2024年3月23日(土)、兵庫県は姫路市、アクリエひめじ「姫CON2024」特設ステージ…
 立錐の余地なく席を埋め尽くした観客200人超、その眼前にて決戦の火ぶたは切って落とされました。
 8月の世界コスプレサミット2024(WorldCosplaySummit=WCS)のチャンピオンシップ=コスプレ世界一決定戦(この是非は後で書く)に出場する代表チームを選出するための日本代表選考会。
 いわば採点による〝競技化したコスプレの戦いです。
 その全9チームによる国内決勝ステージの記録です。

 ちなみに前回2023年から日本予選の運営会社が、10年続いた株式会社ミネルバ(COSSAN)→ファルール株式会社に移行しており、これはイベント会社ではなく元日本代表チームのFRANさんによる個人会社なので、今回はコスサミ予選ステージを単独開催ではなく「姫CON」という姫路市も関わるサブカルイベントでのステージを借りる形となりました。昨年に引き続き地区予選なしでの国内決勝一発勝負です。
 実際は海外のコスサミ予選でも、当事国のゲームショウやニコニコ超会議のような大型イベントのステージを間借りしながら一発勝負で行われる事が多いので、それに近い形です。
 今回は残念ながら自分では出場できなかったので、観客席から見たレポになっております。毎年ながら優勝チームの情報を冒頭に書かずに、時系列に沿って読み進めていくとわかる書き方をしていますが、他意は無いっつてんだろ。


■WCS2024日本代表選考会(3/23アクリエひめじ「姫CON2024」)

0審査員
[今年の審査員]
 
左から、
・FRAN(WCS2013日本代表チーム。昨年より日本予選オーガナイザー就任)
・麗華(海外イベント出演やワークショップ多数。コスサミのご意見番的存在)
・K Cosplay(WCS2019オーストラリア代表チーム。現在は東京在住)
・Jill(WCS2016ロシア代表チーム。現在は愛知県在住)

※昨年同様に審査員は過去の代表チーム経験者やコスサミ関係者で、コスサミを〝わかってる〟人選。
※ツッコまれる前にフォローしますがWCS2022以降ロシア代表は不参加で、外務省後援イベントなのでそこは致し方ないのですが、個人的にはそこを恩讐を越えてシレッと参加再開させるコスサミであってほしいと願っています。

[主なルールと審査方法]
日本発のマンガ、アニメ、ゲーム、特撮のコスプレが条件。あくまで日本文化の発信。
二人一組2分30秒で、衣装点+パフォーマンス点の合計を競います。
○衣裳は自作が基本で、一部手伝ってもらうのはOK。写真や動画でレポート提出必須。
○大道具は3点まで。長編210cm、奥行90cmまで。ここは直接の審査項目ではないので他者の力を借りてもOK。
○ステージに持ち込める衣装・小道具・大道具の総重量40kgまで。
○衣装審査は別途、審査員のいる部屋でチーム毎に細かい部分をチェックして行われる。
○本年より「他イベントや公共の場も含めてマナー遵守。違反歴がある場合は申告する事」という旨で誓約書の提出が必要に。昨年の炎上沙汰を受けて…。

日本代表選考会 公式ルール 

ちなみに日本予選を優勝した後、コスサミ本体のチャンピオンシップではルールがもっと細かい。

1.「大乱闘スマッシュブラザーズ」 90’s(キューズ)[うさこ まー太郎]
1スマブラa
1スマブラb
1スマブラc
1スマブラd
 主に任天堂キャラが作品世界を越えて勢ぞろいするスマブラシリーズから、サムス(メトロイド)とキャプテンファルコン(F-ZERO)。互いに次々と武器やアイテムを繰り出してコミカルタッチにバトルを繰り広げる。

 ゲームっぽいナレーションや、途中途中で流れるBGMや効果音が8bit風になってたり、とにかく楽しい!
 造形力の高さに、ある種のチープさを交えて笑いに変えてくれるセンスが優れています。
 
2.「夏目友人帳」 ASSA[朋澤しほ Aim.] 
2夏目a
2夏目b
 レイコに名前を奪われた妖怪・菱垣のシーンから始まり、早替えで孫の夏目に。
 暴れる菱垣に対して、ニャンコ先生が斑のツメ(背景から前足が飛び出す)で攻撃。
「我を思いし者よ、その名を示せ!名を返そう…受けてくれ、菱垣!」
「レイコ…もう一人でも平気かい?」
「祖母はきっと、一人じゃなかったよ」
2夏目c
 座り込む夏目の傍らに、ニャンコ先生から正体に戻った斑が寄り添って終了。

