駄チワワ:旅と怪獣舎

コスプレ・同人・特撮、たまにプロレスなどを“読む”ブログ。ちょいちょい足を運んだり調べたり。歴史やムーブメントとしての記録や考察やら、とにかく書いて残します。 特撮ファンの着ぐるみコスプレイヤー、駄チワワが書いてます。一つの資料としてお使い頂ければ。

コスプレに関する話題

『ブログ読んでるよ』はこっそり教えてくれると喜びます。
「同人・コスプレ学級会 傾向と対策」最新号をBOOTHで販売しています。https://zubunuretiwawa.booth.pm/items/3587264
あと過去に寄稿していたコスプレイヤーズアーカイブのコラムは https://www.cosp.jp/news_corner.aspx?id=12

歴史と資料から見る「公共スペースでのコスプレ」議論

 こんにちは。学級会ソムリエ的な事をしている人です。
 2024年11月現在、何度目かもわからないほど繰り返し繰り返しの炎上沙汰で、またまたまたまた公共スペース(もしくは公共スペースではないが公衆の前、と混同されている)でのコスプレが議論になっていたそうで、これはこの30年くらい繰り返されてそれでも時代が変わっていってるのですが、どうもこれを議論する方々の中で、公共スペースでのコスプレが忌避されるようになった経緯を知らずに場当たり的な擬似著作権や俺マナー論になってしまっているパターンが非常に多いので、客観的な事実としてその歴史的経緯と法律論での扱いをまとめておきます。ザッと1万3000文字ほど。

 「二次創作は本来、全て違法であり~」みたいに、明らかに法律論を踏まえてないような、ふにゃふにゃ匿名注意喚起ツイートが何度もバズッたりするのは文化的によくありません。
 「グレーゾーン」という言い方もよく使われていて、それも間違いではないのですが、では過去にどういったクロ判定があったり、どうすればシロに近い状況にできるのかという個々の法律や事例を挙げて考えてる人って意外と少なくて、ただ漠然とぼんやりした全体的なイメージで「グレーゾーン」という言葉を使って、それ以上深くは考えてない人もいるでしょう。
 賛成も否定も、過去の歴史的経緯や法律論を知っておけば、考えを深める事ができるのではないでしょうか。

※以下、何かあったらちょいちょい修正や追記していくつもりです。
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フェスティバルウォーク蘇我で最後の?コスプレ開放

[ここまでのあらすじ]
 2000年代初頭…千葉県千葉市湾岸エリア。川崎製鉄と日本鋼管の統合により発足したJFEスチールが事業を再編、その所有していた工場地帯の隙間に開発の波が押し寄せました。
 ハーバーシティ蘇我計画。中核はアリオ蘇我。イトーヨーカドーを核とするショッピングモールで、その周辺に飲食店やホームセンターが並ぶ、巨大商業エリアが生まれていきます。
 2005年、ハーバーシティ蘇我の第一弾として3区画がオープン。アリオ蘇我・ホームズ蘇我とともにその海沿いの一角を成したのがフェスティバルウォーク蘇我。ごく初期を除いて、セガが管理運営する娯楽施設として、映画館やパチンコやゲームセンターが核となり日帰り温泉やホビーショップも出店しました。

 こんな時にはやっぱり資料的に役立つ古代遺跡コスプレイヤーズアーカイブに蓄積された記録によれば、「コスプレ開放」イベントの第一回は2007年の7/21。同年だけで5回開催されています。
 多い日には数百人規模で参加者が来場するコスプレイベントというのは、千葉県では幕張メッセの複合型イベントを除いて殆ど存在しない規模でした。
 当時猛威を振るったのが「仮面ライダー電王」、そして秋頃からは初音ミクブームが始まります。ボカロブームはサービス開始直後だったニコニコ動画・ピクシブを潤し、そして副次的にコスプレイヤーズアーカイブのユーザー拡大にも寄与しました。
 振り返れば00年代は、バブル期に建造されたテーマパークや、大店法の規制撤廃から乱立を招いたショッピングモールやアミューズメント施設を使って、新規コスプレイベントが広がっていった時期でもあります。
 過疎テーマパークやショッピングモールは背景が綺麗で、それでいて一般客が少ないというのがコスプレイベントとしての集客には理想的な環境だったからです。



