長いので、なるべく見やすいように記事分割しています。初稿は2024年11月の記事です。

 
[2025年6月追記]大阪万博でのコスプレ騒動で引用される事が多いので、そちらは別途記事を書きました。
 万博騒動で情報を探している方は、手っ取り早くこちらをご参照ください。
→ 学べるニュース解説!?万博騒動から考えるコスプレ村の因習と風化について 



■第二部 歴史的経緯から見る公共スペースでのコスプレ忌避の流れ

 なぜ日本のコスプレイヤーは公共スペースでのコスプレを忌避するようになったのか?歴史面から見ていきましょう。
 話は昭和にまでさかのぼります。

●コミックマーケット年表
https://www.comiket.co.jp/archives/Chronology.html
●コミックマーケット30周年史『コミックマーケット30’sファイル』PDFの公開
https://www.comiket.co.jp/archives/30th/
(PDFで公開されてる部分のこのp234以降がコスプレ関連項目)

[80年代~ コミケでコスプレルールが生まれていく]
 そもそもの発端ですが、まだコスプレしてオタクが集まれる機会が極めて限られていた頃、その中心はコミックマーケットでした。
 1983年、警察からの「風紀を乱す」という要請により、「会場外でのコスプレ」が禁止になります。当時は「うる星やつら」ブームの頃ですね。これは段階を経て「コスプレのままでの来場禁止」「コスプレは更衣室を使用する」という風にルールが追加されていきます。でもコスプレのまま来場が禁止されても物陰で着替えていたので、女子更衣室が初めて設置されたのは1988年になってからだそうです。
 問題を抱えながら巨大化する過程でどうしてもコミケ参加者や当時のスタッフからはコスプレ不要論が根強く、制限しながら残すために、この時点でコミケでは「コスプレのまま来場禁止。必ず更衣室を使用する」という現行ルールの基礎が出来上がりました。

 対して1988年に始まった赤ブーブー通信社のコミックシティは元が同人誌印刷会社のイベント部門であり、あくまで同人誌をたくさん刷って売買してもらうためのイベントでしたから、早期にコスプレを禁止しています。コスプレして集まれる大型イベントがコミケの他には殆どありませんでした。

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資料:2005年発行のコミケ30周年記念誌のコスプレ項目では、上記の更衣室の統括を20年近く勤めていた牛島えっさい氏の寄稿で、コミケ内でコスプレのルールや風当たりが厳しくなっていく過程が記されている。だいたいの問題は著作権ではなく露出度や安全面で起きているのは現在でも同じ…。(PDFリンク
 
[90年代~ コミケルールがコスプレイベント全体へと拡大]
 1990年代に入ると対戦型アーケードゲームや家庭用ハード次世代機戦争によるグラフィック向上を経て、格闘ゲーム・RPGゲーム、さらにセラムンブームなど重なってコスプレイヤー人口が急拡大していきます。
 この時期、同人誌即売会以外での独立した小規模コスプレイベント(まだデジカメが存在しないのでその多くはダンパ=ダンスパーティ形式です)が立ち上がっていきますが、その多くがコミケのコスプレルールをほぼそのまま転用していました。
 つまりコミケのコスプレルール=コスプレ界全体のルールの様に扱われていた訳です。

 察しの良い人はお気づきでしょう。つまり元は著作権云々ではなく、露出度の高い衣装への警察から風紀上の指導で「コスプレでイベント参加する際は必ず更衣室を使用する事」だったのが、いつの間にか「更衣室のあるイベント以外ではコスプレしてはいけない」に誤認され、訂正されないまま広まっていったのです。
 それは法律論ではなく、イベント団体が定めたローカルルールでもない、でも共通認識のように持たれていた〝コスプレ村のオキテ〟みたいなものでした。

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 社会全体に目を広げると、平成の始まった1989年に逮捕された連続幼女誘拐殺人事件の容疑者がコミケへのサークル出展歴を持っていた事から全国的な“オタクバッシング”“有害コミック規制運動”が始まります。
 1995年にはオウム真理教の地下鉄サリン事件が発生し、異様な服装をした集団(オウムは当初、駅前で変な格好での路上パフォーマンスを行っていた)に対する社会不安が広がります。