 2分30秒で「夏目友人帳」の基本設定や世界観が伝わる、お試し版を見るような演目でした。
 
3.「SAMURAI DEEPER KYO」 Q月(きゅーがつ)[青華カナ 紅十六夜月]
3サムライa
3サムライb
 原作は00年代初頭にマガジン連載、テレ東でアニメ化もされている作品から、アキラと時人の対決。
 追い詰められたアキラ「私は二度と倒れはしない…氷影の聖母!(マリア)」
 時人は体の組織が壊れながら(ウィッグ早替え)「後悔するがいい…神に逆らった事を」
 時人は最後の力で蒼天銀星雲を放って…
3サムライc
3サムライd
 生き残ったのは時人。

 二刀流での剣劇バトルという、難しいアクションの再現に苦心したのが見えます。
 私見ですが高速で斬り合う芝居を本格的にやるのはやはり難しいので、スローモーションや見栄を切る動きを取り入れたら、よりメリハリがつくと思います。
 
4.「魔法少女まどか☆マギカ」 蒼穹のさゆり&狂樺[蒼穹のさゆり 狂樺]
4まどマギa
4まどマギb
4まどマギc
 さやか制服でのバイオリン演奏から魔法少女へ変身。
 そこへ杏子。「たった一度の奇跡のチャンスをくっだらねえ事に使い潰しやがって…」
4まどマギd
 戦いながら次第に心を病んでいくさやか、人魚の魔女へと姿を変えてしまった。

 さやかが幼馴染の怪我を治す代わりに闇落ちしていく過程に絞ってパフォーマンス化しており、他よりもダークな雰囲気で演出されています。
 
5.「もののけ姫」 MaLi[Salina まめた] 
5もののけ姫a
5もののけ姫b
5もののけ姫c
 サンとアシタカ、二人のシーンを映画のダイジェスト的に再構成して展開。
「私も人間だ。そなたも人間だ」
「ダメッ!寄るな!」
 森での出会いから対立、シシガミの首を取り返し、そして別れのシーンまで。
5もののけ姫d
 よく見るとサンの左腕とアシタカの右腕、ケロイド状のタタリ神の呪いが。
「アシタカは好きだ。でも、人間を許すことはできない」
「それでもいい。共に生きよう…」

 岩山に登ったり、背景の黒幕を外すと蘇った森が描かれてたり、今回の出場チームでは最も大道具が工夫されています。
 大道具そのものは得点対象ではないのが惜しい。
 2分30秒の中でボリュームたっぷりに詰め込まれて、もっと見たいと思わせる感覚がありました。

 
6.「メタルギア ライジング リベンジェンス」 誉[ツカス えにゃ]
6メタルギアa
6メタルギアb
6メタルギアc
 ジェットストリーム・サムの前に現れる雷電。
「無益な殺生は好まん」
「だろうな。で、次の戦争でどれだけ殺す?」
「金の話じゃない。理想の問題だ!」
 金属の剣がぶつかる効果音がアクションとピッタリのタイミングで入っており、稽古を重ねたのが伝わります。
6メタルギアe
「こいつはまさにサムライだったな…」
 サムの遺した剣を形見として構える雷電が実に絵になる。

 こういった甲冑での殺陣は関節が動きにくいのですが、そこを計算して造形されてるんでしょうね。効果音が上手くて視覚と聴覚が同時に心地良いです。
 
7.「NARUTO」 みおまよ[まめまよ みおし]
7ナルトa
 ナルトとサスケの全身を使ったアクロバティックな格闘戦、しかし相打ちで決着はつかず、そして…

7ナルトb
「お前の事も、火影になる事も、俺はあきらめねぇ!俺があきらめるのを、あきらめろ!」
 背景からガス音とともに何かムクムクと…

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7ナルトd
 バルーンの九喇嘛とスサノオ出現!背負って見得を切る。
 二人が節をつけて♪だってばよ~だってばよ~と歌ってるのは通称〝だってばよ音頭〟だそうです。
7ナルトe
 「じゃあな…俺の唯一の、友よ!」
 最後にサスケがナルトの手を握って、そしてナルトが七代目火影を襲名。

 全部のレベルが高いですが、このバルーンギミックはルールの隙間を上手く突いてて、大道具にサイズ規制はあるけど衣装と小道具にはサイズ規制が無いので(大道具と合計して総重量40kg規制のみ適用)、ガスを使ってバルーンを膨張させるのは日本予選では初のパターン、それぞれ約370パーツを切り張りしたという…ねぶた祭かよ!
 