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コミケのナチス軍服コスプレ騒動、資料と経緯の整理

 2022年12月末のc101、2023年8月のc102、立て続けに旧ドイツ軍つまりナチス軍服のコスプレの是非が議論になってますね。
 前者はアメリカ人の参加者がナチス軍服のコスプレを見て疑問ツイートした事が発端で、ご本人が後に撤回しています。
 後者はサークル参加していた専修大学戦史研究会がナチス軍服でサークルにいる告知画像をアップした事が発端で、後に広報写真として用いるには思慮を欠いていた(ナチス軍服コスそのものではなく広報写真としての投稿が)として謝罪しています。

 これらの騒動で度々持ち出されるのが、1996年の冬コミc51において発生した〝ナチス軍服抗議事件〟(あるいはナチス禁止事件とか、通称は統一されていない)です。
 同年の夏コミで新会場の東京ビッグサイトに移行してからまだ2回目の開催時とあって、既に27年が経過し、記憶が風化している人もいればSNSで当時の資料や証言が出ている部分もあるので、その後の波及も含めてちょっと振り返ってみます。
 結論を先に言うとコミケはナチス軍服コスプレを「禁止していない」のですが、そこに至る経緯もある訳で、禁止していない理由を含めて考えてみるべきではないでしょうか。0か100かの二元論ではなく。
 なお便宜上は「事件」と書きますが、これらは法的な意味での事件としては立件されたりはしていません。
 またナチス軍服コスプレはこの時期に突然発生した訳ではなく、それまでもコミケ内のミリタリーの一ジャンルとしてずっと問題なく存在し続けていた事も先に書いておきます。
 
・コミケ51でのドイツ軍コスプレ規制の経緯 - Togetter
(2016年に一水会の鈴木邦夫氏がナチス軍服でコミケに来て問題になった回想録をした事が発端)
https://togetter.com/li/1047396
・「コミケで見たコスプレヤー。アメリカ人としてよく理解できない」鉤十字腕章をつけたナチス軍服コスプレについて - Togetter
(c101における炎上の経緯)
https://togetter.com/li/2030245
・専修大学戦史研究会 今回の騒動について
(c102における炎上への謝罪)
https://twitter.com/senkenHQ/status/1691087294600474625
 
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再開後コミケのコスプレ事情:更衣室データ編

 約2年間のコミケ中止延期期間を経て、再開を迎えた2021冬c99は上限規制により2日間で全体の入場11万人。コスプレ更衣室登録数は男性753:女性2066:合計2819人。
 その8ヵ月後の若干制限が緩和された2022夏c100は2日間で全体の入場17万人。更衣室は男性1149:女性3210:合計4359人。
 で、コスプレイヤー=更衣室登録数の最盛期だった2015冬c89と比較すると、c99で更衣室登録数10%程度。c100で同15%程度。
 少しずつ戻しつつあるのですが、どうしてもまだ耐える時期が続いています。

 まず、この夏コミックマーケットが無事に100回目を迎えられた事、そのために尽力された方々に感謝と敬意を表します。
 そしてc99からc100で増えた6万人は殆どが一般入場の枠で、サークル参加している者の視点だとc100は一般で買いに回って来てくれる人が前回よりは増えたので、お祭り感も戻ってきたような気がしています。が、あくまで本項ではコスプレ視点で語ります。
 
[更衣室登録数の推移]
コミケ_コスプレ推移2022夏gi

コミケ_コスプレ一覧2022夏

 グラフに入れると哀しい線になるのですが、統計データとして公式発表のコスプレイヤー=更衣室登録数の推移を見える化しておきます。
 今回は準備会公式のc100アフターレポートでデータ部分が公開されたので、主に更衣室のデータな話を書いてみます。特に面白い話は無いです。
 実地編は後日ちゃんと書きますので。

・c100アフターレポート コミックマーケット準備会(この時点では8/23データ部分のみ公開)
https://www.comiket.co.jp/info-a/C100/C100AfterReport.html
・コミックマーケット年表
https://www.comiket.co.jp/archives/Chronology.html


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再開、2021冬コミのコスプレ関連情報を抜粋

“「今できる形」でのコミケットを全ての参加者の皆さんと作るため、お願いすることが多い開催となります。”

