真夏の名古屋が誇る三大祭り、にっぽんど真ん中祭り・なごやエンタメ祭り・世界コスプレサミット(World Cosplay Summit=WCS)。
 パンデミック中断からの再興は続く。コロナ後では最多となった36の国と地域代表チーム集合による世界コスプレサミット2024、その頂点となるチームを独自ルールによる衣装審査+パフォーマンス大会で決めるメインプログラム〝コスプレチャンピオンシップ2024〟ステージの模様を主にレポート。
 名古屋市の最高気温38℃の酷暑の中、海を越えて集まった各国代表の演目とその見所を記します。
 趣旨として、世の中にチャンピオンシップ全体の内容に関する詳細なレポがどうしても少ないので、取材申請させていただき個人ブログでまとめています。
 速報性で劣る分、情報量過多でお送りします!
 

■DAY1 オープニング オアシス21特設ステージ 2024.8.3(土)

 前夜祭から一夜明け、半屋外の特設ステージで正式な開会宣言。
 気温38℃の正午、ステージに登場したのはおなじみ愛知県の大村知事。
 3月の鳥山明先生急逝の際にはファンである事を公言してメッセージを発しており、2013年の初当選時から孫悟空のコスプレで登場していたりしますが、今年は…

0知事登場追加大村アラレ
 「Dr.スランプ」より、則巻アラレでした。愛知県庁の表敬訪問と前夜祭に続いて3回目のアラレ。
 ちゃんと「キーン!」のポーズで入ってきてます。こんな格好してますが、地方行政における県知事なので舞台周辺にはSPらしき人たちが警護してます。

 行政とコスプレとの関わりで見てみますと、国会議員や首長クラスのコスプレ姿が普通にニュースになる時代になって、しかしその中で異性装(男性による女装)って初なのでは?
 過去に小池都知事の「リボンの騎士」サファイアがありましたが、あれは男装っぽい少女キャラ(リボンあるし)なので正確には異性装とは違うので、女子型ロボットでるアラレに扮しているのは割とエポックな気がします。
0開会式ポーランド編集_ポーランド東リベ
 他に開会式に登壇していたのは先のオンライン動画コンテストWCCS(ワールドコスプレシネマサミット)に優勝したポーランド代表なのですが、「東京リベンジャーズ」の特攻服、これポーランドって卍マークOKなんですね…。
 ドイツ内ではナチスドイツを想起させる卍マークの使用が一部コスプレイベントで禁止になってると聞いておりますが、ナチスの侵攻を受けたポーランドでは大丈夫なのか…。
 勿論お祭りなのですから、余計な規制は無いに限りますね。 
 ポーランドは来年2025年度からは正式な参加国となり、チャンピオンシップにも出場する予定。
 

■コスプレチャンピオンシップ2024 愛知芸術文化センター大ホール 2024.8.3(土)

 今回からの初参加国はコスタリカ・チェコ・モンゴルの3カ国。
 また審査員と審査方法に関して、日本代表選考会だと衣装審査とステージ審査を同日に行いますが、チャンピオンシップでは衣装審査は別日に衣装担当の複数名の審査員によって細かく行われます。
 なのでステージ審査の方にはコスプレ知識ではなく、エンタメの世界で実績ある人がゲスト審査員として入る傾向があります。
 ホール1,2階の観客席は満員。前売チケットが売り切れて当日券が若干数販売されており、3F席の関係者・取材席もいつになく人が多め。決戦が始まります。

0審査員

[ステージ審査員]
・齊藤陽介 スクウェアエニックス ゲームプロデューサー
・ヨコオタロウ 株式会社ブッコロ ゲームディレクター
・真島ヒロ 漫画家
・野島健児 声優
・ツィポ/クルゥド WCS2024優勝チーム(イギリス)
・澤村國矢 歌舞伎俳優
・田代智一 作詞・作曲家(WCS公式テーマソング担当、2015年以来2回目)
・平松建治 作曲・編曲家
・サヨチュ/セィバー サウジアラビアで昨年開催のGamers8優勝チーム(ラトビア)
・カイリ/ドリアン 動画コンテストWCCS優勝チーム(ポーランド)

[特別審査員]
 アプリ「OTAKU JADGE」のクイズ各部門上位者から…
・もいもい マンガ部門(WCS2022日本代表チームでもある)
・ゆずきち アニメ部門
・リゥリゥ ゲーム部門(WCS2019日本代表チームでもある)
・ハヤト 特撮部門
・PAINS コスプレ部門