8.「メイドインアビス」 Aru&Tiffany[aru Tiffany]
8メイドインアビスa
8メイドインアビスb
 リコとレグ、二人の旅をモノローグ調のナレーションと掛け合いで見せていく。
 レグの掌にはLED発光ギミック。
「一人だったら絶対ダメだった…レグのおかげでここまで来れたんだ!」
「リコがいたから…二人だから来れたんだ!」
8メイドインアビスc
 お互いにかけがいのない存在であると気づく。

 これはコスサミ予選の中ではかなり珍しい、登場キャラ同士にバトル要素の無い(ステージ上空に見立てた敵と戦ってるような描写はある)友情ドラマ。
 BGMが歌なのでセリフが被ってしまいよく聞こえなかったのですが、なんとなく表情や体全体を大きく使った演技で伝えてくれました。
 
9.「鬼滅の刃」 こころからはかた[雷さん⚡️だー 丹タキ]
9鬼滅a
9鬼滅b
9鬼滅c
 炭次郎と義勇の出会いのシーンから始まり、「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」から、後半は二人の殺陣と、そして火と水の激突を布で表現した演舞へ。
9鬼滅d
 最後の礼が綺麗。
 写真では見えにくいですが二人とも半分に割れた狐面を付けている…二人が同じ鱗滝さんの門下生である事を示している演出。

 義勇さんの雷さん⚡️だーさんは膝をケガしてて、満身創痍だったそうな…。 
 どういう状況であれ、舞台に立つ事ができた以上はそれだけで勝利者です。
 
※ステージのコスサミ枠1時間で審査員紹介から9チーム分の演目があったので、今年もステージ上で出場者からこだわりポイントなど話す時間は取られなかったのですが、そのためパッケージ感があってサクサク進行しました。
 

■審査発表
10審査前集合
 集計に1時間ほど経て発表へ。改めて審査員と出場者と姫路ご当地キャラ・しろまるひめが並ぶ。

10メタルギア
○パルス建設賞(パフォーマンス点が高いチームから選出)
HOMARE「メタルギアライジングリベンジェンス」

10ナウシカ1
10ナウシカ2
○審査員特別賞
○ひめじSubかる☆フェスティバル賞(衣装点が高いチームから選出)
MaLi「もののけ姫」

10市長
 ここでプレゼンターとして姫路市の清元秀泰市長から挨拶。
 コスプレの聖地として、名古屋には負けない宣言。

10優勝
○優勝
○姫CON賞
みおまよ「NARUTO」
 号泣しながら清元市長からの賞状を手渡される。
 ついでに明るい所でよく見ると二人の両足の先、地肌じゃないんですよ…。
 シューズの外側に肌色の五本指を造形して張り付けて、パッと見は草履っぽく見せてるシューズなんですね。恐るべし…。

まめまよ「サスケとナルトみたいにいっぱい喧嘩もしたんですけど、最後は、仲直りできて、息ピッタリパフォーマンスができて、本当に良かったなと思います!楽しんでいただけましたでしょうか!?(観客が拍手で応える)」
みおし「本当に、リアルに寝ずに頑張りました!明日からいっぱい寝たいと思います。8月3日が本選なんですけど、自分の誕生日なので、ぜひお祝いも兼ねて遊びに来ていただけたら嬉しいです!ありがとうございました!」


10ラスト集合
 出場者と審査員他による集合写真。おつかれさまでした!
 
こぼれ話1:全て終わった後、ステージでオーガナイザーのFRAN氏より「これはあくまでコスサミのルールでの順位であって、よそでやったらまた違う結果になりますから」とフォロー。
 常々言われ続けているコスプレの勝ち負けや順位付けの是非に対して、絶対的な価値観ではないという事を言って、予選主催者としての気遣いを見せていた。

こぼれ話2:この翌日3月24日(日)には、昨年2023年の日本代表チームだったくにトン氏も姫CONステージでのトークライブに登場。律儀な人です。
(昨年炎上してたのは相方だいき氏の方ですが、この日は不参加でした)
 パフォーマンスをつくる話の中で「誰がセリフを喋ってるかを分かりやすく表現する」というのがあって、同感でした。上記の出場チームの中でも、原作を知らない観客に向けて声真似しながらしゃべっててもどっちのキャラが喋ってるのかイマイチわからないシーンがあるんですね。
 特撮ヒーロー番組ではマスクの頭を上下させて〝いま俺が喋ってるよ〟感を出すので、参考になると思います。

