
猛暑もあって前回比・昨年比ともに過去最大幅で落ち込み、3年連続で減少期に入っているコミケのコスプレイヤー。
その中で近年、オタク向けではない一般向けの芸能系ニュースサイトが取材に入って、カワイイ・エロイ系のコスプレのみ取材して記事化し、煽りタイトルをつけて安易にPVと広告料を稼ぐ…という手法が常態化しつつあります。
同人誌よりもコスプレの方が視覚的に伝わりやすい事もあって、もっぱら世に出るコミケ報道はコスプレが主体になりがちですが、その中身がちょっとエスカレートしてるなぁーと強く感じます。
一体なにが起きているのでしょうか?
今回は主要10サイト計90本のコミケコスプレ記事を調べてみました。それぞれの取材対象やコミケ・コスプレに対する傾向と、記事タイトル頻出ワードの統計から、見えてくるものがあると思います。
結果、作業的にも精神的にも死にそうになりました。おそらく過去最大に長いけど読んでって。
■まず、準備会の公式発表資料より
・コミックマーケット94アフターレポート
https://www.comiket.co.jp/info-a/C94/C94AfterReport.html2017冬コミc93は2万5662人でしたから、前回比7000人減。しかし夏より冬の方がコスプレは多い傾向がありますから夏冬で単純比較はできません。夏コミだけで見てみましょう。
2017夏コミc92は2万620人でしたから、昨年比2,000人減。猛暑のせいもありましたが。
前回比・昨年比ともに、下がり幅としては近年で最大。
夏として見ると最大だった2015年夏コミc88の2万2663人からは4000人以上減り、3年間で約2割減。
夏コミが2万人を切るのは2013夏コミc84以来なので、5年前の水準まで戻った感じです。

(c94サークル申込数は未発表)
ハッキリとコミケでのコスプレイヤー参加数(サークル申込数もですが)は減少しています。 別に数が大きいほどエライ訳でもないですが。コミケって元々が同人誌即売会だし。
ローアングラー問題が盛んに報告されたのは2013年ですがこの時期はまだ拡大期でしたから、これが直接の理由という訳でも無さそうです。また被害自体も2014年以降は改善しつつあります。
近年のコスプレイヤー減少の理由はもちろん複合的なものでしょう。
まず公式による舞台やライブなどの2.5次元ビジネスが隆盛し、レイヤー層もそちらを追いかける方にエネルギーを振ってイベント参加が減ってる事。また、友達と複数名でコスプレできるような軽装のスポーツ・学園系のヒット作品が減った事、などなど。
しかしこの2016年以降つづくコスプレイヤー減少期、今回の主題でもある、(オタク系ではない)一般向け・芸能系のニュースサイトが積極的にコスプレを取材して、美人のえっちな格好メインに記事化して配信するようになった時期、またそれらを芸能活動のステップとする〝プロコスプレイヤー〟ブームが仕掛けられた時期とも被ってるのは興味深い傾向です。因果関係か相関関係かは議論の余地がありますが。
元々の形としては、コスプレとはファンアートであると思います。
もちろん再現度だけじゃなくってアレンジのセンスや、オリジナルの人は自分で設定を練って自分のファンアートを作るような感覚で。
そこに来て最近、自分自身の容姿アピールや芸能活動のステップとしてのコスプレをする人も増えつつあります。
悪い事じゃありません。イベントのルールや社会のルールに反しない限り、誰がどんな目的でコスプレしようと自由ですし、それをNoと言えるのは著作権を持つ権利者か治安を守る警察だけです。
「好き嫌い」と「良い悪い」は別です。
問題があるとしたら…それらを世間に伝えるメディアの側にあると思っています。
いわゆるマスコミと呼ばれる所よりも、ネット配信に特化したちょっと小さい所が多いです。なのでメディアと書きます。
メディアの扱いはやはりというか偏っていて、カワイイ・エロイに集中しがちです。よしんば、偏る事もまた、守られるべき報道・表現の自由でもありますが、さすがにウソや誤解を招く内容が多くなりすぎているとも感じています。
全般的には昔のような露骨はオタク叩きは減ったものの、しかし逆にオタクを持ち上げようとしてナナメ方向に飛ぶ!というのが最近の傾向です。
今回は2018,8,10-12開催のコミックマーケット94における、主要な芸能系ニュースサイトとオタク向けニュースサイトの記事の収集と、タイトル集計から、外側と内側のメディアを通して見えた〝コスプレ〟の扱い方を調べてみます。
また、それらを比較して見える事もあると思います。
[条件]
・コミックマーケット94(2018,8/10-12)のコスプレ取材記事を対象にタイトルや傾向を分析。となりでコスプレ博や、週のダイジェスト記事は集計に入れず参考として掲載。
・ヤフーやmixiやライブドアなどの大手総合ニュースサイトに提携して記事を配信してるニュースサイト、または発信力の高めのオタク系ニュースサイトの記事を対象とする。微妙なラインだった1up情報局さんは他の大手総合ニュースサイトへの提供が無いのとエロ比重が高いので今回は除外した。スマヌ。
・記事タイトル内からワードを集計するため、記事と写真のURLが分かれてる場合は、写真ページのタイトルではなく記事ページのタイトルで記載している。具体的にはまんたんweb。
・企業ブースのコンパニオンや芸能人のコスプレ情報は除外。記事タイトルにレイヤー個人名が入ってる場合は芸能活動の一環として除外。あくまで同人活動としてのコスプレがどう扱われるかが対象なので。
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