 ロリコンもオウムも最初は〝面白い変わり者〟として見られていたのが、社会への脅威に変貌しました。
 世間からオタク文化への不安視、異様な服装の集団への不安視が強くなった時代において、徐々に拡大しつつあったコスプレイベントは、しかし徹底的に世間の目から隔離するようになります。
 この時代においては「(更衣室のある)イベント以外ではコスプレしてはいけない」という共通認識は、たとえ誤解から広まったとしても、それはそれで仕方なかったのでしょう。
 とにかく世間から隠れなくてはいけなかった…当時を生きた人間としてもそう思います。

 また、言っちゃ何ですがこの誤解はコスプレイベントを主催する団体にとってはとても都合の良いものでした。だって「(更衣室のある)イベント以外でコスプレしてはいけない」という認識が共通していれば、コスプレしたい人は皆、イベントに参加してお金を払ってくれますから。

C_NET禁止事項
C_NET禁止事項アップ
資料:インターネットが普及していない90年代において、毎月発行で全国の同人誌即売会やコスプレダンパ情報を掲載していた「C-NET」。アニメショップでも販売されていたので購読した人は多い。ワープロ打ちの圧縮掲載で紙面の文章量を軽量化する必要があり、全イベント共通の禁止事項ページに「コスプレのままでの来場禁止」が記されていた(赤枠)。これが“コスプレ村のオキテ”が拡大した理由でもある。実際には一律ではなく新宿歌舞伎町のダンスクラブ絵夢などはコスプレのままで来場可であった。
 なお、コミケ準備会更衣室担当のえっさい氏、C-NETの南編集長(となりでコスプレ博の福島代表と同一人物)ともに、ルールを厳しくせざる得なかった時代と立場の人でもあり、緩くできるならその方が良いという意向を示している(いた)。
 
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 日本経済がどうしようもない不況下でサブカル文化での消費が注目され始めた1990年代末頃から、日本でも少しずつハロウィンが(商業的な都合で)導入されていきます。
 1997年には川崎ハロウィンパレード、後楽園ハロウィンフェスタ、ディズニーハロウィンなど、屋外での一般人と混在したコスプレイベントが始まります。実際にはハロウィン仮装というより主にコスプレイヤーを集客していた面がありますが、最初はハロウィンにかこつけて始めたイベントでした。最初は上手くいかなくても、何回か経て形になっていきます。
 ハロウィン仮装とコスプレの違いについても度々議論になりますが、感情論においてはもちろん違いはありますが、実際には持ちつ持たれつ、互いに利用し合う関係だった訳です。
 後楽園ハロウィンは後にTDCコスプレフェス/TDCレイヤーズパラダイスとなって現在まで定期的に開催されており、2000年代に入るとこのパターンを模して各地のテーマパークや商業施設でコスプレイベントが始まります。バブルの頃に作ってしまった、背景が綺麗で人が少ないテーマパークというのがコスプレイヤーを集めるのに魅力的だったからです。
 これらは開催の都度、多くの一般人の前でコスプレイヤーが闊歩する事への批判が2chのスレを賑わせましたが、イベントとしてほぼ減る事なく広まっていったのが答えです。

 2003年にはテレビ愛知による愛知万博への便乗企画として世界コスプレサミットが開始。数年かけて外務省も後援する国際的イベントに発展していきます。海外の大型アニメイベントを参考にフリーダム化し、県や市といった自治体が実行委員会形式でも入っているので、あえてコスプレイベントとしての厳密な範囲を設定せず、名古屋市内ではコスプレのまま来場や公共交通を使用できます。
 地方経済が疲弊する中で〝アニメ・コスプレで町おこし〟が注目され、2010年代には「らき☆すた」ブームで鷲宮神社の土師祭コラボなども相まって、全国各地に自治体後援の大型コスプレイベントが発生していきます。
 これらは公共施設を安く使わせてくれたりするので概ね参加費が安く、更衣室使用が義務ではない場合もあります。自治体にしてみれば更衣室使用料ではなく、たくさんのコスプレイヤーと見物人が来る事で地元の交通機関や飲食店や宿泊施設にお金を落としてもらった方が良いからです。
(とは言え、コスサミは更衣室なし参加券を設定して、その料金が更衣室あり料金と変わらなくなりつつあるのでどうにかならんか…という話を前回書いたけど誰も読まなかったな…)

 00年代後半からデジタル一眼レフのブーム、そしてリーマンショックによる不景気からプロ用の撮影スタジオが個人への貸し出しを始め、地方都市の空いた雑居ビルがコスプレ撮影スタジオへと姿を変えます。「イベント以外ではコスプレしてはいけない」に、「撮影用スタジオなら可能」の意識も加わりました。
 また観光協会を絡めたロケ誘致なども盛んに行われるようになります。コスプレが金を落とす存在として認識されつつありました。ビジネスに組み込まれる事で、社会に居場所ができていくのです。
 
