駄チワワ:旅と怪獣舎

コスプレ・同人・特撮、たまにプロレスなどを“読む”ブログ。ちょいちょい足を運んだり調べたり。歴史やムーブメントとしての記録や考察やら、とにかく書いて残します。 特撮ファンの着ぐるみコスプレイヤー、駄チワワが書いてます。一つの資料としてお使い頂ければ。

コミックマーケット

『ブログ読んでるよ』はこっそり教えてくれると喜びます。
「同人・コスプレ学級会 傾向と対策」最新号をBOOTHで販売しています。https://zubunuretiwawa.booth.pm/items/3587264
あと過去に寄稿していたコスプレイヤーズアーカイブのコラムは https://www.cosp.jp/news_corner.aspx?id=12

コミケのナチス軍服コスプレ騒動、資料と経緯の整理

 2022年12月末のc101、2023年8月のc102、立て続けに旧ドイツ軍つまりナチス軍服のコスプレの是非が議論になってますね。
 前者はアメリカ人の参加者がナチス軍服のコスプレを見て疑問ツイートした事が発端で、ご本人が後に撤回しています。
 後者はサークル参加していた専修大学戦史研究会がナチス軍服でサークルにいる告知画像をアップした事が発端で、後に広報写真として用いるには思慮を欠いていた(ナチス軍服コスそのものではなく広報写真としての投稿が)として謝罪しています。

 これらの騒動で度々持ち出されるのが、1996年の冬コミc51において発生した〝ナチス軍服抗議事件〟(あるいはナチス禁止事件とか、通称は統一されていない)です。
 同年の夏コミで新会場の東京ビッグサイトに移行してからまだ2回目の開催時とあって、既に27年が経過し、記憶が風化している人もいればSNSで当時の資料や証言が出ている部分もあるので、その後の波及も含めてちょっと振り返ってみます。
 結論を先に言うとコミケはナチス軍服コスプレを「禁止していない」のですが、そこに至る経緯もある訳で、禁止していない理由を含めて考えてみるべきではないでしょうか。0か100かの二元論ではなく。
 なお便宜上は「事件」と書きますが、これらは法的な意味での事件としては立件されたりはしていません。
 またナチス軍服コスプレはこの時期に突然発生した訳ではなく、それまでもコミケ内のミリタリーの一ジャンルとしてずっと問題なく存在し続けていた事も先に書いておきます。
 
・コミケ51でのドイツ軍コスプレ規制の経緯 - Togetter
(2016年に一水会の鈴木邦夫氏がナチス軍服でコミケに来て問題になった回想録をした事が発端)
https://togetter.com/li/1047396
・「コミケで見たコスプレヤー。アメリカ人としてよく理解できない」鉤十字腕章をつけたナチス軍服コスプレについて - Togetter
(c101における炎上の経緯)
https://togetter.com/li/2030245
・専修大学戦史研究会 今回の騒動について
(c102における炎上への謝罪)
https://twitter.com/senkenHQ/status/1691087294600474625
 
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再開後コミケのコスプレ事情:更衣室データ編

 約2年間のコミケ中止延期期間を経て、再開を迎えた2021冬c99は上限規制により2日間で全体の入場11万人。コスプレ更衣室登録数は男性753:女性2066:合計2819人。
 その8ヵ月後の若干制限が緩和された2022夏c100は2日間で全体の入場17万人。更衣室は男性1149:女性3210:合計4359人。
 で、コスプレイヤー=更衣室登録数の最盛期だった2015冬c89と比較すると、c99で更衣室登録数10%程度。c100で同15%程度。
 少しずつ戻しつつあるのですが、どうしてもまだ耐える時期が続いています。

 まず、この夏コミックマーケットが無事に100回目を迎えられた事、そのために尽力された方々に感謝と敬意を表します。
 そしてc99からc100で増えた6万人は殆どが一般入場の枠で、サークル参加している者の視点だとc100は一般で買いに回って来てくれる人が前回よりは増えたので、お祭り感も戻ってきたような気がしています。が、あくまで本項ではコスプレ視点で語ります。
 