[主なルール]
○日本発のマンガ、アニメ、ゲーム、特撮のコスプレが条件。あくまで日本文化の発信。
○別日の衣装審査(最高100点)と、このステージ審査(最高200点)の合計で順位が決まる。審査員の合議制ではなく、あくまで点数制。
○ステージ審査では二人一組、2分30秒で、衣装映え点+パフォーマンス点+リスペクト点などの合計を競う。
○衣裳・小道具は自作部分を75%以上、一部手伝ってもらうのはOK。写真や動画でレポート提出とプレゼンが必須。
○ステージに持ち込める衣装・小道具・大道具の総重量40kgまで。
○大道具は3点まで。長編210cm、奥行90cm、1個10㎏まで。ここは直接の審査項目ではないので他者の力を借りてもOK。
○BGMは自分で演奏したものかフリー音源を使用。
○背景に映像を使用可。自作の必要は無し。これによりセリフは母国語でも日本語字幕が出せる仕様になり、以前に比べて片言の日本語でセリフをしゃべるチームは減った。

・コスプレチャンピオンシップ 審査・競技ルール(詳細な審査方法はこちら)
https://archive.worldcosplaysummit.jp/about/craftsmanship_judging_regulations.html
 
× × × × × × × 
 
1 タイ 「ディシディア ファイナルファンタジー」セシル・ハーヴィ/ヴァン[動画こちら]
 ディシディア世界にやってきた二人、イマイチ状況が飲み込めないまま、モーグリの指示でお互いにバトルを始める事に。
 なぜか「盗む」コマンドでセシルから奪ったのがスプーン?ちょっとコミカル。
1タイ1
1タイ2
1タイ3

2 イギリス 「戦場のヴァルキュリア4」 ラズ/カイ[動画こちら]
 雪原を駆ける戦車vs二人のバトル。セリフは母国語ながら背景の擬音が日本語で飛び出す演出。
 倒れた状態から「託す」「立ち上がる」選択はゲームの再現になっている。
2イギリス1
2イギリス2
2イギリス3
2イギリス追加

3 サウジアラビア 「NARUTO-ナルト- 疾風伝」 うちはマダラ/千手柱間[動画こちら]
 里を守るための千手柱間の戦い。
 格闘で効果音をバシバシ入れてるのが格好いい。仙法の演出から、最後はマダラの首を斬りおとす血飛沫テープ。
 背景映像の漢字が、おそらく漢字用の筆文字フォントなどが無いPC環境で作っているので全部MSゴシックというツッコミ。
3サウジナルト1
3サウジナルト2
3サウジナルト3

4 (初参加)コスタリカ 「ワンピース」 トニートニー・チョッパー/ウソップ[動画こちら]
 カイドウを倒すため、ウソップとともにチョッパーはカンフーの特訓を開始。良い意味でマンガチックでポップな内容。
 まったくの余談ですがコスタリカは国土面積あたりの地震発生頻度では世界第1位、日本は6位です。
4コスタリカ1
4コスタリカ2

5 ブルガリア「モノノ怪」薬売り/のっぺらぼう[動画こちら]
 女の顔を奪う妖怪のっぺらぼう。追いつめる薬売り。
 原作アニメの主観演出を、上手く背景映像と障子の展開で再現。
 バトルシーンを直接の戦いではなく、二人で舞うようなパントマイムで表現しており、ぜひ動画で確認してほしい。

5ブルガリア1
5ブルガリア1b
5ブルガリア追加
5ブルガリア3

6 オーストラリア「アキラ」 島鉄雄/金田正太郎[動画こちら]
 金田バイクの例のカットと「さんを付けろよデコ助野郎!」を母国語でちゃんとやってます。
 力を暴走させておかしくなっていく鉄雄の、金田への劣等感を含めた愛憎を早口セリフでまくし立てる。ラストが釈然としないのも独特の余韻あり。
 なお演者は女性レイヤーのコンビ。
6オーストラリア1
 よーく見ると金田バイクはキャスター付き椅子をベースに軽量化…。
6オーストラリア2
6オーストラリア3
40再入場1

7 (初参加)モンゴル「ソウルキャリバー」 吉光/ナイトメア[動画こちら]
 まず、この甲冑で動き回れるのがすごい。吉光2世の裂けたような面が不気味。
 戦いの果て、エイミーへの思いを抱きながら絶命するナイトメアに、白い血飛沫でエンド。
 あと 冒頭のモンゴル紹介動画が観光案内みたいで綺麗です。
7モンゴル1
7モンゴル2
7モンゴル追加
40再入場2

8 イタリア 「隻狼」  葦名弦一郎/隻狼[動画こちら]
 なぜかコスサミ史で見ると男性コンビ率が高いイタリアチーム。
 剣劇なんですけど、背景映像での血飛沫や刀を振るエフェクトが細かく、しかもその表示位置がピタリと合ってるので上手い!映像込みで相当練習したんでしょうな…
8イタリア1
8イタリア2
 
9 オランダ 「ローゼンメイデン」 水銀燈/真紅[動画こちら]
 未完成の水銀燈を友達のように大切にする真紅と、そして元の7つの人形の姉妹をすべて一つにしようとする水銀燈の心と体が壊れていく…という内容を、序盤の情緒的な演出から転じてバッドエンドにつなげる物語性が上手い。
9オランダローゼン1
9オランダローゼン2

