駄チワワ:旅と怪獣舎

コスプレ・同人・特撮、たまにプロレスなどを“読む”ブログ。ちょいちょい足を運んだり調べたり。歴史やムーブメントとしての記録や考察やら、とにかく書いて残します。 特撮ファンの着ぐるみコスプレイヤー、駄チワワが書いてます。一つの資料としてお使い頂ければ。

学級会

『ブログ読んでるよ』はこっそり教えてくれると喜びます。
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あと過去に寄稿していたコスプレイヤーズアーカイブのコラムは https://www.cosp.jp/news_corner.aspx?id=12

学べるニュース解説!?万博騒動から考えるコスプレ村の因習と風化について

※コスプレにおける因習とされるものが、いつ発生して何を守ってきたか、どう広まったか、それがなぜ風化していったのかを解説するブログです。だいたい2万文字あるので時間ある時に読んでね。
万博騒動サムネ

 そろそろクールダウンしてきたというか忘れられてきた頃ですね。
 「好き/嫌い」と「良い/悪い」は分けて考えるべきで、混同してはいけません。

 最初の議題だった「大阪万博会場で一般入場者のコスプレの可否」については、運営者である万博の担当者から「禁止している訳ではない」「実際には個別判断」という公式回答も4月末段階で早々に出ていますから、客観的に見てもこれで決着しています。
 さらに5/18日本橋ストリートフェスタ開幕式では大阪市長が進撃の巨人コスしながら「万博会場でもコスプレをしてる方、ポップカルチャーを楽しんでおられる方がたくさんいらっしゃいます」と好意的な挨拶しちゃったのでここでもうダメ押しです。
 それでも「万博会場で一般入場者による版権コスプレは条件付きOK」という事実に納得できない人達は現在、一部が匿名アカウントから当事者の方の他の言動をあげつらう形で個人攻撃へと移行していますが、正直、初期のような拡散力はもうありません。
 この議題自体が割と飽きられてるからです。ええ。

 気になるのは他人を著作権侵害で攻撃してやろうと盛り上がっていた人の中に、むしろ名誉棄損の方で先に構成要件を満たしてしまってるケースが結構な割合で存在する事です。
 他人への攻撃を、自分の人生と引き換えに行う価値はありません。

 一方で「因習村」という言葉で、コスプレイヤー達の閉鎖性をあげつらう方々も大変よく見かけます。
 実際、私もこうした「コスプレ村」「因習」という言葉は過去に何度か使っていて同人誌にもゲ謎グッズ議題で表紙に記していますが、こういう言葉は村の住人や中身を理解している人から自嘲や自虐を込めて使うものであって、今やまったくの門外漢というか害悪インフルエンサーの人達にまで侮蔑や嘲笑を込めて「コスプレ因習村」呼ばわりされる状況が正しいとは思いません。また雑に単純化されてツイッターおじさん達による“女叩き”に理由されるのも御免こうむるのです。 
 一応は自分もコスプレ村の価値観に居心地の良さも感じている村民経験者ですので。価値観が現代に合ってない古さは認めつつ、一方的に馬鹿にされるべきものでもないと思います。

 2~3週間くらい続いた、まるで建設的な議論になっていない攻撃的な喧騒を見て、色々と辛くなってしまった人は多いんじゃないでしょうか。私はそうです。

 でも騒がれているそれが“因習”だとして、ある時期まではやはり村を守り、村人たちを守る意味はあったのです。
 それが成立した経緯や、何を守る趣旨だったのか?どうやって広まり、どうして時代とずれていったのか?そして急速に風化しつつあるのか?…を知っておく事で、もっとちゃんと考えたり、モヤモヤしてる部分をスッキリさせる事もできます。解像度が上がれば気持ちもラクになれます。もう考えたくも無ければ別にいいけど。
 万博コスに否定的な人の中にも“コスプレ文化を守るために隠すべき”と、“コスプレ嫌いだから視界に入れたくない”人がいて、立場は逆なのに何故か収れん進化のように同じような論法を用いているのですが、ここでは主に前者の人達の話をします。
 なるべく丁寧な言葉で、「因習」とされるものの歴史的経緯や、起こりがちな対立の構造を、お節介にも解説していきます!!
 なお、私は“事象”のみ興味があるので、個人の擁護は目的としないのである。騒動となった当事者の方の、その他の言動に関してはあまり賛同してません。あくまで万博コス騒動からコスプレ村の因習を村民の視点で考え直すという趣旨で以下、長々と話すのです。
 
 あ、始める前に注意書きですが、非レイヤー層の皆さんがこのブログを読む場合、「その着せ替え人形は恋をする」「2.5次元の誘惑」で聞きかじった程度のコスプレ知識は今だけ押入れにしまって忘れてください。アレはあくまで商業的に理想化されたコスプレイヤー像なので、フィクションとして面白いですがあまりレイヤーから見るとリアリティは無いです。←村民視点