[更衣室登録数の推移]
コミケ_コスプレ推移2022夏gi

コミケ_コスプレ一覧2022夏

 グラフに入れると哀しい線になるのですが、統計データとして公式発表のコスプレイヤー=更衣室登録数の推移を見える化しておきます。
 今回は準備会公式のc100アフターレポートでデータ部分が公開されたので、主に更衣室のデータな話を書いてみます。特に面白い話は無いです。
 実地編は後日ちゃんと書きますので。

・c100アフターレポート コミックマーケット準備会(この時点では8/23データ部分のみ公開)
https://www.comiket.co.jp/info-a/C100/C100AfterReport.html
・コミックマーケット年表
https://www.comiket.co.jp/archives/Chronology.html


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コロナ禍でのオタイベント動向備忘録 第6,7,8波・オミクロン編

 ワクチンを2回打ったら、長かったこの災厄もようやく終わる…そう思っていた時期がありました。
 2021年11月末、致死率は低いものの感染力の極めて高い新たな変異株を南アフリカで確認。ワクチンによる抗体を回避しながら爆発的に拡散するそれは、まるで全てが2年前の振り出しに戻ったかのような騒動を起こしていきます。
 そして、変わってしまった世界は、3年目に入ります。


・2020年2月の自粛要請~5月の緊急事態宣言解除までは第1部で!
・2020年6月以降の一時の安寧~第2波~GoToキャンペーンの10月までは第2部で!
・2020年11月以降の第3波、そして第2次緊急事態宣言は第3部で!
・2021年4月以降の第4波、そして第3次緊急事態宣言は第4部で!
・2021年7月以降の第5波、そして第4次緊急事態宣言と東京五輪とデルタ株編は第5部で!
 
※国内感染者数(あくまで検査で陽性反応を確認できた数)はNHKニュース基準。海外感染者数は米国ジョンズ・ホプキンス大学からの発表基準。後日、人数が修正されてる日もあるので注意。
 
【アバウトな分類】
主に同人誌など即売会系イベント(コミケ含む。小規模オンリー除く)
主にコスプレ系イベント(一部の町おこし系含む)
主に企業メインの複合系イベント(アニメジャパンやニコニコ超会議など)
第6波風景文字合成

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再開、2021冬コミのコスプレ関連情報を抜粋

“「今できる形」でのコミケットを全ての参加者の皆さんと作るため、お願いすることが多い開催となります。”

 この準備会の公式ツイートが真理だと思います。
 完全な形には程遠く、全く違うイベントのようになってしまうかもしれないし、コミケの趣旨に反する事でも受け入れざる得ない事が出てしまうかもしれない。
 それでも、最初の一歩を踏み出さなければ、次のアクションを起こせない。元に戻るか近づけるために、とりあえず「今できる形」のコミケを再開するという試みは、大いに賛同します。
 今年の夏から世界コスプレサミット、池袋ハロウィンコスプレフェスなどの大型イベントが縮小しつつ再開傾向がありましたので、ついにコミケが動き出す事、それを大きなトラブルなく終える事というのは来年以降の流れを作るためにも重要なのでしょう。

 閑話休題。
 そんな訳で、今回特に変更が多く、人数上限の厳しさを考えたら正直見送りにならなかっただけで奇跡なんじゃないかというコミックマーケット99=C99Aの“コスプレ”関連情報を公式サイト内で拾って、特に重要そうな部分だけ並べてみます。
 あくまで重要な部分のみ抜き出してるので、公式サイトも後で一通り確認しておくように。
 読んだ上で「今回は行かない・コスプレしない」という選択肢もまた重要だと思います。

・コミックマーケット99の開催について
https://www.comiket.co.jp/info-a/C99A/C99ANotice2.html
・コスプレ&コスプレ撮影 サポートページ
https://www.comiket.co.jp/info-p/
・新コミックマーケット99チケット販売について
https://www.comiket.co.jp/info-a/C99A/C99AEntryTicket2.html
・コミックマーケット99サークル向け更衣室利用チケット
https://www.comiket.co.jp/info-c/C99A/C99AEntryTicketCCos.html

ソメイティコミケ1
(何かの罪滅ぼしのためにコミケにサークル参加するソメイティ)
 
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エアコミケ記念!近年のコミケコスプレ事情を勝手にふり返る