10 フィンランド 「ニーア オートマタ」 2B/ヨルハ司令官[動画こちら]
 全ヨルハ部隊、そして2Bに対してバンカーへ侵入した機械生命体との戦闘指示が下るが、ヨルハ司令官は自身がウイルス汚染されている事を悟り、2Bだけを退避させて扉の向こうに消えていく。
 悲しみに暮れる2Bが開眼して再び立ち上がるエンド。
 ゲームの作者が審査員席にいるので緊張したろうな…。
10フィンランド1
10フィンランド2
追加2フィンランドニーア

11 スイス 「朧村正」 鬼助/百姫[動画こちら]
 悪霊に取り憑かれて妖刀を求めさまよう百姫。追う鬼助。
 勝利して百姫の霊を祓った…かに思ったが。
 シンプルな構成で全体の色調を抑えて、独特の怖さを表現してますね…。
11スイス朧村正1
11スイス朧村正2

12 アメリカ 「魔法少女まどか☆マギカ」 暁美ほむら/鹿目まどか[動画こちら]
 まどかとほむらの繰り返される時間を経て、アルティメット化して全ての魔法を宇宙から消し去ろうとするまどかと、悪魔化してまどかだけを守ろうとするほむほむの、いわゆるクレイジーサイコレズ展開。背景映像が二人の思い出アルバムみたいになってる。
 ほむほむ実に表情が良い。
12アメリカまどか1
12アメリカまどか2
12アメリカまどか3

13 マレーシア 「僕のヒーローアカデミア」 轟焦凍/荼毘[動画こちら]
 認めてくれない父への憎悪から暴走する荼毘と、止めようとする弟の焦凍。格闘戦から、炎と冷気の戦いへ。冷炎白刃を受けた荼毘、血飛沫テープエンド。
 衣装に仕込んだLED発光も美しい。
13マレーシア僕のヒーローアカデミア1
13マレーシア僕のヒーローアカデミア2
13マレーシア僕のヒーローアカデミア3
追加13マレーシア


14 ドイツ 「モンスターハンターダブルクロス」 カティ/ミルシィ[動画こちら]
 カティとミルシィ姉妹はビジネスパートナーとして新入社員を探し、アイルーに契約書へのサインを持ちかける。
 そこへ巨大なモンスターが襲来して…?
 派手さは無いんですけど、実に良い感じのファンタジックな衣装をしております。
14ドイツモンハン1
14ドイツモンハン2
14ドイツモンハン3

15 メキシコ 「とんがり帽子のアトリエ」 ココ/イグイーン[動画こちら]
 自分の不始末から母を失ったココと、その心に取り入って魔女に変えようとするイグイーンのホラーチックな演目。
 服飾としての衣装(甲冑や着ぐるみではなく)が非常に出来が良い。
 ちなみにメキシコ代表チームは毎年熱心な応援団が会場に入っており、観客席で最もエキサイトしている。
15メキシコ1
15メキシコ2
15メキシコ3
40再入場とんがり帽子

16 台湾 「ダンジョン飯」 ライオス トーデン/マルセル ドナート[動画こちら]
 グリフォンの首を刈って、シチューを試みるライオスが、マルシスの話を無視して調理していく。
 アクション的な山場を冒頭に持ってきて、あとは調理シーンという珍しい構成。ラストだけ日本語ナレーションの「ダンジョン飯…ああ、ダンジョン飯」オチ。
 よく見るとマルシルの服の汚れ方が細かい。
16台湾ダンジョン飯1
16台湾ダンジョン飯2
16台湾ダンジョン飯3
「学校はじまって以来の才女」ポーズ。
16台湾ダンジョン飯4

17 フランス 「ファイナルファンタジーXIV」 ゴールドソーサーキャスト/ミコッテ[動画こちら]
 謎のサボテンダーの導きでゴールドソーサーにやってきてカジノに興じるミコッテ。ルーレットの景品で何かの卵をもらって…
 FFの演目で固有名詞の無いキャラが登場するのは珍しい。歴代フランス代表はアクションより芸術性に振っていくパターンが多いのですが、いつになく明るい作風のドタバタ劇。
 そしてセリフがちゃんと日本語になっております。
17フランス1
17フランス2
17フランス3
17フランス4
卵からチョコボふ化。
 
18 カナダ 「NARUTO-ナルト- 疾風伝」 ペイン/自来也[動画こちら]
 ナルト2組目。自来也先生の火遁の術が、背景映像ではなく火の模様の布を飛ばす物理パターン。
 「我はペイン。我は神だ」
 最後の一瞬で自来也の背に槍みたいなオブジェを突き立てるギミック(これが何という技なのかはピクシブ大百科を読んでもよくわからなかったので情報を待つ)が秀逸。
18カナダ1
18カナダ2_懸案
18ナルト追加

