エア冬コミ!楽しみです。(2020.12記述)
 さて、歴史的に見るに準備会の公式記録だけしか残らないと、その時の細かい出来事や空気みたいなものって情報の洪水や雑音の中で埋もれてしまいそうなので、なるべく個人で集められる情報を定期的にまとめて〝書いて残す〟事にしております。

 この手のブログは毎回ご丁寧に「長い」「ダラダラ書きやがって」的な感想をいただくので、もう開き直ってダラダラ、つらつら、思う限りをまとまらずに書きまくる事にしました。約8000文字。
 冬コミ無くなって年末年始の虚無化した時間にでも読んでくださいませ。

 サークル申込ジャンルとして写真集の売買を前提とした〝コスプレ〟(ジャンルコード911)と、売買を伴わない表現活動としてのコスプレを扱います。防災公園問題とか、えげつない話は今回は外しました。

 昨今、何が起きているかは書くけど、別に断罪はしないのだ。
 ネットの世界は単純な悪者探しになりやすいので、そうじゃなくて構造として何がどうしてこうなったか、を記す事が目的。

■大前提として踏まえておくコスプレイヤー像のリアル

 まず「2.5次元の誘惑」辺りで仕入れた知識はどこかに仕舞っといてください。
 最近ホントにコスプレイヤーを描いた漫画が増えてるけど、あの辺でコスプレの世界を知ったつもりになってしまった人とはだいたい話が合わなくなります。
 もちろん漫画として面白いしフィクションで構わないんですけど、基本的には〝男性視点で理想化されたコスプレイヤー〟像になってる作品が多いので、ガチのコスプレイヤー側(男女とも)から見たらあんまりリアルに感じないのです。
 同じような理由で「野良カメコのピラミッド」も、作者のだよね氏本人が初回冒頭で本音を隠していないように、女の子への下心からコスプレイヤー撮影を始めた中年男性の悲哀が大変面白いのでありまして、あの作中に登場するレイヤーってコスプレ好きっていうよりも自分アピールしたいネットアイドル志向なんですよね。
 これら漫画としてすごく面白いです。でも、実態とは違ったり偏ってる(だから面白い)。
 そして週刊誌のグラビアに登場する〝超人気コスプレイヤー!〟みたいな人達ってのも殆ど下着みたいな格好してるし、ガチのコスプレイヤーから見ると「誰?」状態である場合が殆どです。知らんがな。

・コミケ含めコスプレ系イベント参加者の過半数は〝女性による男装表現〟
 同人誌でも女性作家による作品って男性キャラが多く描かれるのと同じ事で、自分の好きなキャラ選んで同じ恰好しようとすると必然的に〝女性レイヤーによる男装表現〟が最多数となる…のですが、コミケだとコスプレエリアに出てもあんまり相手されないし、露出レイヤー撮りに来たカメラマンからは邪魔扱いされて暴言吐かれるし…。
 そもそもエリアには出ずにホール内のサークルを回って本を売買したり〝交流〟に重きを置く人が多く、肌の露出度も低いのでまとめサイトにもネットニュースにも取り上げられず、大多数を形成してる割には認識されてない気がします。

・意外と不特定多数から撮られる事を避ける人も多い
 知らないカメラマンに撮られたくない、オカズに使われるなんて絶対イヤ…というのが当然あって、別に不特定多数に囲まれたり撮影列を作られる事を怖がるレイヤーは意外と多いのです。比率は不明ですが。
 こういう人も交流メインなのでコスプレエリアには出てきません。
 同人誌同様、コスプレイヤーも実際には「分かってる」間柄で楽しみたい人が圧倒的に多い世界です。
 なおネタ系や着ぐるみレイヤーは撮られるの大好きです。ハイ。

・コスプレイヤーだからって写真集は売ってないよ!
 コスプレ更衣室登録数が2019年だと夏コミ1万7000人・冬コミ2万5000人に対して、〝コスプレ〟ジャンルの参加サークルは2019冬・2020GW(中止)で600強です。
 コミケに参加するコスプレイヤーの内、ROMや冊子で写真集を売ってるのは夏冬で年間平均するとたった3~4%です。
 落選サークルもあれば、コスプレジャンルではなく原作ジャンルでサークル申込する人もいれば、コスプレジャンル内で型紙や撮影技法の本を出してる人もいるので比率はおおよその数字ですが、コスプレイヤーだからといって別に囲まれたい訳でも写真集を宣伝したい訳でもないというのは、イメージと実像の違いとして知られてほしい。
 同人誌が必ずしも売上目的で作られておらず、同好の士と繋がるために作られてるのと一緒です。承認欲求はあるけれど、イコール有名になりたい・稼ぎたいというのとは違う。