[参考資料 ネットニュース系]
●フォーカスオンEXPO:万博会場のコスプレ賛否 入場は個別判断「やり過ぎはよくないが…」 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20250429/k00/00m/040/102000c
(万博協会の担当者に取材、「(コスプレを)やめてほしいというわけではなく、ルールを守っていれば入場は可能」「程度の問題で、実際には個別の対応になる」と言質を取っている)
●「大阪・関西万博でコスプレは禁止されている」は誤り。公式サイトで「装着しての入場は可能」と案内(篠原修司)-Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/bc8fd83ca704933fe7a466a537f2f37a6dddd10e
“万博でコスプレ”が炎上、「著作権侵害」の声も 当事者コスプレイヤー「タブーにするのではなく…」 ENCOUNT
(ENCOUNTのタイトルは記事公開時「白黒つけるべき」と記載されていたが、これはご本人の発言ではなく、ライターが誘導して発言させた言葉がタイトルになっているという状況らしいと、文春オンライン他で説明あり。後にENCOUNTが記事タイトル差し替え)
ニコニコニュース・日本橋ストレートフェスタ2025開会式での横山英幸大阪市長の挨拶 Twitter
「万博会場でもコスプレをしてる方、ポップカルチャーを楽しんでおられる方がたくさんいらっしゃいます」と、万博協会の理事でもある大阪市長(進撃の巨人コス)から歓迎の意。
 
[今回の目次]
1,大阪万博のルールおさらい
2,“コスプレ界のルール”は誰も作っていません
3,本題:コスプレ村のオキテ、発生から拡大、そして風化までの歴史
4,コスプレと著作権の話:簡易版
5,オープン派/隠れる派での住み分け論、上手くいかない理由
6,個人の言動への批判は、万博コスの是非とは別に考えるべき
7,まとめ:繰り返される議論の先に


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歴史と資料から見る「公共スペースでのコスプレ」議論2:歴史的経緯から

 長いので、なるべく見やすいように記事分割しています。初稿は2024年11月の記事です。

 
[2025年6月追記]大阪万博でのコスプレ騒動で引用される事が多いので、そちらは別途記事を書きました。
 万博騒動で情報を探している方は、手っ取り早くこちらをご参照ください。
→ 学べるニュース解説!?万博騒動から考えるコスプレ村の因習と風化について 


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歴史と資料から見る「公共スペースでのコスプレ」議論1:法的な事例

 こんにちは。学級会ソムリエ的な事をしている人です。
 2024年11月現在、何度目かもわからないほど繰り返し繰り返しの炎上沙汰で、またまたまたまた公共スペース(もしくは公共スペースではないが公衆の前、と混同されている)でのコスプレが議論になっていたそうで、これはこの30年くらい繰り返されてそれでも時代が変わっていってるのですが、どうもこれを議論する方々の中で、公共スペースでのコスプレが忌避されるようになった経緯を知らずに場当たり的な擬似著作権や俺マナー論になってしまっているパターンが非常に多いので、客観的な事実としてその歴史的経緯と法律論での扱いをまとめておきます。ザッと1万3000文字ほど。

 「二次創作は本来、全て違法であり~」みたいに、明らかに法律論を踏まえてないような匿名注意喚起ツイートが何度もバズッたりするのは文化的によくありません。
 「グレーゾーン」という言い方もよく使われていて、それも間違いではないのですが、では過去にどういったクロ判定があったり、どうすればシロに近い状況にできるのかという個々の法律や事例を挙げて考えてる人って意外と少なくて、ただ漠然とぼんやりした全体的なイメージで「グレーゾーン」という言葉を使って、それ以上深くは考えてない人もいるでしょう。
 賛成も否定も、過去の歴史的経緯や法律論を知っておけば、考えを深める事ができるのではないでしょうか。

※以下、何かあったらちょいちょい修正や追記していくつもりです。

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世界コスプレサミット2023日本代表選考会レポとその後の騒動

 コスサミ日本予選、再開と仕切り直し(ついでに炎上沙汰)なのです。

[ここまでのあらすじ]
 簡単に振り返ると、世界コスプレサミット(ワールドコスプレサミット=WCS)はテレビ愛知の番組企画として2003年に海外レイヤーを名古屋に招いてパネルトークなど〝サミット〟形式で始まりましたが、当初予定での集大成ともいえる2005年の愛知万博内で各国代表チームによる世界一決定戦〝コスプレチャンピオンシップ〟が大当たりし、海外イベントから大使館など外交ルートを通じて参加希望などが相次いだことからついに民間外交として外務省の後援など得てしまい、翌年以降も継続・拡大を続けます。