19 ポルトガル 「鉄拳7」 州光/吉光[動画こちら]
 ひたすらバトル。剣劇のエフェクトを背景映像でビッカビカに入れまくってゲーム画面っぽくしてます。
 吉光は鉄拳シリーズの常連キャラですがたびたびデザインが大きく変わり、この7では触手の生えた怪人ぽくなってますが、中身は義賊という設定。
 で、その部下だった州光の母は私利私欲に走って吉光から破門されており、その因縁を持って州光は吉光(の妖刀)を狙っているという設定。
 ちなみに後半のフィリピンの鉄拳8での吉光とは同一人物で、先ほどのモンゴルのソウルキャリバー吉光とは別人設定です。
19ポルトガル追加
19ポルトガル鉄拳2
19ポルトガル鉄拳3
 
20 オーストリア 「スカーレットネクサス」 カサネ・ランドール/キョウカ・エデン[動画こちら]
 背景映像がメチャクチャ凝ってるCGで、映像の中の敵と戦ってるレイヤーは暗くてよく見えませんが手前にいます。
20オーストリア背景以外見えない1
20オーストリア背景以外見えない2

21 日本 「NARUTO-ナルト-」 うすまきナルト/うちはサスケ[動画こちら]
 ナルト3組目。
 前半の高速の格闘戦から、ねぶたのような九喇嘛とスサノオのバルーンを背負ってガスで膨張させていき、二人の戦いをまるで祭りのように表現。
 「♪だってばよーだってばよー」は、観客席の応援団もコール&レスポンスのように合唱してます。
 日本代表選考会に比べると背景映像と組み合わせて、構成がブラッシュアップ。
 また、各370パーツ以上を組み合わせたという九喇嘛とスサノオねぶたに、さらに追加された赤と青のLED内部発光ギミックも美しい。
 あと予選の時にも書いたけど草履の肌色部分は地肌ではなく、ブーツに肌色のパーツを張り付けてアクション性と両立させているという細かさ。
21日本1
追加日本1追加日本2
21日本3
21日本4

22 ラトビア 「盾の勇者の成り上がり」 岩谷尚文/ラフタリア[動画こちら]
 ドラゴンから逃げながらダンジョン内を進む二人。血飛沫テープを上げて倒れるラフタリア…早くグリモア(魔導書)を破壊しなくては!
 かなり流ちょうな日本語セリフ。
22ラトビア1
22ラトビア2

23 フィリピン 「鉄拳8」 クマ/吉光[動画こちら]
 さっきのポルトガルの鉄拳7では触手怪人だった吉光、この鉄拳8では西洋甲冑みたいな姿に…。
 バトル前に竹を破壊してしまい、片思い中のパンダさんへの贈り物を失ってしまったクマの怒りを買う。高速での格闘戦とシャケを武器に使う強敵クマ!身体能力が高い!
23フィリピン鉄拳クマ1
23フィリピン鉄拳クマ2
23フィリピン鉄拳クマ3
23フィリピン鉄拳クマ4
23フィリピン鉄拳クマ5
40再入場3

24 インドネシア 「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編] 叛逆の物語」 鹿目まどか/暁美ほむら[動画こちら]
 まどマギ2組目。こちらはなんとミュージカル仕立て。
 まどかとほむらがアルティメットまどか&悪魔ほむらに変身するパターンももはやお約束ながら、まどかをソウルジェムに閉じ込めて自分の物にする独自のエンドで、よりクレイジーサイコレズ展開に。
24インドネシアまどか1
24インドネシアまどか2
24インドネシアまどか3

25 スウェーデン 「となりのトトロ」 トトロ/草壁サツキ[動画こちら]
 雨の中、バスを待つサツキの前に現れた不思議な生き物トトロ。
 この着ぐるみトトロ、もふもふ感もさる事ながら、表情が動きます!目線が左右に、そして口を開けてニッと笑顔に。セリフ一切なしで二人の動きで情感を表現。
 大道具が使用されずサツキの軽装であるので、おそらく総重量40kg制限の大半をトトロ衣装で使用していると思われます。
25スウェーデントトロ1
25スウェーデントトロ2
25スウェーデントトロ3

26 アラブ首長国連邦 「フェアリーテイル」ナツ・ドラグニル/アクノロギア[動画こちら]
 格闘戦を背景映像のエフェクトと組み合わせるオーソドックスな格闘バトル。
 こちらも血飛沫テープエンド。
26アラブ1
26アラブ2

27 南アフリカ共和国 「零 濡鴉ノ巫女」 水籠 祈/不来方夕莉[動画こちら]
 零シリーズは近年定番化した演目で、ゲーム上の〝カメラのレンズ越しで可視化される亡霊を引き付けてシャッターを押してダメージを与える〟というシステムが、最近のチャンピオンシップの照明や背景映像の使用と相性が良いのです。
 追いかけてくる巫女の水籠祈をカメラで攻撃してやり過ごすというだけなのですが、とにかく怖い。
 この巫女は目を潰されている設定なので、両目部分を血のような目隠しで覆っています。はだけた胸元に大きな傷が見えます。
 ストーリーに明確にオチが無いのがお化け屋敷のようで、怖いっつってんだろ!
27南アフリカ共和国零1
27南アフリカ共和国零2
27南アフリカ共和国零3
27南アフリカ共和国零4