ビッグサイト三角形イメージ
さて、ようやく本題へ…


■傾向1:コスプレ更衣室登録数、やはり減少つづく
[更衣室登録数の推移]
コミケ_コスプレ一覧2019冬

コミケ_コスプレ一覧2019冬
 端的に事実のみ箇条書き。
・夏冬とも2015年を頂点に、更衣室登録数は一貫して減少傾向。
・2019年の夏冬は4日間開催だったにも関わらず、3日間開催だった頃よりも登録数減少。
・男性レイヤーはあまり変わらず、女性レイヤーの減少である。
・コスプレイヤー減少は少子化影響かと思いきや、コミケ全体の参加者数では拡大傾向が続いている。

[コミケ全体の参加者数に対するコスプレイヤー比率]
2014夏 3.7%
2015夏 4.1%
2016夏 3.9%
2017夏 4.1%
2018夏 3.4%
2019夏 2.3%(4日間)
※冬コミは年末の曜日によって全体の参加者数が変わってしまうため、夏コミのみで比較。

 で、これらは別の記事で書いた通り色々な理由が考えられて、大型イベントの乱立、軽装のスポーツ系作品の大ブームが無い、2.5次元舞台などのオタクビジネス多様化でコスプレ趣味の比重が下がった、メディア主導でコスプレイヤーに容姿での優劣基準を持ち込まれた忌避感、コスプレエリアがグラドル撮影会化して女性目当てのカメラマンが増えたため治安悪化etc…複合的な理由で参加しにくくなっている…と。
 他に舞台とか別の楽しい事を見つけて移行してるなら幸福な事ですし、まったく構わないのですが、何らかの理由でコスプレ参加をしにくくなってるとしたら…?

ポイント:
 統計上、コミケ参加者の内コスプレイヤーは3~4%程度であり、その参加コスプレイヤーの内コスプレ写真集などをサークルで売ってるのは3~4%程度。


■傾向2:急増の〝コスプレ〟サークル数 ~されど原作ジャンルへの移行も

 〝コスプレ〟ジャンルは2018冬で400サークル台、2019夏で300サークル台だったのが、2019冬と2020GW(中止)では600サークル台に拡大しています。
 その中身に関してよく見ると、サークルカットに「(原作やキャラ名)写真集」ではなく「(自分の名前)写真集」という風に表記しているサークルが増えています。何かしらモデル活動(あるいはネットアイドル志向)をしている女性が、コスプレ写真集の体裁で自身の写真集を販売して、副業にしているのかな?というケースが目立ってきました。別に悪い事だとも思いません。

 一方で〝コスプレ〟ジャンル以外でサークル申込して参加するようになったコスプレ写真集サークルも最近目立ちます。

 いわゆる〝コスプレ〟島は、かねてよりコスプレ写真というよりかはコスプレしたモデルの容姿を売りにしたネットアイドル・グラビアアイドル的な写真集が多かったというのがありまして、二次創作として、ファンアートとしてコスプレ写真集を作ってる人達にとっては、若干居心地が悪い場所でもありました。
 キャラの可愛さをアピールするために自分を素材にする人/自分の可愛さをアピールするためにキャラを素材にする人は、気持ち的には似て異なるものだからです。
 ただし売れやすく、ジャンル外の人にも認知されやすいのは後者です。
 あくまで「良い悪い」ではなく、「違い」の話です。

 このため、原作重視でファンアートとしてコスプレ写真集を販売するサークルは、例えばFGOとかハイキューとか原作ジャンルでサークル申込してそちらで写真集を販売するケースが少しずつ目立ってきました。
 本来はコスプレ写真集は申込ジャンルコード911〝コスプレ〟で申し込むようにアナウンスされているのですが、準備会の方もこれは黙認している様子。

 また原作寄りのコスプレ写真集であっても、複数のキャラを1サークルで扱ったり、サークルの創作性の部分が高い場合は〝コスプレ〟ジャンルでの申込がまだ主です。

 個人的には絶対数が少ないですが個人的に秘かに熱を感じてるのは女性レイヤーによる18禁BL写真集で、女性同士が男装して耽美な世界を表現するというもので、宝塚的なイメージで捉えると伝わるかもしれないですが、ファンを含めて熱い界隈だと思います。ただしサークル側も広く告知しようとはせず、分かってる同士間で楽しみたい空気が強いところなので、外からは見えにくい部分だと思います。