 エア冬コミ!楽しみです。(2020.12記述)
 さて、歴史的に見るに準備会の公式記録だけしか残らないと、その時の細かい出来事や空気みたいなものって情報の洪水や雑音の中で埋もれてしまいそうなので、なるべく個人で集められる情報を定期的にまとめて〝書いて残す〟事にしております。

 この手のブログは毎回ご丁寧に「長い」「ダラダラ書きやがって」的な感想をいただくので、もう開き直ってダラダラ、つらつら、思う限りをまとまらずに書きまくる事にしました。約8000文字。
 冬コミ無くなって年末年始の虚無化した時間にでも読んでくださいませ。

 サークル申込ジャンルとして写真集の売買を前提とした〝コスプレ〟(ジャンルコード911)と、売買を伴わない表現活動としてのコスプレを扱います。防災公園問題とか、えげつない話は今回は外しました。

 昨今、何が起きているかは書くけど、別に断罪はしないのだ。
 ネットの世界は単純な悪者探しになりやすいので、そうじゃなくて構造として何がどうしてこうなったか、を記す事が目的。

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エアコミケ記念!アナログ申込派は最悪いつコミケ中止を知るのか?

 あらゆる情報がインターネットを介して瞬時に駆け巡っていく時代、それでも一定数存在するアナログ人間は、このイレギュラーな緊急事態の情報をどう得るのか?得られないのか?
 別に批判ではなく、可能性の話として考えてみると、いかに今の情報がネットを介してのやりとり前提になっているのか見えて面白いと思います。

 そもそも何でこんな話を書いてみようと思ったのかというと、昨年秋に明治大学講堂で開催された「明治大学米澤嘉博記念図書館 コミケ紙モノ展トークイベント」で、市川共同代表らの話の中で「今はもう殆どがオンライン申込だけど1割くらいアナログ(郵送)申込が残ってる」というのがありまして、その場の参加者数十名に向けた「メールアドレスを持ってない人ー?」という質問にもごくごく僅かながら挙手した人がいたのです。
 参加者の年齢層の広すぎるコミケであるからこそ、申込サークルの中にも未だアナログ申込で普段メールしてない・あるいはネット環境そのものが無い人は、やはり存在するでしょう。
 私自身もアナログ申込をしていて、当落発表前に受付番号をオンラインでの紐付け設定をしているため当落結果はメールで来るのですが、でも完全アナログ派の人は一体このコミケ中止という大事件をどこのタイミングで、最悪どこまで遅いタイミングで知るのだろうか?と。
 なお自分はツイッターで知りましたが、何故か当落メールは来てたのにコミケ中止のお知らせメールは来てません。迷惑メールフォルダにも入ってないので、エラーが起きてるのでしょうけど。

 3/11(水)サークル当落発表後、週末の3/15(日)に準備会公式サイトとツイッターで「コミックマーケット98の開催見通しについて」という声明が出されており、この時点で中止または延期の可能性が既に示唆されています。
 また公式発表の前日に企業ブース関係者から洩れていたようですが、これは確証がないので考えません。
 思考の条件としては「わざわざ教えてくれるような親切な友人なんぞいない」と仮定しておきます。
 
ビッグサイト夜正面
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夏コミ統計:終わらないコスプレイヤー減少期を多面的に考える

 ネットニュースや深夜番組が量産している安直なコスプレ記事とは裏腹に、コスプレイヤーのコミケ離れ・イベント離れはどうして起こっているのか。
 史上初の4日間開催となった2019夏コミc96ですが、コスプレイヤー登録数は最盛期の2015年から4年間で25%減という驚くような減少を見せているので、久しぶりの長文でこれを色んな方向から考えてみます。
 コスプレイヤーが参加しづらくなる何かの事象が起きているハズです。
コミケ_コスプレ推移2019夏GI
コミケ_コスプレ一覧2019夏GI
[追記1] 夏コミ参加者(入場者)におけるコスプレイヤー(更衣室登録)比率: 
2014夏 3.7%
2015夏 4.1%
2016夏 3.9%
2017夏 4.1%
2018夏 3.4%
2019夏 2.3%(4日間)
※冬コミは年末の曜日によって全体の参加者数が大きく違うため、夏コミのみで比較。