[ネットを介した議論は、同調圧力を生みやすかった]
 ネット時代を迎えて、コスプレに関しての議論の場ですが…。
 まず2ちゃんねるですが、悪名高いコスプレ板は2ch内でも比較的古参の板でした。1999年に新設された旧ネットアイドル版が(初期からコスプレイヤー晒し&叩きに利用される事が多かったので)半年後に改称したものです。
 2000年代に入ってからはmixi,Cure,コスプレイヤーズアーカイブといった簡単に写真を投稿できるSNSが次々と普及し、コスプレイベントの楽しみ方が旧来のダンパ形式から、クオリティの高い写真を撮影してSNSにアップする事が主流になっていきます。
 これらにより、コスプレイベントの形がそれまでの“アニソンダンパで踊る”から、“クオリティの高い写真を撮る”にシフトしていきます。そうすると踊る人よりアート志向の人が増えるので、よく言えば“意識が高い”、悪く言えば“面倒くさい”人が増えます。

 そしてイベント以外でコスプレする行為に対する議論の場も2chからこれらSNS内に移っていくのですが、基本的に建設的な議論としてはあまり成立していませんでした。
 「(更衣室のある)イベント以外でコスプレしてはいけない」という認識がまだ強い時代、2chスレ住人やコスプレ系SNSユーザーやmixiのコスプレ系コミュニティ参加者は、その同質性が高いのでどうしても〝コスプレ村〟内の同調圧力が強く、殆どがこれら公共スペースでのコスプレ・イベント以外でのコスプレを叩く方に行ってしまい、たまに擁護した人までも叩かれるのです。

 2005年頃からはTV版「電車男」ブームから派生する形でのアキバブーム・萌えブーム・メイドブーム・ゴスロリブームなどにも拡大、メイド服やゴスロリ姿で路上を闊歩する愛好家(という映像をTVでは使いたがるので)に対して、なぜコスプレで路上に出る事がマナー違反として叩かれるのか?ゴスロリと何が違うのか?という疑問の声も上がりました。が、やはりSNS上では圧倒的に否定派が多く、議論としては成立しにくいものでした。
 一例ですが2012年公開映画「ロボジー」では、北九州市でのイベント帰りに衣装のままタクシーを使うコスプレイヤー達が登場しますが、これもTV放送された際に炎上しました。
 メディアが以前よりはコスプレその他のオタク文化をイロモノながらポジティブに取り上げるようになりつつありましたが、それがSNSを介して旧来の価値観との摩擦が起きやすくなってきたのです。
(「捏造コスはイベントを避けスタジオで行う」みたいな先鋭化した独自マナー論が流布されるようになったのも、SNSが普及したこの時期ですね…カイブのコスプレ知恵袋とか)
カイブ質問箱
資料:SNSコスプレイヤーズアーカイブ内でも悪名高き「コスプレ知恵袋」コーナー!ここでも「イベント以外 コスプレ」で検察すると質問が多々出てくるが、純粋に質問しただけで問答無用で怒られる程度にはタブー視されていた。
ちなみにカイブの運営会社は現在CLAP'S(推しレイヤー応援アプリ)にシフトし、課金バトルを勝ち抜いたレイヤーを駅の大型ポスターやローカル放送の深夜CMに起用(という建前で各レイヤーの応援者に課金させるビジネス)を展開している。
 
 2010年中盤でツイッターの時代になると、ようやくコスプレ村に対して外側の視点が入ってきて、もうちょっと広い視点で議論として成立するようになります。
 同時にイベント以外でのコスプレ自体は法的には禁止されていない事や、マナー論というのが時代や地域ごとに変わって絶対ではないという認識も生まれていきます。

 近年は特に若者向けの動画投稿サイトやSNSで、インフルエンサーらが全く別の姿に変身するコスプレ企画(で安易に再生数を稼ごうとする不埒な商売)するのも定番です。
 またコスプレイヤーをタレント的にメディアに使用する(という建前で何の芸能スキルも持たないハダカ路線の女性らを「コスプレのプロ」と持ち上げる不埒な商売)例も出てきました。
 政府が省庁を横断して展開するクールジャパン関連の事業にコスプレイベントやコスプレイヤーが関わる(という建前で代理店や芸能事務所が行政機関から予算を引っ張ろうとする不埒な商売)例もあります。