 その後WCS2013において運営体制が変更、中心となるコスサミ運営事務局がテレビ愛知から(株)WCSというイベント会社へ移管された事に伴い、日本代表選考会(日本予選)もコスサミ本体から切り離して東京のコスプレイベント会社であるCOSSANが受託するのですが…。形式としては海外予選が現地のイベントに委託されてるのと同じなのですが。
 そこから起きた騒動は長くなるので割愛。過去のブログやコスプレイヤーズアーカイブニュースに触れているので暇な人は読んでね。
 言っときますが「やらせではなく、ただグダグダなだけ」ですので。

 世界を襲った新型コロナウイルス時代。WCS2020は各国予選ごと中止。WCS2021~2022はステージ予選ではなくWEB予選により日本代表チームを選出。
 そして!WCS2023…前述のCOSSANが日本代表選考会の運営から正式に撤退しました。これまで付いていたスポンサーや協賛団体もとっくに撤退。
 何も無い状態になってしまいます。
 この状況で、日本代表選考会の運営権を引き継いだのがファルール株式会社…WCS2013日本代表チーム経験者のFRANさん(コスサミの運営に通訳などでも関わっていた)の個人会社であり、輸入品など扱う会社であってイベント会社ではありません。
 このまま日本代表選考会が消滅したり、変な会社(タレント事務所とか)が運営権を買っちゃうよりかは、ぶっちゃけリスクだらけのコスサミ日本予選を引き継いでもらった訳でございます。

 再開、省力化、今できる事をやる。
 そんなこんなで何も無いところからの再スタートとなったコスサミ日本代表選考会、2023年6月3日さいたまプラザノースで行われた模様を、9ヵ月も経ってレポにまとめてみます。
 ホラ、期せずして代表チームの過去言動で炎上沙汰とかあったし。
 …この当日、私およそ7年ぶり6回目の挑戦をしておりまして、出場者としての視点でいろいろ書いてみようと思います。
0会場

 なお、コロナ前までの日本各地でやった(運営の手が回らなくなった原因でもある)地区予選~国内決勝パターンを廃し、2023年度は書類選考後は国内決勝の一発勝負となっております。
 いち出場者として、今回は「予選の段階ではレポートの書類は最低限これくらいやっておいて、実際の製作物に力を入れた方が良い」みたいに事前アドバイスが入るのでありがたかったです。
 あと書類や音源の提出物の締切を守らせてるのも、ちゃんと運営してます。
(前の予選運営会社では締切が形骸化してて、期限を守って提出物を作るのがバカバカしくなっちゃったので)
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同人・コスプレ学級会 傾向と対策~2017年度版

 2017年の冬コミで発行した「同人・コスプレ学級会 傾向と対策2017」よりダイジェスト。
 当初は上半期・下半期で記事を分けるつもりでしたが、更新の間が開いてしまったので一年分を一緒にまとめて、改めて新記事としてアップします。
 一年間にネット上を駆け巡った〝学級会〟から個人的に気になった主要14議題を選出、法律論・歴史的経緯・伝言ゲームの元情報から考えてみます。
疑似著作権/俺マナー/伝言ゲームとして分類
 同人誌版は全部で1万8000文字くらいあるので、ブログ版は2/3くらいに削っております。
表紙_見開き

※ 賛否が議論になったものが対象なので、一方的な晒し目的や、犯罪行為を発端とする単純な〝炎上〟は除外しています。
※ 刀剣乱舞の界隈は学級会のための学級会を延々と繰り返しているので除外しています。

目次:
「コスプレイヤーのネームボードを奴隷札と呼ぶ議題」
「いい歳した女がキャンメイクとか使うのはどうなの議題」
「うたプリ同担拒否ではないけど、昭和生まれの人は年齢拒否議題」
「中池袋公園が野生のアニメイト化議題」
「東山動植物園コスプレフレンズ議題」
「売り子が確保できない混雑サークルは参加を自粛すべきか議題」
「ハイキューの舞台レポ本を芸能ジャンルではなくハイキュージャンルで売ったら大変なことになる議題」
「無料配布した同人誌にクレームしてきた相手に菓子折を持って謝罪に行くべきか議題」
「目トレスってトレパクですか?議題」
「有名女優のサークル参加とクラウドファウンディングでの 同人誌製作費調達をどう見るか議題」
「無許可リツイートはマナー違反!議題」
「とら婚、オタク婚活市場でもオタ趣味だけじゃ価値が低い議題」
「オーダーメイドでコスプレ衣装を請負ったら罪になるか議題」
「ウィッグつけないとコスプレじゃないのか議題」
 
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輝かない!同人・コスプレ学級会~2017上半期

上半期の記事に下半期分を追記して、以下のページに新記事として一年分まとめて移行、アップし直しました。
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