データ引用元:コミックマーケット96アフターレポート -コミックマーケット準備会(2019.9.21データ公開)
https://www.comiket.co.jp/info-a/C96/C96AfterReport.html

【ポイント】
・コスプレイヤーの参加数=更衣室登録数は夏冬ともに2015年が頂点(夏2万2663人/冬2万9386人)で、その後はほぼ一貫して減少傾向を続けている。
・2019夏コミでは昨年比で開催日が1日増えて4日間開催、全体の参加者数が20万人増えているのに、コスプレイヤーの数は1600人減。最盛期の2015夏からは4年間で25%減
・この4日間1万6886人という数字は、コスプレの規制緩和の始まった2011夏コミの3日間1万7229人を下回っており、つまり「長物30cm以下・露出対策でボディタイツなど着用義務」だった時期までレイヤーが減っている。
・男性レイヤー数は近年ほぼ一定だが、女性レイヤー数の落ち込みが激しい。
・全国的に同じような傾向があり、土日開催だったイベントが単日開催になったり、前売券が完売しなくなっている。
・なおコスプレ撮影スタジオも新規オープンが減り、老舗や小規模店が閉店したりするので、下火になっている。
・ぶっちゃけ、コミケでも他の大型イベントでもコスプレヤーが減って、カメラマンが増えている傾向。

 …ハイ。
 「コミケは同人誌即売会だからコスプレは消えてもいい」と考える人も当然いるでしょうが、コミケットアピールに記された理念は時代に合わせて改定が行われておりまして。
コミケ理念新旧
旧)「基本的には同人誌、ディスクや電子媒体物などの展示即売会」
現)「コミックマーケットは同人誌を中心としてすべての表現者を受け入れ、継続することを目的とした表現の可能性を拡げる為の『場』である」

 2011年以降のコスプレ規制緩和と自己責任化を見るに、現在コミケとしては同人誌とコスプレを同等に扱う方針があります。
 もっと言うと同人誌にしてもサークル申込数は2010年を頂点として減り続けており近年はサークル申込数の公表自体が無くなってしまいましたが、本を発行しても赤字になってしまう弱小サークルの発表の場がピクシブやツイッターに移行している現状を考えれば、今はもう同人誌だけではない多様な表現の場をコミケが作ろうとしている事はうなづけると思います。

 コミケの抱える問題と他のイベントが抱える問題はまた別だったりもするのですが、常にコスプレイヤーにとっても最大規模だったはずのコミケでの減少理由を考えれば、他イベントの参考にもなると思います。
 コスプレイヤーから忌避される・もしくは新規参入を拒む何かの事象が起きている訳ですから。
 「減少」という一つの結果に対して複合的な理由があるハズなので、仮説ごとに考えてみます。
 ちょっと長文かつ、いつもよりさらに散漫です。10000文字。ヒマな時に読んでね。

【今回の目次】
・暑いから説
・イベント乱立で特別感が消滅した説
・学園やスポーツ系の軽装コス作品のブームが無い説
・規制や値上げの影響説
・オタクビジネスの多様化と公式2.5次元ビジネスとの競合説
・イベントの撮影会化で環境(治安)悪化説
・大人の事情によるプロコスプレイヤーブーム不評説
・本当は減っておらず、イベント参加が減っただけ説
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2018夏コミ統計、メディアはコスプレをどう伝えた?

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 猛暑もあって前回比・昨年比ともに過去最大幅で落ち込み、3年連続で減少期に入っているコミケのコスプレイヤー。
 その中で近年、オタク向けではない一般向けの芸能系ニュースサイトが取材に入って、カワイイ・エロイ系のコスプレのみ取材して記事化し、煽りタイトルをつけて安易にPVと広告料を稼ぐ…という手法が常態化しつつあります。
 同人誌よりもコスプレの方が視覚的に伝わりやすい事もあって、もっぱら世に出るコミケ報道はコスプレが主体になりがちですが、その中身がちょっとエスカレートしてるなぁーと強く感じます。
 一体なにが起きているのでしょうか?