※今年も各チームに写真と動画を送らせていただきました。
 もしも、まだ来てねえよ!という人がいたら駄チワワまでご連絡を。


日本代表選考会 公式HPでの 2024代表選考会の模様
https://wcsjapan.net/2024/03/25/wcs2024%e6%97%a5%e6%9c%ac%e4%bb%a3%e8%a1%a8%e6%b1%ba%e5%ae%9a%ef%bc%81/

コスパフォユニット「みおまよ」 「NARUTO」で運命が動き出し「ハガレン」で世界を見据えた【コスプレ図鑑】 全3回 -スポニチ
(スポニチのコスプレ図鑑シリーズは最近、造形やパフォーマー系の人も取り上げられている)
 
 レポ終了。
 当日の状況を知りたい人はここまで。以降は読み飛ばして構いません。


■〝競技〟としてのコスプレの話 ~2024上半期

 という訳で「NARUTO」みおまよコンビがWCS2018「戦国無双4」以来6年ぶりの挑戦で、2回目の日本代表チームに選出されました。

 いやー今年は(も)すごい戦いだったわ!
 衣裳点は大型でゴツい衣装に付きやすく、パフォーマンス点は動きの多さで見せる演目に付きやすいので、この相反しがちな2つを同時に高得点するのは難しいんですけどね。
 今回は開催地が姫路で、コスサミ予選として関西圏での開催はWCS2019ひめじsubかる予選以来5年ぶりだった事もあって西日本在住のチームが多く出てきましたが(優勝チームは関東在住)、新鮮な顔ぶれ&ハイレベルで、かつバラエティに富んでました。地区予選があると最初に足切りされてしまうような、点数は伸びないけどユニークなチームも出場できたのがステージに色を添えました。
 準優勝クラスの「もののけ姫」「メタルギア」チームに関しても、他の年だったら充分に優勝だって狙える内容だったと思います。それだけ今年の優勝チームは桁外れのバカ…もといバケモノレベルの衣装とパフォーマンスをぶつけてきたという事でもあります。
 これはスポーツ選手がどんなに優れた成績でも、それよりさらに優れた選手が一組あったら1位にはなれないのと一緒なので、正直、年度による時の運というのもあるでしょう。まだ志があるなら、来年以降に再び挑んでいただきたいです。

 優勝の「NARUTO」は序盤の格闘戦だけでもキレッキレですが、そこに背景からバルーンがボシュウうう~と膨張していった際の客席のざわめきと、終わった後に聞こえた「ここまでやるか…!?」みたいなささやきを聞くに、見る側に〝驚き〟を与えてくれる要素がありました。

 また、何より今回は観客が沢山入ったのが非常に良かったですね。
 だいたい毎年、他の大型イベントと併催せず独自開催した国内決勝だと数十人程度しか見てくれず、昨年は運営会社の交代と4年ぶりの(WEBではなく)ステージ開催したら、コロナ5類移行直後でまだ引きずってた時期だった事もあって観客30人くらいでしたからね…。
 今年は姫CON自体が集客してくれてたので、ステージのコスサミ日本代表選考会パートもザッと数えて200人以上は見てくれてました。
 国内決勝で観客が3ケタ行ったのって、2013年の池袋西口公園屋外ステージでやった国内決勝以来(ゲスト審査員が杉田智和さんだった回)ですね。

 やっぱり、時間と労力かけて作った衣装とパフォーマンスは、審査がどういう結果であれ見てくれる人が多い方が励みになりますから。
 仕切り直しとなった日本代表選考会は、少しずつですが良い方に向かってるんじゃないでしょうか。

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 そして、コスプレの勝ち負けを点数で競う…という特異かつ厳格な(めんどくさい)審査方法は時に伝わりにくさも生む。

 今回の優勝チームはいわばコスプレ界の何でも屋さんみたいな存在で、昨年の日本代表チームのコーチ役も引き受けてたのはTBS「有吉ジャポンIIジロジロ有吉」出演でも語られてて、また彼女たちは専門誌「COSPLAY MODE」でポージングのページなどでずっと寄稿していたり、ウィッグ加工の仕事を企業公式コスプレイヤー含めて請け負ったりしてるので、それらの外形的な要因からSNS上で日本代表選考会の結果をいぶかる声がごく少数あったのは当然知ってるのですが。
 しかし、それは話が逆なのであります。
 他人にコーチングしたりコスプレ専門誌に寄稿できるレベルの人達だから、本気出して時間と労力かけたらメチャクチャ強い訳です。
(多選に関しては現在、一度代表になった後の2年間は代表になれない原則がありますので、前回から5年空いているので無問題です)

