2010,10,31。東映大泉撮影所のイベント「第2回 聖地・大泉まつり」では、展示されている撮影用ロボスーツの周りを回って、ひたすらスーツの継ぎ目やら、関節の可動範囲やら、マスクの覗き穴をチェックしてる、割と特殊な趣味の人がいたらしいですよ…。


   ま、アタシなんですけど。

   そんなわけで1時間半かけて東映撮影所まで行きながら、プリキュアの着ぐるみや殿の玉座には目もくれず、ひたすらロボ撮影に徹した「第2回   聖地・大泉まつり」レポでございます。
   プリキュア見たい人は、他の人の日記を見るように!


1055016_830609518_15largeギャラクシーメガ
ギャラクシーメガ(1997:電磁戦隊メガレンジャー)
   円盤型の宇宙ステーションが変形するロボなので、側面から見ると一部に円盤のモチーフが入っている事が分かる。
   SFテイストな小型ノズルなどが各所に配置されているのだが、足パーツ側面・裏側のディティールは造型ではなくシートに印刷だった。背面の造型も前面に比べると簡素。当時そこまで細かいディティールを要求される時代ではなかったので(一般的にはDVDじゃなくってVHSの時代だし)、強度や効率を優先したのかもしれない。
   また太腿のパーツが小さく、ヒザ下が長いので、足が長く見える。
   ちなみにメガレンジャーから、東映は編集作業をデジタルで行う様になったんじゃなかっただろうか。


1055016_830609409_123largeギンガイオー
ギンガイオー(1998:星獣戦隊ギンガマン)
   剣を必殺技に使わない珍しい1号ロボで、背面のガルコンボウガンを取り外して、巨大バルバン魔人に矢を射ってトドメを刺していた。
   経年劣化でシートが剥がれつつある部分も有るが、形そのものはしっかりしている。胸のVマークや全体的に四角い造型に、昭和の匂いを感じるのはオッサンなのでしょうか?
   全体像はかなりヒザ下のパーツが小さく、パッと見は短足に見えてしまうかもしれない…ってゆーか、太腿のパーツは当時品ではない?くるぶしから下も、当時はもっと大きく、高かった筈。太腿とくるぶし以下を展示用に作り直したのかな?
   なお戦隊ロボの拳は90年代までは、同じ型を数年ずつ使い回しており、前後の作品のロボにも同じ様な拳が使われていたりする(事もある)。


1055016_830609316_111large
タイムロボ
タイムロボα(2000:未来戦隊タイムレンジャー)
   今見ると2000年代とは思えない程シンプルな造型。
   SF的な5体のジェットが、異なる合体パターンでαβの2種類のロボになる…というコンセプトで、トドメを刺す際はこのα形態で時空剣を使って“圧縮冷凍”の刑に処すというものだが、2000年以降の戦隊ではブッチギリの不人気商品となってしまった。
   胸のクリスタル(Vシネマではここから時空を超えてゴーゴーファイブのビクトリーロボを召還)は半透明で、合わせ鏡の回廊の様な奥の造型も美しい。クリスタル部分に若干キズが目立ったのは、頻繁に弾着を使用しなくてはならない戦隊ロボのスーツでは、名誉の負傷。
   β形態のスーツは展示されていなかった。見比べたかったけど。


1055016_830609308_97large
旋風神
天雷旋風神(2002:忍風戦隊ハリケンジャー)
   3体合体+2体合体+変形ロボ+小型メカ…という、大質量を誇るゴテゴテ感タップリの最強合体ロボ。
   これまで以上の巨大感を出すため、頭部…というか顔が非常に小さく造型されているのが分かる。
   そして着ぐるみとしても巨大な両腕は、重そうな上に可動範囲が狭く、構えるだけで相当の重労働だったハズ。
   また背面に回ると、天空神の巨大ジャイロなども情け容赦なくぶら下がっており、重量はとんでもない事になっているのでは…。
   後頭部にはハリケンホークの目もちゃんと付いている。


1055016_830609542_56largeデカウイング
デカウイングロボ(2004:特捜戦隊デカレンジャー)
   宇宙警察地球署の4号ロボ。ジェット機が5体合体するアイデアは他にも有ったが、巨大な銃モードにも変型可なのが特長。(スーツでは不可。当然じゃが)
   パトライトをモチーフとした頭部や胸部の半透明(電飾入り)が美しい。
   ヒジ等からもウイングが延びていたりして、背中の大ウイングと共に格闘時に揺れて、動きの有る映像を作る事が出来る。
   ヒザ下のパーツが非常にデカイので、内股がぶつかって歩き難かったのではないだろうか?そんな事は視聴者が心配しなくていいんだけど。
  

1055016_830609392_86large
トラベリオン-
トラベリオン(2005:魔法戦隊マジレンジャー)
   魔法の汽車が変形した2号ロボのトラベリオン。実にズングリムックリ。
   曲線デザインのパーツやモールドが多いが、丁寧に作られている。
   デザイン上、太腿は存在せず、ヒザが曲がらないので、歩くのは大変だったんだろうな…
   よく見るとヒジの後ろに黒いパーツが当てられ、隙間からなるべくボディスーツの部分やアクターのシルエットを見せない様、工夫してある。


1055016_830609342_208large
ダイボウケン
ダイボウケン(2006:轟轟戦隊ボウケンジャー)
   1号ロボでありながらケレン味の少ない、作業用機械やトランスフォーマーの様なシルエット。
   しかし土木車両や実在の乗り物が合体している設定なので、タイヤ・パイプ・シリンダー・キャタピラなど、一つ一つのパーツに細かいモールドが多く、造型の手間を考えると気が遠くなりそう…。
   ウェザリング(汚し)塗装も行き届いており、金属で作られた巨大な機械のカタマリのイメージが渋い。
   そして岡元次郎さんがアクターを務める戦隊ロボは、太股の辺りがゆったりとしている気がする…?