28 (初参加)チェコ 「ベルセルク」 ガッツ/キャスカ[動画こちら]
 冒頭のVTR、なぜかチェコの工業力を紹介。コンタクトレンズはチェコで開発されたのかー。
 キャスカの視点で、恋人であるガッツ、そして鷹の団との思い出を背景で流しつつ(この辺は鷹の団やグリフィス団長がどうなったかという原作を知らないとあまり意味が伝わらないと思うのですが)、呪われた狂戦士の甲冑からガッツを解き放つエンド。
 ここは原作準拠じゃないと思うのですが(三浦建太郎先生逝去により未完、森恒二先生監修で続編連載中)、良い意味で夢展開というか、キャスカ目線でこうなってほしいというifストーリーでした。
28チェコベルセルク1
28チェコベルセルク2
28チェコベルセルク3

29 ベルギー 「ニーア レプリカント」 エミール/ニーア[動画こちら]
 魚釣りをしていたニーアとエミール、魚料理の方法を〝白の書〟に載っていないか調べようとして、意志を持つ白の書(通称シロさん)の怒りを買ってしまう。
 ラストに超高速で背景映像にスタッフ名テロップが出る仕様。
 エミールは黒タイツの前にガイコツの細い足を造形して表現。原作ゲーム開発者のヨコオタロウ氏(エミールの着ぐるみで審査員)の前で緊張したろうな…。
29ベルギーニーア1
29ベルギーニーア2
29ベルギーニーア3

30 スペイン 「ファイアーエムブレム風花雪月」 レア/エーデルガルト[動画こちら]
 修道院を舞台に大司教レアに挑むエーデルタルトを、ゲーム画面を再現したバトルシーンで描く。
 最後は血飛沫テープを上げて倒れたレアを前に、エーデルタルトが帝国旗を立ててエンド。
30スペインエムブレム1
30スペインエムブレム2
30スペインエムブレム3
 
31 韓国 「モンスターハンター:ワールド」 ジンオウガ/ハンター[動画こちら]
 晩飯のため肉を焼いているハンターの前に、ジンオウガ出現。
 しかし討伐に成功してジンオウガを飼いならして再び肉を焼いていると、今度は上空からドラゴンが…。
 流ちょうな日本語セリフです。
31韓国モンハン1
31韓国モンハン2
 ジンオウガの四つ足が、前足を高下駄にする事で後ろ足が伸ばせる(膝で這わない)デザインで、ウルトラ怪獣でいうと帰マンの化石怪獣ステゴンのパターンです。
31韓国モンハン3

32 中国 「ベヨネッタ」 バアル・ゼブブ/ベヨネッタ[動画こちら]
 歌いながら攻撃するバアルとのバトルシーンを、キレッキレのパントマイムとダンスで見せる。
 コスサミでダンス系は珍しい(一般的なコスプレパフォーマンスではダンスが主流)が、これをバトルに絡めて演出するのが独特の雰囲気になっているのです。
 ラストは〝スタイリッシュ痴女〟ベヨネッタらしいポーズ。
(キャラ名は多分「バアル・ゼブル」が正式名だと思う)
32中国ベヨネッタ1
32中国ベヨネッタ2
32中国ベヨネッタ3
40再入場4

33 エジプト 「エルデンリング」 狂い舌アルベリッヒ/ザミェルの古英雄[動画こちら]
 この二人は両方ともゲーム内の中ボスで、彼らがどうやって闇落ちしていったのかを描くifストーリー、という認識でいいのかな?
 アルベリッヒの全身を燃やしたような姿(ボス戦)への変化を、赤い照明でうまく表現。
 どうでもいいですがエジプト代表の演目で棺桶が使用されてると、Gガンダム的な興奮があります。(ファラオじゃねぇよ)
33エジプトエルデンリング1
33エジプトエルデンリング2
 
34 ブラジル 「オーバーロード」 シャルティア・ブラッドフォールン/アインズ・ウール・ゴウン[動画こちら]
 ブラジルで中西部から選ばれた初の代表らしいです。首都ブラジリアがある内陸部の方だそうで。
 精神支配されてアインズに挑んでいくシャルティア。しかしアインズは外装を脱ぎ捨て、接近戦で勝負に。
 日本語セリフで、アインズの外の声と内の声を演じ分けておられる。
34ブラジルオーバーロード1懸案
34ブラジルオーバーロード2
34ブラジルオーバーロード3

35 ベトナム 「コードヴェイン」 エヴァ・ルゥ/ジャック・ラザフォード[動画こちら]
 ジャックからの血清が間に合わず、狂暴化して襲い掛かるエヴァ。
 正気を取り戻し、二人一緒で神骸と戦うかと思いきや…
 体全体を使ったアクションとボディランゲージで見せてくれます。
35ベトナム1
35ベトナム2
35ベトナム3