 コスサミ予選は最多時は44の国と地域での予選がありますから、ある程度の審査基準を統一するために、他でよくある審査員による話し合い形式(メリットとして人格や将来性を加味できるが、デメリットとして有名人や所属企業への忖度が生まれやすい)ではなく、あくまで衣装点+パフォーマンス点という点数制で競う独特のルールと審査基準があります。
 …といっても競技ルールが段階を経て細かく整備されてきたのって、コスサミ自体の大元の運営母体がテレビ愛知→株式会社WCSへと移行してから、この10年くらいなんですけどね。それ以前は特に自作ルールが無視されたりTV映え優先で選考されたような時期もありましたが。

 で、仮に今回の9チームの演目を好きな順に並べたとしたら、見る人によってある程度バラバラの判断になるでしょ?
 でも、衣裳点とパフォーマンス点を評価して合計する審査形式である以上、誰が審査しても1位は揺るがない気がします。
 あの日ステージの前にいた観客で、この優勝に納得できない人ってほぼ居ないのではないでしょうか。
 それぐらい出場チームの中で彼女たちはメチャクチャ〝強い〟です。そしてそれらは、生き急ぐというか、コスプレバカ一代というか、そんなレベルの努力に裏打ちされています。
(だいたい審査結果にヤラセ云々の文句つけてる人って、会場には来ないでSNSで言ってるだけだからね…。だからこそ200人くらいリアルで見てくれるとそれだけ多数の証人にもなるのです!)

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 もちろん、そういった点数で競う事、勝ち負けを競う事がコスプレの価値として正しいのか?と問えば、正しい訳は無いです!審査を受けるためのコスプレ、点数を取るためのコスプレなんて、本来おかしいですよ!
 勝ち負けを競う場に出てこないコスプレイヤーの方が圧倒的多数で、その中にだって凄い人はいくらでも居ます!
 でも、元は2005年の愛知万博に向けたテレビ愛知の番組企画だった「世界コスプレサミット」(のチャンピオンシップ=コスプレ世界一決定戦)って、そこを独自ルールを設けて〝競技〟としてコスプレを競わせるからこそ、海外からも面白がられて「ウチの国の代表も出場させたい」という民間外交のパイプになったり、外務省や愛知県や名古屋市の行政機関が乗っかって、企業スポンサーが付いて、このコスプレ世界一決定戦に付随する形でコスプレパレードや街全体を使ったカオスな大規模コスプレイベントに発展してたり、ヒト・モノ・カネを動かす経済効果を生んでいった…訳です。
 本来ありもしない〝コスプレ世界一決定戦〟という幻の向こうで色んな人たちの〝楽しい〟につながる、Win-Winの構造がそこにあります。

 そしてコスプレに世界一もへったくれも無いけど、それを独自ルールで競技化して、ルール内で競う事に情熱を注ぐ人々の姿を、私はとても美しいと思います。
 その競う姿の一片をここで記録できれば幸いです。
 
 

 最後に…なぜ自分は今回、どんなにダメな結果であっても向こう側(ステージの上)に立ってなかったのか…そこが心残りなので7度目の予選出場をかけて来年の課題とする。



[世界コスプレサミット2024チャンピオンシップ情報]
・世界コスプレサミット公式HP 
・チャンピオンシップ 一般観覧(チケットなど)
2024年8月3日(土)16時~ 愛知芸術文化センター 大ホール
今年は36の国と地域から代表チーム出場。YOUTUBEのコスサミ公式チャンネルで中継予定。
 
[世界コスプレサミット2025日本代表選考会の予定]
・2025年4月19日-20日、アクリエひめじ「姫CON2025」内(今年より3週間くらい遅め)。
・約6年ぶりに地区予選と国内決勝の二段階が復活。地区予選大会は2~4都市で予定。
・地区予選の優勝チームは国内決勝へのシード枠を獲得。それ以外での一般募集枠もあるが応募多数の場合は抽選。続報を待て。
・地区予選第1弾は2024年12月1日、栃木miyacos内を予定。

[参考資料]
・世界コスプレサミット2023日本代表選考会レポとその後の騒動
(本ブログでの前回の日本代表選考会レポ)
https://zubunuretiwawa.ldblog.jp/archives/61362888.html

・世界コスプレサミット2018日本予選、総まとめ!-コスプレイヤーズアーカイブニュース
(みおまよコンビが前回の日本代表に選出された2018年の予選レポ)
https://www.cosp.jp/news.aspx?id=539

 
[歴代日本代表チーム一覧]
コスサミ歴代日本代表チーム一覧2024ブログ用