 以前にも書いたと思いますが、サークルのジャンルとしての〝コスプレ〟は、確かに問題もあったけれども面白いジャンルです。
 あくまで内容ではなく表現方法としてのジャンル分けなので、この中にはカワイイ・エロイ以外やファンアート以外にも、水中撮影やミニチュア合成や海外ロケなどなど、色んなものが詰まっているからです。
 ふらっと歩いてみると楽しいですよ。

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 一方〝コスプレ〟ジャンル内で2010~11年くらいに問題視された、局部うす消しを含む刑法上のワイセツ図画に該当が疑われるような過激なサークルもとっくの昔に減っており、コミケと同時期に別団体が開催している「コスホリック」が受け皿として上手く機能しています。
 身分証提示の年齢制限イベントなので、コミケが一般書店だとするとコスホリは専門書店位のポジションにあると思います。
 もちろんコスホリだって何でも売って良い訳ではないですが、過激なコスプレ写真集というか同人ポルノに関してはコスホリに移行したのは事実。
 仮にこの受け皿が壊れるような事があればコミケに何が逆流してくるか?を考えたら、上手く共存できていると思います。

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 ついでに、いわゆる〝プロコスプレイヤー〟のビジネスモデルって、公式版権の仕事ってのは数と機会が限られてるので、実際にはグラビアアイドルやコンパニオンを低コストに代替したのが現状です。
 週刊誌のセクシーグラビアでもネットニュースでも、とにかくメディアに名前と容姿を露出させて、そこからコミケで手売りする写真集やプロマイド販売につなげて利益を上げるというのが割と大きなウエイトを占めるそうで。
 しかしコスプレの出来よりも容姿が重要になるので、結局は賞味期限が限られてしまい、年齢とともに需要減退するのでより過激化してエロス方面に行く傾向があります。
 エロ自体は悪いものではなく、こだわりと覚悟ある人がやってるなら全く構わないのですが、実際はエロスへのこだわりよりも単純に「有名になりたい!」系の女子が持ち上げられていく内にハダカ要員になっちゃうのが通例なので、そこに目を背けて「コスプレイヤーが新しい職業に!」なんて言葉を真に受けるべきではありません。
 厳しい事を言うと、長期的に見たら〝コスプレイヤー〟という個別の職業としては成立していません。

 生き残ってる人達は必ずコスプレ以外に芸能・創作・資格などでスキルを持っていて、そこにコスプレを組み合わせてアピールする形になっているのですが(コスプレ芸人・コスプレ演奏家・コスプレダンサー・コスプレ漫画家・コスプレ弁護士etc)、それをできない人は結局はコスプレと称しつつ脱いでしまうケースが多いんですね。もう、これを20何年ずっと繰り返してる。

 で、もしもコミケが中止になるような事があれば、個人サークル(ぶっちゃけ所属事務所の主導で作ってるサークルもありましたが…)で出してる写真集の最大の販路を失いますから、このビジネスモデルは回らなくなるでしょう。本人による手売りからファンが買いに来るのに、通販で全部補う事はできませんから。
 もしそんな時には、別途コスROM系の大規模即売会が企業ベースで立ち上げられたりするかもしれません。

 でも、そんな簡単にコミケが中止されて写真集の販路を失う事なんて考えられないですけどね。
 未知のウイルスが感染爆発でも起こさない限りは。

DSC08325防災公園ワイド
関係ない写真ですがこの辺でようやく記事の半分です。


■傾向3:ネットニュースは相変わらずだが小さな変化も…

 近年、大手資本による芸能系ネットニュース(オリコンニュース、ニュースウォーカー、マイナビニュースなど)参入で、美人や露出度の高い女性レイヤーばっかり取材して「美人・セクシーコスプレイヤーがコミケに大集合!」みたいな見出しで記事化すれば、モデル料はタダでPV稼げてしまうという現象がありました。
 これに気づいて次々とネットニュースがコミケのコスプレイヤー記事に参入した結果、すぐに飽和状態を起こしました。
 だいたいコスプレ衣装の出来ではなく本人の容姿や露出度の高い女性レイヤーに価値を見出すので(女性による男装、そして男性レイヤーにはほとんど取材しない)対象がどこも似通ってしまい、速報性以外で差別化しにくいからです。
 そうなると次の段階では美人とかセクシー以外の要素でネタ探しを始めるもので、徐々にですがロボットや男性レイヤーも取り上げる傾向が生まれつつります。