36 インド 「NARUTO-ナルト- 疾風伝」 うちはマダラ/千手柱間[動画こちら]
 ナルト4組目。そして冒頭付近に出てたサウジとキャラの組合せも同一ながらちょっとムードが違います。
 こちらも里を守る柱間の戦いで、背景映像を使って二人の青春時代の回想など入れている。
 最後ちょっと切ない感じで終わる。
36インド1
36インド2
36インド3

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追加ヨコオタロウ
 ところで、たまにモニターに映るヨコオタロウ氏は、いつの間にか審査員席に衣装を置いて別室から声だけが響くという… 
追加3ヨコオタロウ
 なお、ヨコオタロウ氏が着用していたエミール衣装は、京都で染色業を営んで89年という大本染工(株)により染められているそうです。

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 全チームの演技が終了し、ここで影山ヒロノブさん登場でミニライブ。
 ドラゴンボールZ「WE GATTA POWER」「僕達は天使だった」「CHA-LA HEAD-CHA-LA」、真ゲッターロボ「HERTS」の熱唱で会場の熱を上げてくれました。
 影山さん個人では2005と2010年に審査員、JAMプロジェクトとしては2011年に審査員、そしてそれぞれミニライブをしてくれた(当時はオアシス21の半屋外ステージ)ので、久しぶりにコスサミに来てくれました。

 やはり今年のコスサミは鳥山明先生追悼シフトだったのでしょうね。
 そう考えると、不祥事の擁護はしないけど審査委員長の古谷徹さんにもやはり居てほしかったという感想はあります。以前お台場のフジテレビイベントでヤムチャのコスプレして「ウルフハリケーン」歌ってくれた人ですから。

 そして休憩をはさんで集計は続き…


■チャンピオンシップ表彰式
追加2全員入場直後
 まず、部門賞やスポンサー賞から。今年はドワンゴは継続して協賛しているものの、KADOKAWAグループ全体へのランサムウェア騒動でニコニコ動画が落ちており、視聴者投票によるニコニコ賞は無し。

○アルムナイ部門特別賞(過去代表らにより選ばれた賞)/玉越賞
 日本「NARUTO-ナルト-」 [動画こちら]
○アクション部門特別賞/AFK:ジャーニー賞
 フィリピン「鉄拳8」 [動画こちら]
○ドラマティック部門特別賞/名古屋芸術大学賞
 メキシコ「とんがり帽子のアトリエ」 [動画こちら]
○縫製衣装部門特別賞/ブラザー賞
 ブルガリア「モノノ怪」 [動画こちら]
○造形衣装部門特別賞/LEGEND WALKER賞
 チェコ「ベルセルク」 [動画こちら]
○エンジョイ部門特別賞/Famore Cutlery賞
 コスタリカ「ワンピース」 [動画こちら]
○お祭り部門特別賞/Holiday Matsuri賞
 フランス「ファイナルファンタジーXIV」 [動画こちら]

 そして上位入賞の発表へ。

45総合3位
第3位 ドイツ「モンスターハンターダブルクロス」[動画こちら]

45総合2位トトロ
準優勝 スウェーデン「となりのトトロ」[動画こちら]


そして2024グランドチャンピオンは…

総合優勝 日本「NARUTO-ナルト-」[動画こちら]
45お辞儀
 お辞儀の角度に定評のあるみおまよ。
45賞状
 号泣に定評のあるみおまよ。

45全員集合アップ
 また優勝チームには外務大臣賞も一緒なので、鈴木律子外務省文化交流・海外広報課長からも授与。

[優勝コメント]
みおし 「めっちゃ安心してます…もうなんか、発表とか聞きたくなくて、めっちゃドキドキして…でももうホント、1位とれたのは自分たちだけじゃなくって、応援してくださった皆さんとか、色んな周りの…なんか…」
まめまよ「日本語が、日本人のくせに下手だなお前!」
みおし 「通訳さん(相方)に話してもらいます!」
まめまよ「ハイ、彼が言おうとしたのはですね…私たちはたった二人でこの賞を取った訳ではなくて、衣装の作り方を教えてくれた先生方や、パフォーマンスを指導してくださった先生方、そして何よりも今日ここに来てくれて、パフォーマンスを完成させてくれた皆さんのおかげだと思ってます!本当に、♪だってばよー、ありがとうございましたってばよー!!」

46(幅600で)全員集合
 全員集合での記念撮影。毎度、戦い終えた皆さんの安堵の表情とカオス感!
 争いの絶えない地球上で、36の国と地域から海を越えてオタクの皆さんが集まる場。例えそれが一時の幻であっても、このご時世にあって尊い光景だと思います。
 
 そんな訳で日本代表チームみおまよが2018年「戦国無双4」以来、6年ぶり2回目の挑戦でついにグランドチャンピオンに!
 過去、日本代表チームとしての優勝は2009年「戦国BASARA」、2012年「薄桜鬼」以来、12年ぶり3回目。
 2005年以来チャンピオンシップ19回(2020年は中止)の内、イタリア・ブラジル・日本がそれぞれ3回ずつで最多優勝回数。次いでフランスが2回。