 この準備会の公式ツイートが真理だと思います。
 完全な形には程遠く、全く違うイベントのようになってしまうかもしれないし、コミケの趣旨に反する事でも受け入れざる得ない事が出てしまうかもしれない。
 それでも、最初の一歩を踏み出さなければ、次のアクションを起こせない。元に戻るか近づけるために、とりあえず「今できる形」のコミケを再開するという試みは、大いに賛同します。
 今年の夏から世界コスプレサミット、池袋ハロウィンコスプレフェスなどの大型イベントが縮小しつつ再開傾向がありましたので、ついにコミケが動き出す事、それを大きなトラブルなく終える事というのは来年以降の流れを作るためにも重要なのでしょう。

 閑話休題。
 そんな訳で、今回特に変更が多く、人数上限の厳しさを考えたら正直見送りにならなかっただけで奇跡なんじゃないかというコミックマーケット99=C99Aの“コスプレ”関連情報を公式サイト内で拾って、特に重要そうな部分だけ並べてみます。
 あくまで重要な部分のみ抜き出してるので、公式サイトも後で一通り確認しておくように。
 読んだ上で「今回は行かない・コスプレしない」という選択肢もまた重要だと思います。

・コミックマーケット99の開催について
https://www.comiket.co.jp/info-a/C99A/C99ANotice2.html
・コスプレ&コスプレ撮影 サポートページ
https://www.comiket.co.jp/info-p/
・新コミックマーケット99チケット販売について
https://www.comiket.co.jp/info-a/C99A/C99AEntryTicket2.html
・コミックマーケット99サークル向け更衣室利用チケット
https://www.comiket.co.jp/info-c/C99A/C99AEntryTicketCCos.html

ソメイティコミケ1
(何かの罪滅ぼしのためにコミケにサークル参加するソメイティ)
 
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参加者視点から見た、アコスタと密とテレ朝の経緯(追記2)

 なんかテレ朝のグッド!モーニングで流れたアコスタ池袋の映像が取材許可を取っていなかった事ばかり取り沙汰されているものの、問題はいくつか複合的になっていると思うのです。
 
1.取材手法が適切だったかという部分
 →問題あり。取材拒否されたイベントを取材するのはお行儀は悪い。報道の仕事が綺麗事じゃないのは当然だが、会場風景としても無断撮影を嫌うコスプレイヤー側からは心証が悪い。
2.報道内容が事実だったかという部分
 →許容範囲内。捏造や偏向ではなく、緊急事態宣言明けで人流が増しているという文脈での1分程度の映像で、イベント参加者のインタビューもマスク状態で行われている。
3.アコスタ側の混雑に関する部分
 →問題あり。豊島区の公園や公道といった公共スペースを使用するイベントながら、特に公園において完全な〝密
を発生させている。
 
 ネットニュース系ではj-castニュースが早速取り上げてyahooニュースやニコニコニュースにも転載されてますけど、ライターもコメント欄に書き込んでる人たちもイベントの現場そのものを見ている訳ではないし、煽り気味でどうしてもアコスタからの「取材は断っていたのに勝手に撮られた」という旨の発表に沿ってしまい、アコスタ側の問題は上手く棚上げされてしまった感があります。
(大手マスコミ批判というのは当事者以外のネットユーザーを焚き付けて、PVを増やし易い鉄板ネタでもありますが)

 いちコスプレイヤーとしては当然ながら勝手に撮られてニュース映像になってしまうとしたら嫌なのですけど、肝心のイベントとしてはニュースのネタにされてしまうくらい〝密〟対策が緩いのではないか?ってのは、ウヤムヤにされてはいけないと思います。
 私はたまたま6/26,27土日開催されたアコスタ池袋の内、土曜日にコスプレせず一般で参加していてイベントの様子は何となく知ってます(報道された部分は日曜の方ですが)。
 会場付近を歩き回ってイベント全体の様子を見て回る物好きな癖があるもので、分かる範囲で問題部分を整理して、思う所を書いていきます。
 運営側の内部事情は分かりません。あくまで参加者が見える部分でのみ語ります。
 アコスタ参加は何度かしてるけど、思い出補正は特に無い人間です。
 少なくとも、現地にいなかった人が伝聞だけの情報であれやこれや言うよりかは、情報としては意味あるんじゃないでしょうか。

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エアコミケ記念!近年のコミケコスプレ事情を勝手にふり返る

 エア冬コミ!楽しみです。(2020.12記述)
 さて、歴史的に見るに準備会の公式記録だけしか残らないと、その時の細かい出来事や空気みたいなものって情報の洪水や雑音の中で埋もれてしまいそうなので、なるべく個人で集められる情報を定期的にまとめて〝書いて残す〟事にしております。