1055016_830609329_208large
ゲキファイヤー-
ゲキファイヤー(2007:獣拳戦隊ゲキレンジャー)
   中盤で登場した2号ロボ。
   ゴリラをモチーフにした両腕は、スーツで見ると画面以上にデカイ。しかし手甲の部分は実はさほど大きくはなく、肩と拳・手首周りをひたすら巨大にして見栄えを大げさにしている。それでも、こんな巨大な拳を振り回すだけでもモノ凄い腕力が必要だろう。
   腹部のパーツはボディスーツに直貼りされており、ウエストの可動範囲を広くとって、格闘をしやすくなっているようだ。
   また、よく見ると顔の表情、特に口元の結び方など、実にふてぶてしい良い表情をしている。
   スポーツ用ヘルメットと一体化したデザインの、ゴーグルから覗く切れ長の目も凛々しい。


1055016_830609296_211large
ゲキトージャ
ゲキトージャ(2007:獣拳戦隊ゲキレンジャー)
   ゲキの1号ロボ。一体だけ撮影所ではなく隣の映画館に飾られていた。見つけられなかった人も多いのでは?
   そして逆光なので撮りづらい…。
   戦隊ロボには珍しく、腹部や二の腕がボディスーツに直に彩色した状態(ウルトラマンのスーツの様な)になっている。
   また、ゲキトージャにも拳パーツが2種用意されていた筈。スチール写真などで使われる巨大な拳パーツの大バージョン、手の甲のみパーツで覆って指を動かせる様にした小バージョン。…これは小バージョンかな?他のロボは大バージョンの拳で展示されてるんだけど。
   胸のパーツは半透明で奥に銀の立体ラインが入っていて、光を反射して動きに映える。
   足首のチーターとジャガーの頭はくるぶしパーツに固定されてるのかと思いきや、その間に軟質のパーツでアクターの足を覆っていて、その軟質パーツの上に貼り込まれていた。ここが格闘ロボらしいコンセプトで、足首の動きを制約しない造型なのだな。
   そういえばゲキトージャは歴代でほぼ唯一、“走る”事の出来る戦隊ロボなのである。
   全体的なシルエットは、腰パーツとヒザカバーの位置が高いので足が長く見えて、それでいて足の動きを制約しない高度な造型…なのだが、当時は子供もオタクも「仮面ライダー電王」に夢中だったという…うぅ。


ゴセイコクピット
グランドゴセイグレートのコクピット(放送中:天装戦隊ゴセイジャー)
   奥の方にゴセイナイトのヘッダーが。画面上で分りやすくするためか、操縦レバーはかなり長い。
   天井のライトはよく見ると天使の輪の様になっていた。
   この撮影セット自体、底面にキャスターが付いており、移動できる模様。実際にまだ撮影に使用中ですからね。


シンケンコクピット
シンケンオーのコクピット(2009:侍戦隊シンケンジャー)
   こちらは撮影後バラされていたものを記念撮影用に並べているので、撮影時のセットのままではない模様。
   しかし5つのコクピットの側面等、TVには殆ど映らない部分がよく見える。
   5つに共通で付けられている前面の水引など、見逃してしまいがちな部分だが、かなりしっかりと造型されている。
  

   他、天知天文研究所の内部セットも見学でき、TVに殆ど映らない部分の細かい装飾や、アラタによって創作された(設定の)アバンギャルドな似顔絵や粘土人形の小道具も鑑賞できた。
   本棚に並んでる中に、「上手なうさぎの飼育方法」入門編・応用編が有ったのだが、お遊びだろうか?
  
×   ×   ×   ×   ×

トラック野郎
   東映の歴史、映画台本がズラリ。
   手前のポスターは「トラック野郎」シリーズ。
   多くはヤクザ映画でしたが、他には東映が社運を賭け(てしまっ)た「北京原人」(1997)の劇中ポスターも!ある意味、東映の黒歴史とも言える作品をネタにするとは…度胸あるな!
   どうでもいいけどこの90年代終盤の東映って、「プライド 運命の瞬間」とか「カンゾー先生」とか、迷走してた気がする。

 
殿玉座
殿の玉座(2009:侍戦隊シンケンジャー)は記念撮影の列が1時間待ち。

屋台
ゴールド寿司の屋台(2009:侍戦隊シンケンジャー)は記念撮影の列が30分待ち。
   水槽のエビ・イカは玩具より二回り大きい。
   源太の手元はTV画面ではよく見えないけれど、大きな急須・ガリ入れ・おひつ等が並んでいる。
   もう一つ暖簾に隠れてTV画面ではよく見えないけれど、上部には寿司ネタの木札が掲げられている。

1055016_830609558_159large
   そして骨のシタリさんがスタジオの窓から眺めていたのを、気がついた人はどれだけいるんでしょうか。
   このタイミングでスーツ飾ってるって事は、「ゴセイジャーVSシンケンジャー」に再登場…って事ですよね?きっと。

×   ×   ×   ×   ×

   いやー、沢山の戦隊ロボが見られて眼福でした!
   まぁ比べる事すらおこがましいですが、素人がペーパークラフトでチマチマ自作してるコスプレなんかとは、次元が三つくらい違う、崇高な世界でしたね…さすがレインボー造型。

   今回は展示されてなかったけど、他サイトの過去イベレポなど読むと、戦隊ロボのスーツは少なくともフラッシュキング(1986)以降は現存してるらしいので、また別の機会に拝見したいものです。


人気ブログランキングへCOSBLOGランキング
↑よろしければポチッと。