 2018冬コミではKAI-YOUネットがORICOカードのCMのパロディをした長瀬智也の男性レイヤー(ネタ系)を取材しています。
 2019夏コミでは「男はつらいよ」車寅次郎のコスプレをした男性(を原作映画を知らずに撮影した人のツイート)がJ-CASTニュースに掲載され、後に2019年末公開の「おかえり寅さん」に向けて行われた『
寅さんファン感謝祭』イベントに二人が呼ばれるなど松竹の映画プロモーションに協力するに至りました。
 2019冬コミではオリコンニュースが一部ですがコミケに女性の取材者も投入しており、そうすると男性取材者とは違う視点が若干入りますし、男性レイヤーやネタ系レイヤーも記事に取り上げられるようになりました。
 また、2020秋頃は世間一般も巻き込んだ鬼滅ブームに乗っかって、各地で再開したコスプレイベントでの鬼滅コス合わせが大きく取り上げられる記事(おたくま経済新聞とか)もあり、変化の兆しがあります。もしも鬼滅ブームのままリアルに冬コミを迎えたらどうなっていたのでしょう?
 本当は放っておいてほしい気持ちもあるのですが、どうせなら取り上げるならコスプレの多様性という視点で、これらの傾向は好意的に捉えています。

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 とはいえネットニュースって全般的に男性向け価値観ってまだまだ根強いですから、美人・セクシー系が需要として大きいのはどうしても仕方ない部分があって、かなり差が開いて次点がロボットや甲冑やネタ系、あるいは流行り作品です。
 最初の方で書いた通り参加者の属性としては一番多い筈の〝女性レイヤーによる男装表現〟とかはまだまだ取り上げられにくいですね(アニメイトニュース辺りは割と女性視点でここにフォーカスしてる)。
 繰り返しですが男装レイヤーってそもそもエリアには出ずにホール内のサークルを回って本を売買したり〝交流〟に重きを置く人が多く、肌の露出度も低いので助平カメラマンには邪魔にされて、まとめサイトにもネットニュースにも取り上げられずなので。

 徐々に変わってほしいけど、やはり既存の価値観ってどんなものでも一朝一夕には変わらないんですよね…。別に露出系や容姿アピール手段としてのコスプレが悪い訳じゃないけど、メディアに取り上げるのはそれだけじゃなく、少しずつでも変わっていければ。
 世の中の価値観は変化していくには一朝一夕ではなく、時間がかかります。
 未知のウイルスが感染爆発でも起こさない限りは。


■傾向4:五輪シワ寄せでTFTがコミケ更衣室に~となりでコスプレ博が休止

 2019冬コミ12/28初日はTFT更衣室が混雑し、同12/29二日目はビッグサイト会議棟更衣室が混雑しました。
 特に三日目に雨天予報が出ていた事、四日目は防災公園が出初め式の準備で使用できない事で、二日目にコスプレイヤーが集中した結果、会議棟の方は最長2時間待ちくらい伸びてしまったそうで。自分は会議棟の行列に驚いてイチかバチかTFTの方に並んだら、午後だと40分くらい待ちで済みました。
 2つの更衣室は離れた場所であり、並ぼうとする参加者の振り分けも上手くいかなかったようです。別にどちらかのスタッフが不慣れだったとかではないです。知ってるベテランスタッフ(武闘派)はTFTの方で誘導してましたが。

 そしてここからはお台場をシマとする暴力団同士の抗争に関する話です(たぶん)。

 元々TFT東京ファッションタウンビルでは年に数回開催されている「コスプレ博」(勇者屋とC-NET主催)がありまして、2003年以降、コミケやスーパーコミックシティと同時期に開催される場合は「となりでコスプレ博」になります。なお最初期の2002年にはTFTではなくディファ有明でした。
 正直、端から見たら名前からしてコミケ便乗イベントに間違いないのですが、一方的に寄生してる訳じゃありませんでした。
 2011年からコミケはコスプレエリアを拡大して規制緩和路線に移行しますが、それまでは西屋上と庭園のみ撮影可エリアだったためすぐに参加者が溢れてしまうので、となコスがコスプレイヤーの受け皿になっていたという現実があります。