 今回は主要10サイト計90本のコミケコスプレ記事を調べてみました。それぞれの取材対象やコミケ・コスプレに対する傾向と、記事タイトル頻出ワードの統計から、見えてくるものがあると思います。
 結果、作業的にも精神的にも死にそうになりました。おそらく過去最大に長いけど読んでって。


■まず、準備会の公式発表資料より
・コミックマーケット94アフターレポート
https://www.comiket.co.jp/info-a/C94/C94AfterReport.html

2018夏コミc94、コスプレ更衣室登録人数は三日間合計1万8452人。
2017冬コミc93は2万5662人でしたから、前回比7000人減。しかし夏より冬の方がコスプレは多い傾向がありますから夏冬で単純比較はできません。夏コミだけで見てみましょう。
2017夏コミc92は2万620人でしたから、昨年比2,000人減。猛暑のせいもありましたが。
前回比・昨年比ともに、下がり幅としては近年で最大。
夏として見ると最大だった2015年夏コミc88の2万2663人からは4000人以上減り、3年間で約2割減
夏コミが2万人を切るのは2013夏コミc84以来なので、5年前の水準まで戻った感じです。
コミケコスプレ登録数2018夏
(c94サークル申込数は未発表)

 ハッキリとコミケでのコスプレイヤー参加数(サークル申込数もですが)は減少しています。 別に数が大きいほどエライ訳でもないですが。コミケって元々が同人誌即売会だし。
 ローアングラー問題が盛んに報告されたのは2013年ですがこの時期はまだ拡大期でしたから、これが直接の理由という訳でも無さそうです。また被害自体も2014年以降は改善しつつあります。

 近年のコスプレイヤー減少の理由はもちろん複合的なものでしょう。 
 まず公式による舞台やライブなどの2.5次元ビジネスが隆盛し、レイヤー層もそちらを追いかける方にエネルギーを振ってイベント参加が減ってる事。また、友達と複数名でコスプレできるような軽装のスポーツ・学園系のヒット作品が減った事、などなど。 

 しかしこの2016年以降つづくコスプレイヤー減少期、今回の主題でもある、(オタク系ではない)一般向け・芸能系のニュースサイトが積極的にコスプレを取材して、美人のえっちな格好メインに記事化して配信するようになった時期、またそれらを芸能活動のステップとする〝プロコスプレイヤー〟ブームが仕掛けられた時期とも被ってるのは興味深い傾向です。因果関係か相関関係かは議論の余地がありますが。

 元々の形としては、コスプレとはファンアートであると思います。
 もちろん再現度だけじゃなくってアレンジのセンスや、オリジナルの人は自分で設定を練って自分のファンアートを作るような感覚で。
 そこに来て最近、自分自身の容姿アピールや芸能活動のステップとしてのコスプレをする人も増えつつあります。
 悪い事じゃありません。イベントのルールや社会のルールに反しない限り、誰がどんな目的でコスプレしようと自由ですし、それをNoと言えるのは著作権を持つ権利者か治安を守る警察だけです。
 「好き嫌い」と「良い悪い」は別です。

 問題があるとしたら…それらを世間に伝えるメディアの側にあると思っています。
 いわゆるマスコミと呼ばれる所よりも、ネット配信に特化したちょっと小さい所が多いです。なのでメディアと書きます。
 メディアの扱いはやはりというか偏っていて、カワイイ・エロイに集中しがちです。よしんば、偏る事もまた、守られるべき報道・表現の自由でもありますが、さすがにウソや誤解を招く内容が多くなりすぎているとも感じています。
 全般的には昔のような露骨はオタク叩きは減ったものの、しかし逆にオタクを持ち上げようとしてナナメ方向に飛ぶ!というのが最近の傾向です。

 今回は2018,8,10-12開催のコミックマーケット94における、主要な芸能系ニュースサイトとオタク向けニュースサイトの記事の収集と、タイトル集計から、外側と内側のメディアを通して見えた〝コスプレ〟の扱い方を調べてみます。
 また、それらを比較して見える事もあると思います。