 この授賞式は外務省の公式サイトにも掲載。

・世界コスプレサミット2024の開催 外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/p_pd/ca_opr/pagew_000001_00870.html
・ワールドコスプレチャンピオンシップ 2024 結果 WCS公式サイト
 
45テーマソング
 DAY1のエンディングはコスサミ応援サポーターのダンスボーカルグループ・サクラグラデュエーションによる「We Can Start!」披露。
 古谷徹さん歌唱により2016年から歌われているコスサミのテーマ曲が、ご当地の少女グループにより引き継がれた訳ですね。正直、それは寂しくもあり、新鮮でもあります。

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 一方その頃、オアシス21では…
 チャンピオンシップのライブビューイング&トークライブが行われており、2年ぶり出演の杉田智和氏が銀八先生のコスプレで登壇し(仕事抜きで本当にやりたかったコスプレは、ずんだもんらしい…)、マフィア梶田・ジョイまっくすポコ・WCS最高顧問のジャッキー道斎氏らとチャンピオンシップの生中継を見ながら楽しいトークを繰り広げておられたそうですが…。
 このトークライブは写真および内容は外に漏らしてはいけないらしいので詳細は伏せますが、なんだか不謹慎トーク(誰の…?)で盛り上がってたとか。

 以前はオアシス21と芸文ホールを中継で繋いで、チャンピオンシップの観客席で見てると隣会場からの中継が入り、そこで杉田智和氏(と岸田メル先生)が乱闘を起こして中継画面が消えるというネタをやっておりましたが、最近は絡まずに別のイベントになりつつあります。

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[取材席からの感想です]

 コスプレの勝負を点数で競うというルール上、どうしても加点しやすいパターンというのがあるので、複数のチームで内容が似ちゃうんですね。
 バトル要素のあるメジャー作品で、ゴツイ甲冑や法衣を着て、ステージの左右に分かれて、背景映像と一緒に魔法や剣技をエフェクトつきでぶつけあって…みたいな。2017年優勝の中国代表チームが「BLOOD+」の演目で見せた、赤い紙テープで血飛沫を表現する通称:チャイナブラッドもよく使われてます。
 一方、審査対象ではない大道具は使用頻度が減っており、背景映像で代替えされつつあります。総重量40kg制限なら、大道具よりもなるべく衣装と小道具に割り振った方が加点できるでしょうから。
 なんだかコスプレパフォーマンスの大会なのに、むしろ映像クオリティをアピールしてるんじゃないか?ってチームもあります。

 そこへ行くとやはりインパクトあったのが今年の日本代表チーム「NARUTO-ナルト-」、4チームもあったナルトなのに、内容が他の全チームと比べてもどれとも似てません。
 ルール上、サイズ規制があるのは大道具だけで、衣装と小道具には制限が無いので、ガスを使って膨らませた超巨大バルーンを衣装に組み込むのは、まさに良い意味でルールの隙を突いてます。
 背景映像とのリンクも一部あるけどそこに重点は置いておらず、仮に背景映像が無かったとしても成立します。
 圧倒的な努力と労力の上で、あくまで〝コスプレ〟で戦ってました。見事です。

 準優勝のスウェーデン「となりのトトロ」も、衣裳点=着ぐるみクオリティは非常に高いものの、殆ど動けなかったのでパフォーマンス点であと一歩、でしょうか。バトル要素が無くても世界観の表現など高ければ優勝を狙えるのは、昨年優勝のイギリス「マギ」も証明しています。

 上位入賞以外で個人的に1本選ぶとしたら、優勝と準優勝は怪獣でいえばキングギドラやメカゴジラのような圧倒的パワーと破壊力ですから、ちょっと変わってビオランテのような不気味さや怪奇性をアピールしたブルガリア「モノノ怪」を挙げましょうか。これはぜひ動画で見てほしい。コスサミの代表クラスには珍しく、まだちょっと手作り感が残ってるのも好き。
 あと怖かったのが南アフリカ共和国「零 濡鴉ノ巫女」、マジで動画(というか巫女の顔アップ写真)見直した後に夜中にトイレ行くの怖くなっちゃって…。

 それと、今年のコスサミは3月に急逝した鳥山明先生追悼ムードで会場周辺ではドラゴンボールのコスプレイヤーが例年よりかなり多いのですが、チャンピオンシップに関しては予選会が3月以前に行われている国が多いため、鳥山作品の演目は入ってません。
 準備期間を考えても、鳥山作品が増えるとしたらおそらく来年以降でしょうね。

 そして過去に複数回の出場歴があるのに今年まだ不参加になっているのは、デンマーク・チリ・ミャンマー・ロシア・トリニダードトバコ・香港…。ウクライナは2021年のオンライン開催のみ出場で来日経験はありません。
 