 エアコンが効いているのでコミケほど過酷ではなく、また専門誌のコスモードが取材ブースを作っていた事もあってレベルの高いレイヤーが多く参加しており、週刊誌の下着グラビアではなく、ちゃんとしたコスプレ専門誌のグラビアで有名なレイヤーも多く参加していたので、憧れの〇〇さんに会えるとか、年一で遠方の友人たちと挨拶できるとか、サロン的な雰囲気がありました。
 コスプレイヤー以外のカメラマンも同程度の参加費を払う必要があるので、絶対的にカメラマンというかギャラリーが少なく、ギャラリーありきの露出系やネタコスや着ぐるみはあまり参加してません。コスプレイヤーと民度高めのカメラマンとの交流が発生しやすく互いに認知しやすいので、副次的にコミケに比べて痴漢や盗撮の危険性も低くなる利点があります。

 コミケが2011年以降に規制緩和とエリア拡大を進める中でも、となコスが殆ど変らない参加者の規模で開催されてきたのは、それだけコミケとは違う楽しみ方を求めていた支持層があったからでしょう。

DSC01628

 しかし!降って湧いた東京五輪会場問題はその安寧の地を奪ったのでした。
 2019夏コミ前からビッグサイト東ホールが東京五輪データセンター用に占有・改装され、代りに仮設の青海展示場が稼働し、ビッグサイト~青海間が広範囲でコミケのイベント範囲になりましたが、TFT東京ファッションタウンビル(元は独立第三セクターでしたが経営難により株式会社東京ビッグサイト管轄へ移行)はその中間地点にあるので、コミケの範囲の中で別のイベントが開催されてるような状況が起きます。

 公式に語られた訳ではありませんが、導線など含めて周辺施設を一体で借り上げて運用した方が(東京ビッグサイトにとっても)都合が良いのは間違いないので、2019冬コミからついにTFTがコミケに借り上げられます。
 TFTを追われたとなコス側はお台場の東京ジョイポリスを借りて夜開催してた辺り、意地だろうと思います。
 コミケ側から見たら便乗イベントですが、となコス側から見たら他の時期にもずっとTFTでイベント開催してきた訳で、ナワバリを奪われた格好です。突然決まった話ではなく前々から進んでいたのでしょうが、これが不本意な扱いであった事は、となコス側は隠していません。

 結局、東京五輪が誘致計画でローコスト五輪を掲げて新規施設を建設しなかったために、甘い見通しで東京ビッグサイト東ホールを五輪データセンターとして改装して長期占有する事になってしまい、シワ寄せでコミケがビッグサイト南・西ホールと青海展示場(仮設)という離れたホールを一緒に使うために周辺施設のTFTも含めて一括で借りる事になり、となコスがTFTから弾き出されました。
 新規施設を作らなかった五輪のせいで会場を変更させられたコミケのせいで会場を使えなくなったとなコス
 大きなものの都合で、シワ寄せが次々と下へ下へ向かうという、まさに日本の縮図でした。

 いっそ、東京五輪ごとリセットされてくれないかという気持ちもありますが、今となっては有り得ないでしょうねー…。 
 未知のウイルスが感染爆発でも起こさない限りは。

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となりでコスプレ博祈念の碑。
碑文には「人類の夢とスポーツの発展のため犠牲となったイベント、ここに眠る」という、棲星怪獣ジャミラ的な一文が添えられている…。

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 とりあえず、ここまで!
 ダラダラつらつら、毒の無い話を書きましたが、もし年始に余力があったら第2部では「防災公園の無法地帯化」について書こうと思います(もうちょっと毒のある話なので今回は外した)。
 端的に言うと、
・庭園やエントランスエリアでは制限された露出衣装が、直接ビッグサイトが管理しない防災公園では制限されなかったために露出系レイヤーが移動。
・2019夏から求められた有料の参加証リストバンド購入が、コミケ占有ではない防災公園では求められていないので、タダで参加したがる民度の低いカメラマンが集中。
・時間帯指定してわざと巨大な撮影囲みや列を作り、そこにメディアの取材を入れる事で、タレントのプロモーションに利用されている。
…というような変な状況が重なってしまって、コスプレではなくグラドル無料撮影会ノリで参加しちゃう人が集まってしまい、それが副次的に痴漢やセクハラ報告の頻出に繋がってるだろうという話ですが。

 次のコミケが開催されるまでに文章にまとめたいです。
 未知のウイルスが感染爆発でも起こさない限りは。



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