 こうなってくると、かつてオタク文化に対して不安・不信を抱いていた社会全体が、コスプレを〝見慣れてしまった〟というのが正しいでしょうか。別にコスプレを好きになった訳じゃないけど、以前ほど危険視せず「どうでもいい」くらいの意味で。
 だから、著作権云々じゃないんですね。あくまで世間がどう見るか。敵視するのか、面白がるのか。
 うる星やつらブームの頃に警察に睨まれ、参加者拡大期で対応に苦心したコミケでは会場外でのコスプレを禁止しなくてはいけなかったし、その後のオタクバッシングやオウム事件での世間の風当たりの強さからはコスプレを隔離する必要があった。
 だから他のコスプレイベントも同じ様に「イベント参加する際は更衣室を使用する事」をルール化して、いつの間にかそれは「(更衣室のある)イベント・スタジオ以外ではコスプレしてはいけない」に拡大解釈されてしまった。 
 でも、今やTV番組の企画で有名人たちが本格的なコスプレ姿を披露し、好意的なスタンスでコスプレイベントやコスプレイヤーの映像を流し、アイドルが「趣味はコスプレです」と発言できる。
 そうなると一般人がコスプレに遭遇しても、かつてのように「もしや反社会的カルト集団!?」という危険なイメージではなく、「あぁ、アレがコスプレか」くらいのどうでもいい感じで流してくれるので、隠す事の意味が薄れていってるのです。

 かつて不文律であり絶対視されていた「(更衣室のある)イベント・スタジオ以外ではコスプレしてはいけない」は、徐々にですが変わりつつあるのでしょうね。
 

[2025年4月追記]: 2025年4月から始まった大阪関西万博において、(厳密には公共スペースではないものの)会場へのコスプレでの入場が「コスプレまたは仮装をしての入場は可能ですか」項目で明確にルール化されており、更衣室は無いけど一定の条件下でコスプレ入場を認めているのですが、これさえも「更衣室は用意されてない以上、実質禁止だ」に読み替えてコスプレ入場者を攻撃している人がいるのは、上記のような「(更衣室のある)イベント・スタジオ以外ではコスプレしてはいけない」の時代が長かったために、その意識を引きずっているものと考えられます。


■第三部 まとめ&私見

 これらの対立は、法律論や歴史的経緯を並べてもまだ納得しない人は納得しませんし、何事も許さない人は許さないのです。だって許せないから。

 公共スペースや公衆の前でコスプレすることに否定的な人は、例えば「コスプレイベントではない公園やオタクイベントでコスプレ可否についてHPには書かれてないから、自分で施設管理団体やイベント主催者に問合せして、OKをもらってコスプレで参加した」←これすらも許せないという人がいて、たびたび炎上しています。最初にコスプレ可能と明確に書いてあるイベントや施設以外に、コスプレでの参加をお願いする行為そのものがアウト判定を受けるからです。
 あるいは、コスプレ可能と書いてあっても結局「実際には歓迎していない」「禁止されてないだけでやっていい訳じゃない」などと言って制限をかけようとしがちです。
 コスプレ嫌いなアンチ層はこれを視界に入れたくないですし、コスプレイヤーだけどイベント以外でのコスプレ否定派はそういった村のオキテを破る人間を(例え施設や主催者に許可取ってても)許せないです。

 若人がコスプレを始めるにあたって資格は必要ないし別に講習会を受けて参入したりしてないので、コスプレ活動する初期に所属したり参考にした人達のコミュニティ内の価値観がそのまま代替わりしながら引き継がれていく傾向があります。
 自分が始めた時に周りの先輩から徹底的に「ダメ!」と言われていた事が、他の地域・世代・コミュニティでは堂々と行われてしまうと、やっぱり感情的にすんなり受け入れられないのです。

 こうした感情論は時により大きな主語での装飾を伴って、自分の不快や不安を言い換えて「暗黙のルールです」「過去のレイヤーが守ってきたものを壊さないでください」「コスプレ嫌いな人だっているんです」「公式から怒られてその作品のコスプレ全面禁止になったら責任取れるんですか?」etc…。

 正直、かくいう私も過去にはこうしたマナー論を押し付ける側だったと思うので、これを言いたくなる心境はすごく分かるのです。誰かの暴走と不始末のせいで、自分たちの〝場〟が無くなってしまうんじゃないか…という不安は常にありましたから。