 この手のブログは毎回ご丁寧に「長い」「ダラダラ書きやがって」的な感想をいただくので、もう開き直ってダラダラ、つらつら、思う限りをまとまらずに書きまくる事にしました。約8000文字。
 冬コミ無くなって年末年始の虚無化した時間にでも読んでくださいませ。

 サークル申込ジャンルとして写真集の売買を前提とした〝コスプレ〟(ジャンルコード911)と、売買を伴わない表現活動としてのコスプレを扱います。防災公園問題とか、えげつない話は今回は外しました。

 昨今、何が起きているかは書くけど、別に断罪はしないのだ。
 ネットの世界は単純な悪者探しになりやすいので、そうじゃなくて構造として何がどうしてこうなったか、を記す事が目的。

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コスプレイベント巨大化時代の終わりと転換期を考える

 池袋ハロウィンの9/16リアル開催中止発表をもって、悪い言い方すれば年内の大型コスプレイベントはほぼ全滅が確定。
 振り返れば3月以降、コスプレメインの大型イベントとしては日本橋ストリートフェスタ、ラグコス春、ホココス春秋、世界コスプレサミット、アニ玉祭、刈谷アニメコレクション、立川あにきゃん、豊橋ぽぷかる、川崎ハロウィン、富士山コスプレ世界大会などなど中止。
 コスプレを含む総合イベントとしてはアニメジャパン、ニコニコ超会議、コミックマーケット夏冬、東京ゲームショウ、ワンフェス秋、東京コミコンなどなど中止。
(上記には一部の縮小開催やオンライン開催を含みます… 会場をアーケード商店街から公園に移したら本当に富士山が見えるようになった富士山コスプレ世界大会とか)

 新型コロナウイルスの影響が長引く中、同人誌即売会が赤ブーやYOUなど中規模程度までは再開しているのに比べ、コスプレイベントは小規模なものだけで、都市部での大型コスプレイベント再開はまだ遠いようです。
 というか無理みたいです。
 更衣室や撮影行列などどうしても密になりやすく、マスクも外してる係数が高いので。

 色々なものを乗せて拡大路線をひた走ってきた巨大コスプレイベントに、曲がり角が来ています。 
 ふんぞり返って個人的な考えを書いておきます。6000文字ほど。
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世界コスプレサミットのメイン会場だった名古屋市オアシス21。開催期間中の動員30万人なんて大見栄を切っちゃうからイカン…。
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アコスタ池袋レポと都内コスイベ再開を考える

 そろそろ東京以外の地域では中小規模のコスプレイベントが復活しつつありますが、感染拡大の止まらない東京都内ではまだ難しいのが現状。ごく小規模の集まりだったり同人誌即売会でコスプレ参加もできる…位のものしかありません。
 そんな中、コスプレ撮影スタジオのハコスタジアム&コスプレ衣装ブランドのACOSによる「アコスタ」が本拠地の池袋サンシャインで2/9以来に極めて限定的かつ試験的ながら再開しましたので、ちと足を延ばしてみました。
 7/23-26の4連戦のうち、参加したのは2日目です。

・公式ページ

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ヲタ恋映画のオタク描写の甘さなどなど感想

 映画館で見てきました。
 一言でいうと、ヲタ恋を見に行ったら、電車男を見て帰って来た感じ…?
 良い所・悪い所を箇条書きにしようかと思ってたのですが、それ以前に良し悪しとは別の部分で、オタク描写のディティールが甘いなーと感じる箇所が多々あったので、先にそっちを書いてしまいます。

 別に「オタクをバカにしやがって!オタク差別だ!!」などと怒っている訳ではありません。
 自分は原作を1巻だけ買って読んであんまりストーリー性が無かったので2巻以降は読んでおらず、アニメ版で全話視聴したくらいで、そんなに熱心なヲタ恋ファンではないと思います。原作とアニメと実写映画は別物であるという考えも持っています。
 ただ、原作の再現は求めてないけれど、大部分がオタクの世界を描いているハズの作品なのに、オタクが見ると要所で「ちょっと違うよなー…」って部分が散見されるのが気になりました。

 以降、核心部分のネタバレは避けて書きますが、事前情報を一切入れたくない人は読まない方が良いでしょう。
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