[条件]
・コミックマーケット94(2018,8/10-12)のコスプレ取材記事を対象にタイトルや傾向を分析。となりでコスプレ博や、週のダイジェスト記事は集計に入れず参考として掲載。
・ヤフーやmixiやライブドアなどの大手総合ニュースサイトに提携して記事を配信してるニュースサイト、または発信力の高めのオタク系ニュースサイトの記事を対象とする。微妙なラインだった1up情報局さんは他の大手総合ニュースサイトへの提供が無いのとエロ比重が高いので今回は除外した。スマヌ。
・記事タイトル内からワードを集計するため、記事と写真のURLが分かれてる場合は、写真ページのタイトルではなく記事ページのタイトルで記載している。具体的にはまんたんweb。
・企業ブースのコンパニオンや芸能人のコスプレ情報は除外。記事タイトルにレイヤー個人名が入ってる場合は芸能活動の一環として除外。あくまで同人活動としてのコスプレがどう扱われるかが対象なので。

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半年後に振り返る、2017冬コミコスプレ事情~減少と公共と世間と

【その1】 データから見るコスプレイヤー減少傾向
【その2】 露出への新ルール運用は意外と歓迎だった気が
【その3】 アイテム類にも部分的に制限が入りました
【その4】 終了時間帯に防災公園から更衣室へ戻る導線が大変な事に
【その5】 メディアはコスプレをどう伝えたか…コミケ特集がプロコスプレイヤーの売り出しに利用された例
【まとめ】 公共と世間と…

 2017年12月の冬コミc93から早半年。そろそろ夏コミc94が近づいて参りました。
 c93アフターレポートが6月中旬に本文部分が公開されていたので、読み直した上でコスプレに関して起きていた新ルールやらメディアの虚実を振り返るという、私がやっておきたいだけで世の中的には割とどうでもいい試みです。
 ここまで続いていた規制緩和路線から、会場側の要請での制限が追加されたり、コスプレに対する内側と外側との認知の溝などを、個人で見る事ができた範囲で勝手に考えてみます。
 9000文字。

・コミックマーケット93アフターレポート
http://www.comiket.co.jp/info-a/C93/C93AfterReport.html

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デマにご注意!冬コミのコスプレルール改定を、正確な情報を元に読む

 第三回拡大準備集会・カタログ発売・公式サイトが続々と更新…と今年も冬コミが近づいてきた中、コスプレに関する諸注意とルールはここ数年の規制緩和路線から一転して、大幅に増えてしまいました。
 その多くは元よりコミケでは禁止だった事象(徹夜・盗電・騒音など)なので、とどのつまりは〝コスプレイヤーやカメラマンの中にはコミケ全体の諸注意ページを読まない人がいるので、コスプレ諸注意のページにも改めて追記された〟というのも実態だと思いますが、注意すべき新ルールも追加されています。
 しかし早速というか何というか、「らしい」という思い込みでのデマが拡散してしまっているのも(いつもの事ながら)事実です。

コスプレエリアが縮小?
 → × 前回(2017夏コミ)と同じ。西屋外や埠頭が使えなくなったのは前回・前々回からであり、それもコスプレではなく会場の増築工事の都合である。防災公園が三日目(大晦日)に閉鎖されるのは冬コミ恒例。
自転車・キックスケーター・ローラースケートが禁止に?
 →  乗り物類は「使用の禁止」であり、持込自体は禁止にはなっていない。
コタツは?
 → 禁止されていない。あえて言うなら施設内の電源は使用禁止で、また火器類と大型バッテリー持込禁止は以前からなので、スイッチ入れてなければアイテムとしてはセーフ。

FH000012FH000005
※特に意味のないサムネール用イメージ画像

 せっかくコミケ準備会として「表現そのものへの禁止事項はなるべく増やさない」という部分で腐心してもらっているのに、無根拠なウワサでそれがひっくり返ってしまうのは本末転倒です。
 一方でむしろもっと重要そうな改定ルールである
「水着・レオタード等は公道の移動時は上着・マント等を着用」「下着に見られるコスプレは庭園・エントランス以外へ」が全然広まってないのもよろしくありません。

 …誰か!
 思い込みや伝言ゲームじゃなくってちゃんとした公式の情報を元に改定ルールを検証してる専門的なサイトはないの?

 探してみました。

 結果。
 ありませんでした。

 なので自分でやります。
 無いものは作るのが同人&コスプレ精神。
 以下、7000文字くらい続く。

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