 この世界は「好き」の感情の他に「嫌い」という感情も渦巻いてて、とりわけオタクの世界、特にコスプレに関わる世界は感情論でモノを言いがちなので。
 私はそれが一概に間違ってるとも思いません。コスプレ村が感情論から切り離される事は無いでしょう。
 でも感情論を無視したり茶化すのではなく、今の時代で活動している現役のコスプレイヤーやコスプレイベント団体、あるいはコスプレイヤーを受け入れる施設などが、(村のオキテだけではなく)法律論や歴史的経緯の認識とどう折り合い付けていくかがきっと重要なので。

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 ここまで書いといてじゃあ自分はどうなんだと問われたら?
 …ハッキリ言って、イベントやスタジオ以外での公共スペースでのコスプレなんて、自分ではやりたいと思わないです。
 着ぐるみレイヤーの端くれなので〝公式のアトラクションと間違われる〟危険性がありますし、悪目立ちしやすいですし、その後に起こる炎上リスクも充分に知っています。公共スペースでも何らかのイベントの参加だったら、他のコスプレイヤーもいて紛れるので公式と誤解される危険性は低くなりますから。

 でも、他の人達がそんなリスクを知ってか知らずか、問い合わせしたり調べたりして、それで公共スペースでもコスプレしてみたいと考えて行動するならば、それは別に止める事ではないと自分では思います(ヒーローの着ぐるみなら止めとけと言います)。
 むしろ、言い返せるくらいになってくれるならそれで良いです。
 自分達の世代で過去に絶対視されてきた〝コスプレ村のオキテ〟が、意識も背景もツールも違う時代に、永遠にそのまま通用する訳は無いので。

 振り返れば、同じような議論の繰り返しです。
 90年代末に遊園地でのコスプレイベントが始まった時も、
 00年代に公園や商店街を使った町おこしコスプレイベントが広まった時も、
 10年代にハロウィンブームへの便乗コスプレが増えた時も、
 そしてSNS時代にフルオープンでコスプレ画像を投稿するようになった時も、
 「一般人にコスプレを見せるな」「権利者から怒られたらどう責任取るんだ」みたいな、同じような議論を何度も何度も繰り返して、でもそれらが次の時代への新しい潮流になっていったのですから。

 以上、いつも以上に長々と書きましたが、参考にしていただければ幸いです。
 何か大きな事例があったら追記していきますので。



【告知1】
 2024年の8月下旬から1カ月間の土日を費やして書き記した大長編、世界コスプレサミット2024のレポ(ちゃんと取材パス申請したんですよ)が、公開2カ月間で前編35後編38PVという記録的な低さで泣きそうなので、なんか長い文章が読みたいと思う奇特な人!いたら読んで!!
 こんな紛争と戦争ばっかりやってる時代だからこそ、この奇祭には価値があるのだよ。

・世界コスプレサミット2024レポ前編:全36カ国代表チーム演目ふりかえり!
https://zubunuretiwawa.ldblog.jp/archives/61816579.html
・世界コスプレサミット2024レポ後編:パレード~街歩き~終幕
https://zubunuretiwawa.ldblog.jp/archives/61828164.html 

【告知2】
 えー、毎年恒例ですが、ネット上を駆け巡った様々な〝学級会〟を、法律論・歴史的経緯・伝言ゲーム元情報などから研究して記録している「同人・コスプレ学級会 傾向と対策」シリーズの2024年版が、c105冬コミ2日目の東3ホール〝ア〟16-b 旅と怪獣 にて発行です。
 ネット上を駆けめぐった毎年の学級会を、法律論・歴史的経緯・伝言ゲームから大研究してます。
 胃が痛くなる思いしながら原稿書いてますよろしく。冬コミ後はBOOTHで通販しますんで…。
https://zubunuretiwawa.booth.pm/ 
2024収録予定一部: ゲ謎グッズが迷い込んだ同人因習村/「何でも許せる人向け」が許せない/飲食店でのぬい撮りで食器と接触させるのは不衛生/恥ずかしい同人誌の国会図書館への納本を阻止したい/格ゲーキャラのコスプレするなら格闘技経験は必須か/赤ブーは女性向けイベントなので男性作家のサークル参加は配慮すべきか/カジュアルおばさんと呼ばないで/ブルアカオンリーイベントで同人AV購入者から男優募集/アコスタ炎上三部作(着せ恋ドラマ撮影一週間前に版権フリー衣装エキストラ募集・球場イベントで女性更衣室エリアに男性侵入・六甲アイランドで同日開催の小規模イベント中止へ)etc