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(レポ自体はここで終了。この先は別に読まなくても構いません。)

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■競技コスプレと審査ルールの変遷史

 さて、毎回物議をかもす「コスプレ世界一決定戦」のフレーズですが、当然ながら本来ファン活動であるコスプレに明確な世界一も日本一もありませんし、本来コスプレは誰かと競い合うものでもありませんから、これはあくまでお祭りのメインプログラムとして、コスサミ独自ルールによる〝競技化〟されたコスプレの戦いなのです。
 この競技における審査方法、実際これまでに何度も時代や状況に合わせて変更が行われています。

 2005年に愛知万博内で行われた第1回チャンピオンシップではそもそも個人部門とチーム部門(当時は3人)がありました。テレビ愛知としては2003年からの初期コスサミ3ヵ年計画は当初この万博で終わるハズだったのが各国イベント団体からの出場希望が続き、愛知万博終了後も独立イベントとして存続。
 2006年からオアシス21ステージを使用し、現在に近い形式で二人一組、3分間のパフォーマンス審査になりました。この時期はまだ今ほど完成度は高くなく、素人演芸大会ノリです。
 2008年からしばらくは集英社作品が事実上の禁止に。これは2019年にようやく解禁されます。
 2009年から、各国1チーム制になります。それまで日本やアメリカなど大国からは、国内地域ごとに複数の代表チームがありました。
 2011年にパフォーマンス時間が2分30秒に短縮。また大道具3個までとサイズ規定、衣装+小道具+大道具の総重量40kg制限が導入。年々大型化して予算のある国のチームが小型クレーンで空飛んだりしていたので。
 2012年にはテレビ愛知での生放送中に観客席の投票ボタンで加点する形式に(結果、日本代表「薄桜鬼」が逆転優勝)。この年でテレビ愛知が交代し、2013年から株式会社WCSの主催に移行。テレビ的なアバウトさを廃し、より競技としてルールの明確化・厳格化が始まります。
 2014年からステージがオアシス21から隣の芸文ホールに移行して大型化。同時に〝クラフトマンシップ〟が宣言されました。ぶっちゃけこれまで自作ルールが無視されても審査員が気づいてないケースもあったようなので、衣装審査が独立してレポート提出など厳格化されました。
 2015年から、前年から使用されていた芸文ホールの背景(そのままだと殺風景だった)に映像を使用できるようになりました。コスプレとパフォーマンスだけでなく映像製作の技術や人材確保まで必要になったのです。照明効果も導入され、光と影を使った中二病っぽい演出が増加します。
 以降、2019年にはチャンピオンシップの一部を、東京ドームシティでミニパフォーマンスを行って分散開催しましたが、これはコロナ禍もあって一回で終わっています。

 都度こうして、より公平性や納得感を与えるためだったり、あるいは運営側の事情だったりで、審査方法やルールは変更を重ねています。二人一組が基本なのもかなり独特ですし(滞在費などが理由と推測)、背景映像の使用も使用会場が変わったせいでもあります。
 今回の順位だってあくまで今年、この形式での審査結果であって、別の年に違うルールや審査形式だったら変わる可能性だってあります。

 でも、一般的なコスプレの価値観とは少し違うかもしれないけど、毎年その独自ルールを研究し、時にはその隙を突いて、自ら手を挙げて、より高く、うまく、高得点を目指して〝競技〟としてのコスプレをひた走る人たちの情熱は尊いです。だからこうして記録し続けます。
 もちろんそれは、公平性あってこその競技性である事は大前提です。

 また、観客側の楽しみ方としては、このチームは衣装点に全振りだなーとか、これは原作の衣装がシンプルだからゴツい武器を持たせる事で衣装点を高めてるなーとか、パフォーマンス点を高めるためにセリフの間もアクション詰め込んでるなーとか、衣装チェンジを増やすために映像を入れて間を繋げたなーとか、そういう各チームの戦略に注目して楽しむ〝観戦〟スタイルだってあるでしょう。

 これらの〝競技〟としてのコスプレで戦う国際イベントの副次的効果として、外務省や愛知県や名古屋市の後援で公共交通機関や街全体を使ったカオスなコスプレイベントだったり、また今年は1000人超での大規模コスプレパレードだったりも行われていて、競技とは無縁でも多くのコスプレイヤーにだって、コスプレの〝楽しい〟を共有できる機会がある訳ですから。忘れるべきではありません。
 
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 ついでに毎年毎年言われ続けている「コスサミは8月以外の時期にやってくれ」が無理なのも、社会人世代が多い各国代表チームの来日がそれぞれのサマーバケーション(外国は2週間以上の夏休みが多い)を利用して来日してくれてるので、この時期で固定している事情(らしい)も付記します。


[取材:駄チワワ/写真協力:やみねこマグ]
 
 そして、DAY2レポへ続く…。翌日の方はパレードやコラボ企画など、雑多に街歩きしながらのゆるい記録です。
 

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