりしていく。
最初は「コスプレイヤーのためのイベント」だったものが、都合よく言えば『全方位型』に拡大していく中で、ショーアップされたり、企業の思惑が入って来たり、政治家や有名人がコスプレしたり、マスコミ呼んだり、グラドル撮影会状態になったりしていく。
そうすると実は最初に参加していた層からは「運営がコスプレイヤーの方を向かなくなった」と見られるようになる…。
拡大・巨大化。
そこに透ける企業、地域、政治、行政、芸能、報道の論理。
車でも乗員や荷物を増やしていくと、より多くの燃料が必要になります。
純粋にコスプレしたい人、コスプレして友達と集まって遊びたい人、コスプレを撮りたい人だけでなく…
コスプレを使って自分を売り込みたい人、コスプレではなく女性を撮りたい人も集める事で、あるいは政治家のパフォーマンスや企業プロモーションの場を与える事で…
参加者は、運営側は、引き換えに何を得たのだろうか。それでも全体の拡大期であらばウヤムヤのまま済まされていたものが、コロナ禍で強制ブレーキがかかり、一気にほころびが出てしまった訳です。参加者数のインフレ発表とともに。もう、規模の拡大がマイナス要素になってしまった。
ある意味、再考する機会でもあります。
先日、池ハロがオンライン開催を発表して炎上したのは、これまで「全員主役!」って建前に参加費を払って一般参加してきたコスプレイヤーたちにとって、誰でも〝参加〟できる部分が殆どナシに、特定のコスプレイヤーだけが出演するであろう番組内容だけがアナウンスされたのでして、そりゃ反感を買いますでしょう。
フォローしとくと、おそらくはドワンゴ側で予定していたステージ企画を放送に置き換えたものを第一報として発表していて、懸案の「コスプレ討論会」も8月にニコニコネット超会議内の放送で好評だったから第2回をやるというだけなのですが、やはり一般的なコスプレイヤーからしたらその中に〝参加〟できる部分が無いんですよね。コスプレイヤーのためじゃなくって、ニコニコ動画ユーザー向けでしかない。
世界コスプレサミットがオンライン化を発表した時は、元々が海外代表チームのステージありきのイベントですし、同時にエアコスサミ用のハッシュタグや背景画像の配布を行ったのでまだ〝参加〟意識を刺激して許されたんだと思うのですが。
キレイ事であっても、コスプレイヤー向けのイベントならば「全員主役!」「誰も参加できる」が重要なんだと思う。
人気コスプレイヤー見るのが楽しい訳じゃありませんから。
自分がコスプレして参加できるから楽しいんですよ。
医者でも科学者でもないので素人考えですが、新型コロナウイルスってのはしばらく待ってれば収束(終息)するなんてモノじゃないと思うんですね。
世界中に広まったウイルス(天然痘のように外見での識別と隔離は困難)が短期間に消えるなんてのはあり得ないでしょう。ワクチンや治療法が全国民に行き渡るのもずっと先でしょう。
どの道、何年かは密を避け、人前でのマスク着用が求められるでしょう。前売券や事前予約で人数を制限しなくてはなりません。
コスプレイベントの更衣室なんてのはどうしても密になり易かったり、メイクスペースなんてマスクを外さないと使えません。
(この辺、おそらくは赤字覚悟で池袋サンシャインを手探り再開したアコスタは評価して良いと思う。好きじゃないんですけど。またアコスタだけでなく都内イベンターに小規模ずつ再開してもらいたい)
町おこし系で地域を広範囲に使う巨大コスプレイベントは、運営側と参加者がどんなに気を付けていても、歩行者天国やショッピングモールならば見物する地域住民から無症状感染によるクラスターが発生するかもしれず、どうしてもイベント側の運営や行政の責任が問われたり吊るし上げられたりするリスクが発生しますから、しばらくは限定された範囲や空間でのイベントが主流になるのでしょう。
今までのように行政が〝町おこし〟のために気前よく協力してくれるのは難しそうです。迂闊に関わって責任問題にしたくないでしょう。
少なくとも、大きい事・人が多い事=良い事、ではなくなってしまった。
ここから先の世界では、感染対策に気を付けながら、遠征せずに地元開催の中小規模のイベントを探して参加していく流れが強まると思います。イベンターは、規模を無制限に大きくせずに、どこの層に向けてアピールするか問われるかもしれません。
コスプレイベントの看板の下に全部、全方位向けにやるのは無理があります。
原点回帰でコスプレするのが好きとかコスプレして友達と遊びたい人やカメラマンを集めるのか。
地域のお祭りとコラボして見物客向けにパフォーマンス大会のような出し物の一環として行うのか。
グラビア系の人気コスプレイヤー呼んでカメラマン向けに撮影会形式でやるのか。
全部いっぺんにやるのはもう難しいので。
× × × × ×
あと夏以降に再開されたアコスタ池袋・埼玉たまアリ・東京タワーコスプレde海ごみ大作戦とか参加してますが、現場を見るに過去よりも男性レイヤー比率が増えてますね。
今まで男女比1:9か2:8だったのが、もうちょっと男性比率が高くなってる。都内で本格的な屋外イベントとなった東京タワーはもう半分くらい男性でした。
感染症に対しては男性の方が体力あったり普段から不衛生だったりなので、警戒心が低いってのもあるでしょう。女性レイヤーは万が一クラスター発生した際にネットで晒されて叩かれる学級会への懸念もあるでしょう。
人数が増やせない事や、男女比が変わる事、行政の大規模な協力が得にくくなる事、色々含めて曲がり角ですね。イベンターの方々に置かれましては、大変な時期だとお察しいたします。
もう、過去の成功体験再びではなく、いまできる形でのイベントをやってもらって、そこに自分は積極的に(自費で)参加しますので。
商業主義は否定してないって!儲けてもらわなきゃ継続できないじゃないですか。
でも過去のような拡大路線はもう望めないのだから、どこを向くかはより明確にするべきですし、実際に参加費を出してやってくるコスプレイヤー(とカメラマン)の方を向くのであらばしっかり向いてほしい。
■ついでに
という訳で地元の中小規模イベント情報を得るには、コスプレイヤーズアーカイブのイベント情報検索ページが役立つと思います。SNSとしては過疎化が止まらないのですけど、イベント情報を地域や日付ごとに見られるのはここだけです。
サイト設計がPC時代の感覚のままなので、ツイッター対応してサムネイル画像やツイートボタン設置してほしいと勝手に要望してますが実装されないかなぁ。
https://www.cosp.jp/event_list.aspx
運営がClaps!(クラップス)という、推しレイヤー応援アプリ(大小コンテストやオーディションが常時開催され、投票側は課金で点数を増やせるのでパトロン合戦が起きやすい仕様)に注力しちゃってるせいかも~。https://www.cosp.jp/event_list.aspx
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ついでに度々ですがまた書いとくと、メディアの煽ってるのは〝コスプレイヤーブーム〟であって、コスプレブームじゃありませんから。
あくまで大手の広告代理店とか芸能事務所の都合で、特定の容姿の優れたコスプレイヤーを売り出す為でしかないんですね。
だからコスプレ的なスキルが優れた人を取り上げたり、コスプレの楽しさを伝えるものでは全くありません。
その膨らんだバブルがいずれ迎えるであろうカタストロフは、今から少しばかり楽しみにしておきます。
[資料]
コロナパニックでの中止・延期オタイベント備忘録 第1部 (5月の緊急事態宣言解除までのリアルタイム時系列。読むと気が重くなる)
アーカイブニュース編集部が選ぶ2019年コスプレ界10大ニュース(後編)